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PC-9800シリーズ
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2.歴史
2.1.初期の8086・GDCのみ搭載モデル、FDD内蔵への歩み
1982年発売の初代機「PC-9801」[注 1]はCPUに16ビットのNEC製μPD8086Intel 8086互換)5MHz割り込みコントローラi8259Aカスケード接続(IRQ 7に接続)、DMAコントローラにi8237を使用するなど、インテルの8086ファミリチップを採用したため、IBM PCに似た構成となったが[9]8ビットXTバスを搭載したIBM PCと異なり、筐体を開けずに抜き差し出来る16ビットのCバス[注 2]を採用した。幅広く事務用途や工業組込用途に適合するよう、ハードウェア面ではPC-8000/8800シリーズに似たシステム構成を取り、従来のPC-8000/8800シリーズユーザーが取っつきやすいように工夫されていた。内部は8086向けにハードウェアを最適化し、CUI向けに性能を特化させた16ビットパソコンである[注 3]。この機種はPC-8000/8800シリーズを開発していた「電子デバイス事業グループ」とは別の「情報処理事業グループ」が開発した[10][注 4]

また、高速な日本語表示のためにテキストVRAMを搭載していた(ただし漢字ROMは別売であったため、この初代と後述のPC-9801Eのみ単体での漢字表示ができない機種でもある)。グラフィック画面解像度は640ドット×400ドット8色(RGBそれぞれのオンオフを組み合わせた8色固定パレット、デジタルRGBと呼ばれた)、1画面。後のモデルでは2画面となった。テキスト画面・グラフィック画面ともに、ハードウェアによる1ライン単位の縦スクロールおよび16ドット単位の横スクロールが可能だった[11]。このテキスト画面を持つことで、ワープロやエディタなど文字系のソフトウェアを使う場合は、他の機種よりもアドバンテージとなった。初期のワープロソフトでは、このテキスト画面で文字入力し、グラフィック画面で印刷イメージを確認するものがほとんどだった。

これらの高精細かつ高速なグラフィック処理のために、自社製の汎用グラフィックコントローラGDC(Graphic Display Controller μPD7220)を2個、テキスト用(マスタ動作・CRT同期信号を生成)とグラフィック用(スレーブ動作)にそれぞれ採用した[11]。GDCは直線円弧などグラフィック図形の描画機能、縦横方向へのスクロール機能を持つ[注 5]。テキスト画面にはPC-8000シリーズと同様のキャラクタグラフィックモードが実装されるなど、PC-8000シリーズ/PC-8800シリーズとのある程度の互換性が考慮されていた[12]

その他、PC-8800シリーズのN88-BASICと互換性を持つN88-BASIC(86)を自社開発し、ROMで搭載していた[11]

PC-9801のキーボードはμPD8048(Intel 8048相当)などのマイコンを内蔵したシリアル接続タイプで[13]、ハードウェア的には直接読み取ることはできなかったが、BASICプログラムの移植性を考慮して[注 6]、BASIC上からはPC-8800シリーズと同様にI/O命令でキースキャンコードを読み出せるようにエミュレーションされていた[注 7][14]。このような点からも、ソフトウェア面でいかにPC-8800シリーズとの互換性確保に腐心していたかをうかがい知ることができる。

初代機以降、CPUを8MHzに高速化してグラフィック画面を2画面に増強[注 8]したPC-9801E、PC-9801Eと同様の変更に加えて5インチ2DD(両面倍密度倍トラック)フロッピーディスクドライブを本体に内蔵し、さらにJIS第1水準漢字ROMを標準搭載したPC-9801F(FDD内蔵を強調しての命名)が発売された。

同時期に米国で爆発的に普及した[15]IBM PCを取り上げると、IBM PCがCPUとして採用した8088は内部的には汎用レジスタ長が16ビット、リニアにアクセスできるメモリの最大容量を決定するアドレスバスは20ビット長(=1Mバイト[注 9]であるが、8ビットCPU用の周辺チップがそのまま利用できるように、外部バス幅は8ビットとなっていた。対して、PC-9801は当初から8088の上位機種である8086をCPUとして採用、外部バス幅は16ビットとなっており、バスクロックは10MHz、最大転送速度は1MByte/secでモデル5150よりも大幅に高速な転送能力を備えていた。なお、PC-9801より先行して発売された三菱電機の16ビットパソコン MULTI 16 も初代機ではCPUに8088を採用しており、IBM PCシリーズで初の16ビットバス搭載パソコンは80286を搭載したIBM PC/ATである。また、PC-9801はカラーグラフィックで640×400ドットの解像度を持ち、IBM PC/ATのEGA(640×350ドット)より解像度が高かった。

μPD8086-2(Intel 8086互換) 8MHz、グラフィック画面2画面、5インチ2DDドライブ内蔵、5インチ2D FDD I/F搭載、漢字ROM(JIS第1水準)搭載 …(JIS第2水準漢字表示にはオプションROMのPC-9801-12/Kが必要。拡張漢字表示にはオプションROMのPC-9801-18が必要)
PC-9801E 1983年11月
μPD8086-2(Intel 8086互換) 8MHz、グラフィック画面2画面、5インチ2D FDD I/F搭載、漢字ROM非搭載…(漢字表示にはオプションのPC-9801-10ボードが必要。JIS第2水準漢字表示にはオプションROMのPC-9801-12/Kが必要。拡張漢字表示にはオプションROMのPC-9801-18が必要) これらに続いて、富士通FM-11BS対抗のため、2HD(両面高密度)フロッピーディスクドライブ(以下FDD)とマウスインタフェースボードを搭載したPC-9801M(1MBドライブであることを強調した命名とされる)も登場した。

μPD8086-2(Intel8086互換) 8MHz、グラフィック画面2画面、5インチ2HDドライブ内蔵、5インチ2D FDD I/F、マウス I/F搭載、漢字ROM(JIS第1水準)搭載、RAMは256KB搭載…(JIS第2水準漢字表示にはオプションROMのPC-9801-12/Kが必要。拡張漢字表示にはオプションROMのPC-9801-18が必要) 1984年10月には、PC-9801F1に固定ディスクドライブ(SASI HDD、容量10MB)を搭載し、RAMを256KBに増量したPC-9801F3が、1985年5月にはPC-9801M2のFDDを1台に減らして固定ディスクドライブ(SASI HDD、容量20MB)を搭載したPC-9801M3が発売されている。

PC-9800シリーズのフロッピーディスクは、PC-8800シリーズから継承した5インチ2D(両面倍密度)のインテリジェントタイプのものを除き、内蔵DMAコントローラを使用することで、CPUの動作と並列してファイル操作が出来た。

なお、PC-9800シリーズでは、その後の機能拡張でも互換性維持を大前提としてメモリやI/Oへアドレスを割り付けていった。その結果、VRAMのように割り当てられたアドレスが不連続になるものがあったほか、初代機からの部品数削減の名残で一部のI/Oアドレスが一見無意味にデコードされていない、またユーザー用に予約されている箇所が極端に少ない、という状態になってしまった。

またPC/AT互換機同様、CPUの持つメモリ空間1Mバイトのうち、VRAMやBIOS ROM等の予約領域を除くと、ユーザーが利用可能なメイン・メモリ空間は最大でも640Kバイトで区切られてしまうメモリマップ[注 10]となっている。この時代にはそれが問題となることはなかったが、ソフトウェアが肥大化したMS-DOSの全盛期には、日本語入力システムなどのデバイスドライバを常駐させた後の少ないフリーエリアのやりくり、特に起動時に500Kバイトから600Kバイト程度のフリーエリアを必要とするアプリケーションのための領域確保にユーザーは苦労することになった[注 11]

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出典:Wikipedia
2020/02/12 01:00
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