菅野完
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3.活動
3.1.日本会議に関する主張・出版
右翼の役割は「国を国家から守る」ことであり、保守として「国家の暴走に掣肘を加える」ことも重要だが、日本会議周辺の人々は「国家」しか意識に無く、右翼でも保守でもないとしている(注1)
2008年頃、「変な奴らが世の中で暴れ出しているぞ」と思い、ヘイトスピーチネット右翼のウォッチングを始め、彼らの情報源が一部の保守論壇誌と気付き、行き着いたのが日本会議であったとしている(注2)(注3)2014年秋ごろからインターネット上で騒がれ始めた日本会議について、陰謀論めいてピントがずれた見方が多く、「そうじゃないよ」とTwitterでつぶやき始めた。
日本会議について、「これまで我々が抱きがちな「政権に影響力を与える取り巻き」というイメージをことごとく覆す存在」とし、「左翼が嫌い」というメンタリティで繋がっているとしている。日本会議を「宗教的な情熱が彼らのエネルギーやモチベーションになっている」と分析することは間違いであり、「自分の宗教の信者を増やしたい」とか「お布施が欲しい」という思想はみられないと主張し、日本会議は男女平等な組織だが全ての運動は、「ミソジニー(女性蔑視)が動かす社会運動である」と述べている。
菅野は、日本のリベラル勢力が「傲慢で怠慢」だったために、「勝手に自壊」したとした上で、日本会議は「リベラル勢力から、運動の仕方から使う言葉からデモのやり方まで学んで真似」たとし、「68年の反乱」以降、「飽きることなく地道にそれをやり続けた」と述べている。日本会議を詳細に記した初の著書となった経緯については、「みんな馬鹿にしてたんでしょう。過去の政権でも為政者には常に取り巻きはいたわけで、そうした取り巻きの一つといったイメージだったんでしょうね。」としている。日本のメディアが日本会議を報じていないことについて、「真正面から政治家や政治勢力の言説と戦うことを、過去40年間やらな過ぎたことに問題がある」と批判している(注4)


■ 書評
2016年5月2日、中島岳志北海道新聞に菅野の連載を紹介、6月19日、橋爪大三郎毎日新聞(注5)沼田良東京新聞にそれぞれ『日本会議の研究』の書評を寄稿(注6)、7月14日、池上彰文芸春秋で同書を取り上げ、「デモ・陳情・署名・抗議集会・勉強会といった「民主的な市民運動」をやり続けていたのは、極めて非民主的な思想を持つ人々だったのだ」とする菅野の指摘を紹介した(注7)。9月5日、朝日新聞は「日本会議って何だ 関連本ブーム、海外メディアも特集」と題し、ブームの火付け役として同書を取り上げた。
2016年度石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞奨励賞(草の根民主主義部門)受賞(注8)新書大賞2017で第3位(注9)


■ 批判
日本会議の田久保忠衛は、菅野らの日本会議に関する言及は、「過大評価か的外れ」であると批判しいると、月刊Hanada8月号(2016年)で批判している。それについて、週刊朝日7月15日号で、菅野がさらなる反論として「日本会議側が改憲の最初の候補に挙げているのが緊急事態条項の追加です。要は「非常時なんだからガタガタ言うな」というのを合法化する。「女、子どもは黙っていろ」という考え方と同じです」と述べているが、『正論』2016年9月号では、緊急事態条項とは「非常時に国が憲法外のことをしたり混乱したりしないように、あらかじめ、できることを定めておく規定」であり、菅野のいう「非常時なんだからガタガタ言うな」とか「女、子どもは黙っていろ」などという解釈は間違いであると報じている(注10)


■ 出版差し止め


■ 出版停止の申し入れ
日本会議事務総長の椛島有三2016年4月28日、菅野完名義の初の著書『日本会議の研究』を出版した扶桑社に対して、「裏付けの取れない証言や断片的な事象を繋ぎ合わせ、日本会議の活動を貶める目的をもって編集されており、掲載されている団体・個人の名誉を著しく傷つける」として、出版停止を申し入れた(注11)(注12)。特に「日本会議の運営が、宗教的背景を持つ特定の人物によって壟断(注:ろうだん。利益を独占すること)されていると結論付けていることは、全く事実に反する」としている(注13)。また、扶桑社には抗議の電話が何本か寄せられた(注14)。菅野がTwitterで日本会議の出版停止要求に抗議したところ、話題を呼んで著書の売れ行きが好調になったという(注15)
日本会議事務局の調査では、『日本会議の研究』は、団体・個人について「虚実、装飾、誹謗中傷、事実誤認、印象操作、 著作権侵害、肖像権侵害、プライバシー侵害など」が150箇所以上存在するとしている。また、「古い資料も引用して一見、実証的(?)にレポートしている」ように見えるとしながらも、そので引用されている資料である魚住昭『証言 村上正邦』にも事実ではない記述が書かれているとしている。
菅野は「彼(=田久保忠衛)が正面から否定しているのは外電の記事を始め、私の仕事ではないものばかりで、私の著書については否定できていない。」「田久保氏の主張では『日本会議の研究』を日本会議の事務局が調べたら『虚実、装飾、誹謗中傷など150カ所以上』の問題箇所があったとのことですが、それは当然でしょう。当事者が読んで問題箇所がないものなんて書くはずがない。」「結局、私の本が自分たちを貶める目的で書かれたと言いたいだけの、主観的な印象論に過ぎません。」などと反論している(注16)
宗教学者の寺田喜朗は、出版停止の申し入れを行った理由について、特定の宗教団体が日本会議で主導権を発揮している等の意見が出ると活動に支障が出るためではないかと推察している(注17)


■ 民事訴訟
『日本会議の研究』の6箇所の記述により社会的地位が低下したとして、同書で言及された人物が扶桑社に対して販売差し止め等を求めた仮処分を申し立てた。この裁判で、2017年1月6日東京地裁(関述之裁判長)は、うち1箇所の記述について「菅野氏の説明以外に客観的な資料がなく、男性に取材していないことを菅野氏が認めたこと」を理由に、「真実でないと言わざるを得ない」とし、販売差し止めの仮処分を決定した(注18)(注19)(注20)(注21)(注22)。1月11日、扶桑社は当該部分2行分を抹消した修正版を「当面の措置」として販売するとした(注23)。1月13日、日本出版者協議会は、仮処分決定に対し、「あまりに粗雑で、説得力に欠ける」などと抗議した(注24)。1月24日、地裁は扶桑社による仮処分執行停止の申立てを却下、扶桑社は、「保全異議の申立は継続中であり、今後、弊社の主張は異議審の場において展開してまいります」と述べた(注25)。3月31日、仮処分取り消し(注26)(注27)(注28)(注29)。なお、東京地方裁判所は、出版差止の仮処分において、同書で言及された人物の言動ばかりでなく、「理想社会100万部運動」において自殺者が出たことについても取材メモ等がないことを理由としている(仮処分決定書の記載による)。

1.「日本会議は中身空っぽ」 異色の著述家・菅野完氏が解明
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/182670
2.[書評]『日本会議の研究』
http://webronza.asahi.com/culture/articles/2016052600005.html
3.日本会議って何だ 関連本ブーム、海外メディアも特集
http://digital.asahi.com/articles/ASJ8Y5CQ0J8YUHBI01M.html
4.安倍政権を支える右翼組織「日本会議」の行動原理(下)
http://diamond.jp/articles/-/91605?page=4
5.今週の本棚 橋爪大三郎・評 『日本会議の研究』=菅野完・著
http://mainichi.jp/articles/20160619/ddm/015/070/046000c
6.【書評】日本会議の研究 菅野完 著 ◆「反憲」団体の内幕 丹念に
http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2016061902000192.html
7.「貧困」という妖怪 『この国を揺るがす男』『日本会議の研究』『マッカーサーと日本占領』ほか
http://gekkan.bunshun.jp/articles/-/1938
8.第16回 (2016年度) 石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞 授賞作品決定
https://www.waseda.jp/top/news/45979
9.新書大賞|特設ページ|中央公論新社
https://www.chuko.co.jp/special/shinsho_award/
10.【メディア裏通信簿】 参院選はメディアの敗北ではないか? 鳥越俊太郎はイモトアヤコのツメの垢でも煎じて飲め!(12/18ページ)
 http://www.sankei.com/premium/news/160829/prm1608290019-n12.html、産経新聞、2016年8月29日、2017年4月4日閲覧。
11.政権に近い保守団体が出版停止を要求 話題の本「日本会議の研究」
https://www.buzzfeed.com/satoruishido/nipponkaigi?utm_term=.vnJP7W4D#.jukPYr02
12.日本会議、出版停止申し入れ
http://www.asahi.com/articles/DA3S12352007.html
13.日本会議への批判報道を糾す(日本会議会長 田久保 忠衛)
https://www.nipponkaigi.org/opinion/archives/8392
14.安倍政権を支える右翼組織「日本会議」の行動原理(上)
http://diamond.jp/articles/-/91567
15.出版停止申し入れの『日本会議の研究』 異常ペースで売れた
 http://www.news-postseven.com/archives/20160516_412135.html(2016年5月16日)、NEWSポストセブン、2016年7月4日閲覧。
16.「日本会議」会長に著者・菅野完が反撃「どこが事実誤認なのか? 公開討論を」
http://dot.asahi.com/wa/2016070500156.html?page=1
17.
18.「日本会議の研究」販売差し止め 地裁が扶桑社に命令
http://www.asahi.com/articles/ASK1662PPK16UTIL04Z.html
19.ベストセラー「日本会議の研究」に出版差し止め命令
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG06H8Q_W7A100C1CC1000/
20.「日本会議の研究」販売差し止め 東京地裁が仮処分決定
http://www.sankei.com/affairs/news/170106/afr1701060025-n1.html
21.ベストセラー「日本会議の研究」名誉毀損裁判 登場男性が著者に3つの要求
https://www.buzzfeed.com/kazukiwatanabe/nipponkaigi-sugano-lawsuit-20170126
22.In rare move, court suspends publication of best-seller on Abe-linked conservative lobby group
http://www.japantimes.co.jp/news/2017/01/07/national/rare-move-best-seller-abe-linked-nippon-kaigi-suspended-court
23.「日本会議の研究」修正版販売へ 差し止め決定受け扶桑社
https://this.kiji.is/191905771436408840?c=39550187727945729
24.「日本会議の研究」販売差し止めに抗議 日本出版者協
http://www.asahi.com/articles/ASK1F5RSVK1FUCLV01D.html
25.東京地裁仮処分決定に対する保全異議申立に伴う仮処分執行停止の申立について
http://www.fusosha.co.jp/news/info/info_article/229
26.「日本会議の研究」販売差し止めの仮処分取り消し
http://digital.asahi.com/articles/ASK306GKBK30UTIL05K.html
27.「日本会議の研究」販売認める=差し止め仮処分取り消し-東京地裁
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017033101382&g=soc
28.菅野完氏著「日本会議の研究」 販売差し止め仮処分決定を取り消し 東京地裁
http://www.sankei.com/affairs/news/170331/afr1703310047-n1.html
29.『日本会議の研究』東京地裁仮処分決定の取消しについて
http://www.fusosha.co.jp/news/info/info_article/241

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出典:Wikipedia
2017/04/27 14:30
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