人体が放射線にさらされることを被曝と言う。被曝は、放射線を身体に外部から浴びる
外部被曝と、体内に放射性物質を取り込んだことによる被曝である
内部被曝に分類される。
放射線は生物にとって有害であり
[11]、浴びた放射線の線量に応じて何らかの障害、
放射線障害が現れる。放射線障害は大まかに線量に応じて確率的影響 (stochastic effects) と確定的影響 (deterministic effects) に分類される
[43]。
放射線障害の歴史は概ね
レントゲンによる
X線の発見(
1895年(明治28年 ))から始まるが、放射線の防護については
1940年(昭和15年)ごろの
原爆開発から
保健物理という名称で調査・研究されている。
国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告では、「事故などによる一般公衆の被曝量
[44]は、年間 1 mSv(
ミリシーベルト)を超えないように」とされた(1990年(平成2年)勧告による)
[45]。(なお、放射線を扱う作業者については諸事情を考慮して)、5年間で 100 mSv を超えてはならないとされた
[45]。2007年(平成19年)の勧告では、これに追加する形で、個人が直接利益を受ける状況では1から20 mSv 以下とし、事故発生時等の被曝低減対策が崩壊している状況下では20から 100 mSv 以下とした。