福島第一原子力発電所
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3.建設までの経過
3.6.地理調査
東京電力は1964年12月に調査事務所を現地に設置し、気象、海洋気象地質、地震発生率、資材運搬の地理的条件、地下資源の埋蔵状況等を調査し、安全性、経済性から原子力発電所の立地が可能と決定したのは1965年10月のことであった[35]。以下では、県と東京電力が実施した調査結果について説明していく。

立地点の地形[編集]


本発電所の立地点は相双地帯南部の海岸段丘地帯に位置し、ゆるい傾斜のある丘陵であった。東側は上述のように元々は急峻な断崖であった。地質としては下層に砂岩、その上層にある富岡層に属するシルト岩が主体であり、更にその上を砂礫からなる段丘堆積層が覆っているが、その層厚は不整合である。砂岩はかなり締まっておりN値40以上であったという[36]。富岡層の層厚は200〜400m、間にレンズ上の砂層を挟み、その他の性状は下記の様になっている[37]

弾性波伝播速度縦波1700m/sec、横波610m/sec
敷地前面の海底形状は沖合600m、1000m、1300m付近に河線に平行して高低差2〜3mの不規則な起伏があり、複雑な地形であるが、海底勾配は全体として沖合450m付近まで60分の1の急勾配、それより沖合は130分の1の緩勾配となっていると言う[38]。海底は基層である泥岩の上に深いところで2〜3mの砂層が堆積し、水深が深くなると砂層の堆積は薄くなる傾向にあった。

風況[編集]


敷地地上8mの風向分布は調査の結果次のように報告された[48]

上記はいずれも敷地から海へ向かう風である
年間の風速は毎秒約2.5mで、最多風速は毎秒約2mである
静穏状態の出現頻度は4.5%である。
英国気象局方式分類による敷地の年間の大気安定度については下記のように報告された[48]

B, C, F型:出現頻度各18%弱
E型:5%弱
A型:0.2%
また、80m以上に逆転層があり、80m以下が逓減である拡散上悪い気象状態の出現頻度は年間1%程度であるという[48]

海象状況[編集]


『月刊 土木技術』の記事によれば、東電が実施した取水設備、港湾設備等の土木工事の開始にあたって、1964年12月の用地取得・現地調査事務所開設と同時に地質調査、海象調査を開始し、1966年12月の防波堤築造までの2年程実施したとなっているが、「調査期間が短期間であるため防波堤の設計に役立つ十分な資料をとることはできなかった」とも記されている[40]

当時、発電所の立地点では継続的な潮位観測を実施しておらず小名浜港のデータ(O.P. = Onahama peil 小名浜港工事基準面)が参考にされたが、その観測結果(1951年〜1961年)は次のようになっており、こうした情報を元に防波堤の設計などが実施された[41][51]

塑望平均満潮位:O.P+1.411m
平均潮位:O.P+0.828m
塑望平均干潮位:O.P+0.091m
低極潮位:O.P-1.918m(チリ地震津波)
波向は次のようになっており、汀線に直角な東方向が多い傾向であった[41]

春期〜夏期:東〜東南東方向が卓越
秋期:東方向が卓越
近隣他港のデータを主に参考としたとは言え、本地点での調査自体も実施されている。波浪観測は1965年2月より開始され、波高は水圧式波高計、波向はトランシットによる目視観測を実施している[42]

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(3.5.用地取得)
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(3.7.配置計画)
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出典:Wikipedia
2018/12/09 11:30
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