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007 慰めの報酬
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概要
007 慰めの報酬』(ダブルオーセブン なぐさめのほうしゅう、007 Quantum of Solace)は、007シリーズの第22作目となる映画作品。ダニエル・クレイグジェームズ・ボンドを演じる作品としては第2作目である。2008年10月31日にイギリスで公開された。

概要[編集]

ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド2作品目。映画本編はシリーズ初の続編となっている。原題の「QUANTUM OF SOLACE」はイアン・フレミングの短篇集『007号の冒険』(新版は『007/薔薇と拳銃』)(創元推理文庫刊)に収録されている一篇(収録題「ナッソーの夜」)から取られているが、内容はまったくの別物である。

ストーリー[編集]

小説版[編集]

ボンドはバハマで一仕事を終え、そのまま現地で休暇に入った。

バハマの首都ナッソーで総督主催のパーティも終わり、内心パーティーに、特に主賓夫妻に退屈していたボンドは、総督から「君の人生に比べたらつまらん話だが」と、バミューダ在任時の部下マスターズの話を聞かされることになった。

マスターズは小心者で、フライトアテンダントのローダと結婚できたのも、ローダの気まぐれからだった。ローダは、すぐに結婚生活に退屈し、おおっぴらに地元のプレイボーイと浮気をするようになった。マスターズは、仕事に支障が出るほど動揺し精神的に不安定になった。見かねた総督は、暫時の休息をとらせるためアメリカでの仕事に派遣した。

半年後、マスターズがアメリカから帰ってくると、小心者ながらも気の良かった性格は一変し、ローダに対して冷酷にそして完全に無関心になっていた。さらに一年後の離任の際、マスターズは家財すべてを売り払い、自分にひどい仕打ちをしたローダを無一文な上に借金まで負わせて置き去りにしていった。ローダは地元の人達にあざけられ売春婦に身をやつす寸前までいったが、当時のバミューダ総督の計らいでジャマイカへ渡っていった。

総督は、「この悲劇はローダがマスターズの心に残っていた最後の"Quantum of Solace"(慰藉いしゃ(慰め)という感情の量)を粉々に打ち砕いてしまったから起きた」と説明した。そしてボンドに、「彼女はジャマイカで良縁を得ることができた、今日の主賓夫妻の妻だ」と教えた。

そしてボンドはこの物語に人生というものの真価を垣間見て、自分の人生をなにか安っぽく感じるのだった。

映画版[編集]

前作『007 カジノ・ロワイヤル』からの続編となる。前作のラストシーンの直後からストーリーが始まる設定とされている。

相変わらず組織から理解されずにいたジェームズ・ボンドは、将来を誓い合いながらもヴェネツィアで死んだ英国金融活動部(FATF)のヴェスパーを操っていた男、「ミスター・ホワイト」を唯一の手掛かりとしてその背後にある組織を探っていた。

場所はイタリアの古都シエーナ。ボンドはアストンマーティン・DBSで謎の組織の構成員が操るアルファロメオ・159と激しいカーチェイスを繰り広げた末、何とか銃撃をかわしてミスター・ホワイトを「M」のもとに連行するも尋問中に仲間内で突然の裏切りが起こる。結局、ミスター・ホワイトは裏切り者の手引きにより逃走、ボンドは裏切り者を追跡の末、生け捕りにせず殺してしまう。

だが、裏切り者の遺した手掛かりからボンドはある一人の男の存在に辿り着く。エドムンド・スレイト、この男は裏切り者が残した紙幣と同じ連番の紙幣を所持しており、その紙幣はル・シッフルの違法取引に使われたものだった。ボンドはロンドンからスレイトが滞在しているハイチのホテルに向かう。ホテルでスレイトの部屋に押し入ったボンドは、またもや生け捕りにせず殺してしまう。手がかりを失い、途方に暮れるボンドだったが、スレイト宛に届けられた荷物が無いかどうかをフロントに確かめてみることにした。すると、偶然にもブリーフケースが届けられており、ボンドは見た目の似ているスレイトに成り済ましてフロント係からケースを受け取り、ホテルを出る。すると、そこでカミーユという女と出会う。スレイトに成り済まし、彼女との商談をまとめようとする内にケースを開けると中には銃が入っていた。スレイトは地質学者ではなく、殺し屋だった。カミーユは当然それを知るはずもなく、ボンドを突き飛ばすと車で逃げ去る。ボンドは尾行していた監視役の男からバイクを奪い、ドミニク・グリーンというフランス人実業家にたどり着く。この男の表の顔はグリーン・エコロジーを謳ったNPO法人「グリーン・プラネット」の代表者。しかし裏の顔は、ヨーロッパと中南米を行き来し、利権のために元ボリビア軍事政権トップであるメドラーノ将軍のクーデターを支援する巨大組織の幹部であった。一方、かつてメドラーノ将軍に家族をなぶり殺された女、カミーユもまた、復讐心を秘めてグリーンに近づこうとしていた。

グリーンはボリビアの天然資源の採掘利権を餌に秘密裏にCIA南米支局とも連絡をとっていた。この利権を巡っては様々な駆け引きが裏で繰り広げられており、そこには英国の政府の中枢部の一部も関わっていた。そのためボンドは祖国や味方であるはずの組織からも追跡を受け、犯罪の濡れ衣まで着せられてしまうが、鋼鉄の意志を曲げず、いまや自分を始末しようとするCIAの追手からも逃れながら、カミーユとともに天然資源利権の背後にあるグリーンの陰謀を阻止すべく立ち向かって行く。

各枢軸国に陰謀を通じた投資を斡旋する組織(後にスペクターと同組織と判明)の名前としてタイトルの"Quantum"が使われ、ミスター・ホワイトやドミニク・グリーンが属しMI6中枢にも要員が送り込まれている。

キャスト[編集]

ソフト版:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパンより発売のDVDBDに収録。
キングレコード版:『007 TV放送吹替初収録特別版DVDシリーズ』に収録。『TV放送吹替キャスト新録版』と題して、『日曜洋画劇場』にて『カジノ・ロワイヤル』が放送された際の声優とジェームズ・ボンドの吹替を担当したことのある江原正士(『007 トゥモロー・ネバー・ダイフジテレビ版〈ピアース・ブロスナン〉)、内海賢二(『007 ダイヤモンドは永遠にTBS版〈ショーン・コネリー〉)、大塚芳忠ティモシー・ダルトン主演作品全て〈DVD版〉)と、過去の007のTV放送吹替版に出演したことのある声優を多数起用し製作された。また2016年6月11日からのザ・シネマでの放送は、BSジャパン版の日本語吹替ではなく、キングレコード版の日本語吹替だった。
BSジャパン(現:BSテレビ東京)版:ノーカット放送。シリーズ連続放送の最終回で、ソフト版の流用ではなく、新訳の台本を用いキャストも一新された。既にソフト化されていたシリーズ次作『スカイフォール』も踏まえ、M役の声優には谷育子が配役されている。
※ 2019年12月18日発売の「007/ダニエル・クレイグ 4K ULTRA HD BOX <8枚組> Blu-Ray」の4K ULTRA HDディスクには3種類の吹き替え版を全て収録。[3]

スタッフ[編集]

監督 - マーク・フォースター
製作 - マイケル・G・ウィルソンバーバラ・ブロッコリ
製作総指揮 - カラム・マクドゥガル、アンソニー・ウェイ
原作 - イアン・フレミング
脚本 - ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ポール・ハギス
撮影 - ロベルト・シェイファー
プロダクションデザイン - デニス・ガスナー
衣装デザイン - ルイーズ・フログリー
編集 - マット・チェシー、リチャード・ピアソン
音楽 - デヴィッド・アーノルド
テーマ曲 - モンティ・ノーマン(ジェームズ・ボンドのテーマ)
主題歌 - アリシア・キーズジャック・ホワイト

作品解説[編集]

ストーリー中で英米の情報機関、政府内の暗部を取り上げている。また以前のような突飛なアイディア満載の奇想天外なボンドグッズはほとんど見られず、代わりにソニー・エリクソン製の多機能携帯電話が情報収集や諜報活動に大活躍するなど時代の変化も顕著に描かれている。映画の中に出てくるボリビアの水資源をめぐる陰謀も、水の危機という世界的問題のほか、ボリビアで起こった水道民営化とコチャバンバ水紛争という実際の事件に基づいている[4]

前作や前々作同様、フォード・モーターの後援を受けており、アストンマーティンやフォード、レンジローバーなどの車両の提供を受けているが、殺し屋の車としてアルファ・ロメオが登場する他、フォード・モーター傘下のデイムラーが登場するものの、悪役が使用するためか旧型が使用されている。

タイトル・デザインはダニエル・クラインマンに代わりフォースター監督作品『主人公は僕だった』、『君のためなら千回でも』に参加したMK12が担当。新しい試み(タイポグラフィを新たに作成)と原点回帰(第1作『ドクター・ノオ』やガンバレル・シークエンスの円を多用したデザイン)の両方が盛り込まれている。MK12はMI6本部のテーブルや大型モニターに映る多数のモーショングラフィックも手掛け、タイトルデザインだけでなくVFXスタジオとしてもクレジットされた。本作での同社の役割はさらにVG版、主題歌のPVやコカ・コーラのタイアップCMにまで及んでいる。シエナポルトープランスブレゲンツといった地名のレタリング制作は『ジャッカル』(1997年)のメイン・タイトルも手掛けたトマト・フィルム(ロンドン)。

撮影・トラブル[編集]

シリーズ最多の6か国で撮影された[5]

本作の撮影中はトラブル続きであった。後述の車両事故の他、チリでのロケでは撮影に反対する現地の町長が車でセットに乱入し、逮捕される騒ぎが起こった[6][7]。また、ボリビアの副教育文化相は、作中にボリビア人とされる麻薬密輸業者が登場することについて、プロデューサーに抗議文を送った[8][9][10]。さらに、ダニエル・クレイグは撮影中に指に負傷し[11][12]、顔にも8針縫う傷を負って、撮影終了後に美容整形を受けた[13][14]

前作『007 カジノ・ロワイヤル』に登場したアストンマーティン・DBSは、本作でもボンドカーとして登場し、オープニングで激しいカーチェイスを繰り広げた。なお、2008年4月19日午前6時(現地時間)、イタリアのガルダ湖でのロケのため、スタントマンがDBSを撮影場所まで移動させていたところ、コントロール不能になって車ごと湖に沈んでしまうというアクシデントが起きた。車の引き上げの模様は、衛星テレビのスカイ・イタリアで放送された。スタントマンは救助隊に救助され軽症ですんだが、このとき撮影に使えるDBSは、湖に沈んだ1台だけだった[15][16][17][18][19]。事故はそれだけでは終わらず、アルファロメオが大破した3度目の事故では、スタントマンの1人が重体に陥った[20][21][22][23][24][10]

公開日[編集]

2008年10月29日ロンドンで開催されたザ・タイムズ・BFI・ロンドン・フィルム・フェスティバルでプレミア公開され、2008年10月31日にはイギリスフランススウェーデンで一般公開された。欧州では007にちなんで11月7日に公開した国が多い。

日本では他国から2か月ほど遅れて2009年1月24日と世界で最も遅く公開された(一部劇場では1月17日1月18日に先行公開)。007シリーズの邦題が、英語のカタカナ表記ではなく、日本語となるのは、1989年公開の『007 消されたライセンス』以来。

配給と評価[編集]

前作同様、配給はソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが担当したが、Blu-ray DiscDVDの発売元はソニー・ピクチャーズ エンタテインメントではなく、20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント ジャパンが担当しており、以後のソニー配給のMGM作品でこの体制となっている。これは、ソニーがMGM作品におけるDVDなどの販売権を失ったからである[25]。Blu-rayは6月19日、DVDは6月26日とBlu-rayが1週間先行して発売された。前作の大ヒットや、シリーズ初の続編など、話題にはこと欠かない状況だったが、各国の興行収入は思うように伸びなかった[26]。また、作品評価も批評家やマスコミからは低評価が多く、一般観客の評価でもMetacriticの評価は前作の81点に対し、58点と大きく下回る結果となってしまった[26]

主題歌[編集]

映画タイトルとは異なった"Another Way To Die"を担当したのは、アリシア・キーズとザ・ホワイト・ストライプスなどで活躍するジャック・ホワイトとの共演、007シリーズ史上初のデュエットだったことなども含め、話題性は十分だった。イギリスのチャートでは、最高位9位と健闘したが、アメリカの『ビルボード』誌では、最高位81位だった。また、同サウンドトラック・アルバムはチャート入りしていない。

その他[編集]

上映時間はシリーズ最短の約106分。
ボンドの決めゼリフ「Bond. James Bond」が登場しない。
今回もMI6からの内通者が出ているが、味方から内通者が出る設定は『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』から4作連続となる。
恒例になっている冒頭のガンバレル・シークエンスは本作と次作『007 スカイフォール』はエンドロールで登場する。
『消されたライセンス』以来、原題とは異なる邦題がつけられた。
劇中、Mの私室や夫が若干確認できるほか、Mのメイク落としのシーンまである(あくまで口元のメイクを落とすのみで顔全体の化粧は落としていない)。
彼女の司令室は3D映像技術が導入されるなど、大きな変化と共に非常に高度な技術発達が描かれている。また、Mを演じたジュディ・デンチはパンフレットのインタビューなどで、新しくなった司令室のデザインを非常に気に入っていることを話している。
トゥモロー・ネバー・ダイ』以来、約11年ぶりにワルサーPPKがボンドの愛銃として再登場した。
ボンドが着用する腕時計は、オメガ「シーマスター プラネット・オーシャン 600M コーアクシャル クロノメーター」[27][28]であった。
ボンドが着用するスーツは本作からトム・フォードになった[29]
ボランジェとのコラボレーションで、同社のシャンパンが登場した[30]
007シリーズでは、過去の作品のシチュエーションを形を変え登場させることがよくある。今回、ジェマ・アータートン演じるフィールズがホテルのベッドで丸裸で全身オイルまみれにされ殺されるシーンは[注 1]、『ゴールドフィンガー』でシャーリー・イートン演じるジル・マスターソンが、同じくホテルのベッドで、裸で全身に金粉を塗られて殺されるシーンが元になっている[31][32]。シリーズ恒例の、ボンドと肉体関係を持ち、ボンドに協力したために殺されてしまう、「悲劇のボンドガール」である。
前作から引き続き登場したミスター・ホワイトは『007 スペクター』にも登場する。
24作目のタイトルが公表されてからベルギーでは本作のタイトルが「スペクター・オブ・ソレイス」に改題された。
グリーンやミスター・ホワイトなど組織のメンバーが秘密裏に会合を持つのは、『トスカ』が上演されているブレゲンツ祝祭劇場の客席であった。
日本では前作・前々作同様丸の内ルーブルを筆頭とした松竹東急系で上映されたが、2019年現在、松竹系でロードショー上映された007映画は本作が最後となっている。

ゲーム版[編集]

Activisionプレイステーション2プレイステーション3Xbox 360Wii用にゲームを発売している。日本では未発売のWindows版、ニンテンドーDS版もある。

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

出典:Wikipedia
2020/02/24 13:02
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