福島第一原子力発電所
▼人気記事ランキング
3.建設までの経過
3.3.立地調査の開始
東京電力原子力発電課は、設計研究を進める一方で立地について関心を強め、課員らは伊豆半島姉ヶ崎鹿島東海村、水戸射爆場跡地などを俎上に上げていた。これらの内、伊豆半島は地震多発地帯であり岩盤に亀裂が多いことから避けられ[16]、姉ヶ崎は東京湾岸で人口密集地に近いことから対象より外された[14]。水戸射爆場跡地は日本原電も隣接地に目をつけており、東海発電所の立地点となった[18]
立地選定活動について定量的に記載したものとしては、調査を担当した小林健三郎[19]が『土木施工』1971年7月号に投稿した記事がある。これによれば、発電所の総建設費を設置場所に係わりなく定まる固定費(例:主要機器)と、設置場所により変動する立地費に区分し、更に立地費を10項目に区分した[20]。更に発電所の総建設費に送電線費を加えた額を初期投資として考慮し、立地費と送電線費が最も安価となる地点を調査した。政治、社会的条件は無視したという。この結果、同社管外を含め全国より291地点を素材地点として選定、当時の原子力立地基準に適合している73地点を選定した。実際に決定した敷地は「地点番号8:長者ヶ原」としてこの73地点に含まれている。開発規模4000MWで立地費を算定すると全国平均が4530円/kWに対して当地点は2887円/kW(いずれも算定年1967-1968年度)で平均値より低くなった。なお、双葉町に増設を決定する前の開発規模4基2812MW[21]で立地費を算定すると3809円/kWとなり、開発規模を大きくとることでスケールメリットの利益を得られる旨が指摘されている[15]
[4]前ページ
(3.2.炉型の調査研究と1号機の選定)
[6]次ページ
(3.4.福島県庁の調査・誘致活動)

16. なお、福島県庁が1970年に発行した県史によると、当時、東京以西の太平洋岸は「波の強い所は極力避ける」点から台風を懸念して不適当とされた。同史は先行してBWRの建設に当たった日本原電が敦賀発電所を湾内の静穏な入り江に選定し、日本海の荒波に晒さないように配慮していたことを挙げている。(編集 福島県 1970, p. 1229)
17. 竹林旬 2001, pp. 130-131.
18. ただし、『青の群像』では外房地帯については触れておらず、東京以西の気象上の問題や送電コストからの検討も取り上げていない。これらに触れているのは『福島県史 第18巻』の方である
20. 立地費としては、用地費、補償費、土工費、取水設備費、港湾費、物揚場費、補給水費、道路費、調査・仮設備費、建築費の10項目に区分している(小林健三郎 1971, p. 127)。
21. 460MW+784MW+784MW+784MW。ただし、当初は2号機以降は600MWで検討されており、小林健三郎が提示した試算は1960年前後の前提条件と整合しない点もある。
22. 小林健三郎 1971, pp. 127-128.

~目次に戻る
出典:Wikipedia
2018/06/17 23:30
ソ人気記事ランキング
2018/06/18 更新
 1位小林由美子
 2位秋葉原通り魔事件
 3位6月17日
 4位仮面ライダービルド
 5位ドーハの悲劇
▲上に戻る
[9]Wikipediaトップ
[0]gooトップ
免責事項
(C)NTT Resonant