表現の自由
▼人気記事ランキング
5.各国の表現の自由
5.1.日本

大日本帝国憲法(明治憲法)[編集]


大日本帝国憲法(明治憲法)は「言論著作印行集会及結社ノ自由」を「法律ノ範囲内ニ於テ」保障していた[31][3]。そのため表現の自由は法律によって広範な制約を加えられていた[3]

日本臣民ハ法律ノ範囲内ニ於テ言論著作印行集会及結社ノ自由ヲ有ス
具体的には、出版法1893年)、新聞紙法1909年)、治安維持法1925年)、不穏文書臨時取締法(1936年)、新聞紙等掲載制限令(1941年)、言論・出版・集会・結社等臨時取締法(1941年)などが制定され、表現活動は強く規制されていた[3]

1900年治安警察法は政治的な集会・結社を危険視し、これらについて警察への届出を義務づけ、軍人・警察官・教員・学生・婦人の政治結社への加入を禁止していた[32]。また、集会については警察官の臨監制をとり、屋外集会や多衆運動については警察官に禁止・解散権限が与えられ、結社については内務大臣に禁止権限が与えられていた[32]。これらの処分には訴訟や不服申立ての手段が一切認められていなかった[32]

1921年治安維持法では不明確な構成要件のもとで特定の思想や政治観に基づく結社行為のほとんどが犯罪とされ、反戦運動、労働運動、文化運動等も含めて反体制的・反政府的な思想や運動は抑圧されていた[32]

日本国憲法[編集]


日本国憲法においては第21条に規定がある。

第1項
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
第2項
検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
表現の自由の制約[編集]
日本国憲法の下でも、表現行為が他者とのかかわりを前提としたものである以上、表現の自由には他人の利益や権利との関係で一定の内在的な制約が存在する[12]。内在的制約とは、第一には人権の行使は他人の生命や健康を害するような態様や方法によるものでないこと、第二には人権の行使は他人の人間としての尊厳を傷つけるものであってはならないことを意味する[33]

日本国憲法における表現の自由の制約の根拠について学説は分かれている。通説は表現の自由は日本国憲法第13条の「公共の福祉」による制約を受けるとする[33]。通説に対しては「公共の福祉」の語がいわば外からくわえられる制限(外在的制約・政策的制約)をも含めた包括的な制約概念として用いられてしまっているとの批判から、憲法第13条は訓示的規定であり人権の制約を根拠づけるものではなく人権の内在的制約は各々の人権の属性に従って当然に認められるとする学説[34]もある。しかしその説によっても内在的制約と政策的制約との区別は必ずしも明確になっていないという指摘がある[33]。また、憲法第13条を訓示的規定としてしまうと違憲審査基準である必要最小限度の基準の憲法上の根拠があいまいになるという指摘もある[33]

表現の自由の制約の憲法上の根拠を憲法第13条としつつ、憲法第13条の「公共の福祉」の意味は内在的制約に限定されるとし、内在的制約の具体的意味を確定させることが必要とする学説もある[33]

初期の判例(最大判昭和24・5・18刑集3巻6号839頁等)は憲法第13条の「公共の福祉」の意味内容を極めて包括的・抽象的に捉えていたため学説の多くは批判的であった[35]。学説には比較衡量論を主張するものもあったが、最高裁判所の判例でもとりわけ1965年以後になると、いくつかの分野で比較衡量の手法がとられるようになった[35]。例えば博多駅テレビフィルム提出命令事件は取材フィルム提出命令について「公正な刑事裁判の実現」との観点で比較衡量を行っている(最大決昭和44年11月26日刑集23巻11号1490頁)。学説では精神的自由権と対立する利益も憲法上重要な人権である場合(人格権など)には個別的較量の理論が働くことがあるが、一般的には無原則・無定量な較量を避けるためにも利益衡量を枠づける基準が必要とし、明白かつ現在の危険の基準、過度の漠然性の基準、LRAの基準などがこれに当たるものと考えられている[36]

表現の自由に関する主要判例[編集]
表現内容の制限に関する判例
チャタレー事件
悪徳の栄え事件
四畳半襖の下張事件
日活ロマンポルノ事件
松文館裁判
鹿砦社(どの裁判?)
メイプルソープ事件2008年(平成20年)2月19日
マジコン2009年(平成21年)2月27日
京都朝鮮学校公園占用抗議事件2014年(平成26年)12月9日
プライバシー権に関連する判例についてはプライバシーの項目を参照。
表現の時・所・方法の制限(内容中立規制)に関する判例
猿払事件 (最高裁判例 昭和49年11月06日)
立川反戦ビラ配布事件
葛飾政党ビラ配布事件
知る権利に関する判例
法廷メモ訴訟(レペタ事件)
西山事件
博多駅テレビフィルム提出命令事件
札幌税関検査事件
検閲の禁止[編集]
日本では日本国憲法第21条第2項は「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」と規定する。

北方ジャーナル事件で最高裁は「憲法二一条二項前段にいう検閲とは、行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査したうえ、不適当と認めるものの発表を禁止することを、その特質として備えるものを指す」としている(最大判昭和61年6月11日 民集第40巻4号872頁)。

税関検査について、最高裁は第一に「輸入が禁止される表現物は、一般に、国外においては既に発表済みのものであつて、その輸入を禁止したからといって、それは、当該表現物につき、事前に発表そのものを一切禁止するというものではない」こと、第二に「思想内容等それ自体を網羅的に審査し規制することを目的とするものではない」こと、第三に「税関は、関税の確定及び徴収を本来の職務内容とする機関であって、特に思想内容等を対象としてこれを規制することを独自の使命とするものではなく、また、前述のように、思想内容等の表現物につき税関長の通知がされたときは司法審査の機会が与えられているのであって、行政権の判断が最終的なものとされるわけではない」ことなどから税関検査は検閲には当たらないとした(最大判昭和59年12月12日 民集第38巻12号1308頁)。

また、教科書検定について、最高裁は家永教科書裁判(第一次訴訟)で「一般図書としての発行を何ら妨げるものではなく、発表禁止目的や発表前の審査などの特質がないから、検閲に当たらず、憲法二一条二項前段の規定に違反するものではない。」とした(最判平成5年3月16日 民集第47巻5号3483頁)。

[4]前ページ
(4.4.文面審査の基準)
[6]次ページ
(5.2.韓国)
~目次に戻る
出典:Wikipedia
2019/09/27 16:30
ソ人気記事ランキング
2019/11/18 更新
 1位日本
 2位沢尻エリカ
 3位伊藤綾子
 4位滝口幸広
 5位11月17日
▲上に戻る
[9]Wikipediaトップ
[0]gooトップ
免責事項
(C)NTT Resonant