福島第一原子力発電所
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10.警備体制
1960年代後半から1970年代後半にかけて世界各地で相次いだ極左暴力集団を中心とするハイジャックテロの脅威に直面し、日本の原子力施設でも警備体制の見直しが求められた。そこで、1979年4月より東京電力は本発電所に物的防護システム(Physical Protection System、P.PないしPPシステム)を導入した。当時の原子炉規制法は核物質防護についての規定が明確化されていなかったため、米国連邦規制 (10 CFR Part 73, 55) に基づき設計されたという。

このシステムの目的は重要施設への不法侵入、危険物品の持ち込みを阻止し、妨害行為に基づく放射性物質放出事故や原子燃料物質の盗難を阻止することにあるという。ただし、日本では民間防護要員が銃砲を携帯することは禁じられているため、現実的な目標として治安当局への早期通報と警察の到着までの時間稼ぎ(不法行為阻止)が目指された。

具体的な手段として公表されているのは、発電所内のエリアを重要性に基づき数段階に区分し多重の障壁を設けていること、それぞれの障壁で重要性に応じたレベルの出入管理を実施していることなどである。またその手法は意図的に人為的手段に依存せず機械的、電気的な手段を使用するように設計されている[290]

1996年当時の警備体制としては下記が公にされ、職員、見学者が出入の際に自然と目に入っていた[291]

構内全般の警備については正門警備所の受け持ち範囲とされ、周辺監視柵、センサー、パトロール隊により警備している。
1〜4号機発電所本館、5、6号機発電所本館周辺地域を周辺防護区域とし、二重柵を設置し出入り管理所を設置。警備員によるチェックの他車両物品に対してもチェック機器による監視を実施。
周辺防護区域内の各建屋を防護区域と定め、出入の際には登録されたIDカードを提示して防護扉を開けるようになっている[292]
1996年当時で、一日の入構者は6000〜7000人、臨時受付者は300〜500人程度だという。通勤時間帯の渋滞は昭和40年代より続いており、通勤時間帯である午前7時から8時半までの一時間に2600台ほどの入構がある。これらを捌くため北側にも別の門を設けており、正門からの入構は約900台という状況だった。警備所にはこれらを円滑にチェックして中に入れる工夫も求められる。

2台同時に定期検査に入っている際には周辺防護区域への午前8時から10時にかけての入構は車両200台、入域者約3000人である。1〜4号周辺防護区域では、人用の自動扉は13台設置されていた。上記の事情から当然積載部品も点検するが、これも渋滞の一因となるため、定期検査工程の短縮化に伴い、チェックの質を落とさずにスムーズに検査する方法を考案しているという[293]

臨時入構にはいわゆる「偉い人」が突然来所することが含まれており、警備側としては誰に対しても一定のルール下で入構してもらっているため、対応に苦慮することもあるという[250]。警備員の前歴は自衛官、農業、大工等様々だが、町議会議員など地域の顔役になっている者などもいるという[250]

防護システムを紹介した記事では「我が国の発電所の核物質防護は大変優れていると言えると思う。この堅固な施設は核不拡散を徹底していることを示す証として大きな意義がある」などと述べている[251]

しかしながら、恩田勝亘によると多くの理系エリートを獲得したことで知られるオウム真理教の信者が1993年頃本発電所に作業員として潜り込み、数多くの作業手順書を外部に持ち出していたことが、地下鉄サリン事件後『週刊朝日』記事で報じられているという。恩田は目的について「テロという視点も外せない」と述べている[296]

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件以降は警備が強化される傾向にある。

警察庁は原子力施設の警備強化を検討し、2002年5月、原子力発電所を抱える警察本部に「原子力関連施設警戒隊」を新設し、専従で警備を担任させることを決定し、福島の両原子力発電所も含められた。装備としてはサブマシンガンが与えられ、SATに次ぐ武装レベルとされた。警備は交替制で24時間体制を取る[297]

東京電力は本発電所を含む各発電所に不審船対策の一環としてレーダーを設置した[298]

2010年初頭の時点では、放射線管理区域内への入場に生体認証登録も追加されていた[283]

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出典:Wikipedia
2018/09/16 08:30
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