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電磁波
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4.影響
4.1.人体への影響
紫外線などのエネルギーの大きな電磁波は、遺伝子に損傷を与えるため発癌性を持つ。X線ガンマ線などの電離放射線については、年間許容被曝量が法律によって決められている。

低周波[編集]


低周波は、非電離放射線であるから遺伝子に直接影響を与えないと考えられている[5]

国際がん研究機関 (IARC) が2001年に行った発癌性評価では、送電線などから発生する低周波磁場には「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」 (Possibly carcinogenic to humans: Group 2B) と分類した[6]。これは「コーヒー」や「ガソリンエンジン排ガス」と同じレベルに当たる。なお、静的電磁界と超低周波電界については「ヒトに対して発がん性を分類できない」 (cannot be classified as to carcinogenicity in humans) と分類された。これは「カフェイン、水銀、お茶、コレステロール」等と同じレベルにあたる。

また、国立環境研究所 (NIES) が平成 9 - 11 年度に「超低周波電磁界による健康リスクの評価に関する研究」[7]を行った。

マイクロ波[編集]


高強度のマイクロ波には、電子レンジと同様に熱を生じるため生体に影響を与える可能性がある。このため、携帯電話などの無線機器などでは、人体の電力比吸収率(SAR: Specific Absorption Rate 単位は[Watt/kg])を用いた規定値が欧州の国際非電離放射線防護委員会(英語: International Commission on Non-Ionizing Radiation Protectionアメリカ合衆国連邦通信委員会などでは決められている[8]ほか、日本では国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の電波防護ガイドラインに基づき、周波数 300 GHz (波長 1 mm)までの電波について、人体への影響を評価している[9]。学会などでも比吸収率の計算(FDTD法)や人体を模した人体ファントムの組成の決定などが行われている。

調査[編集]


電磁波の健康への影響は調査自体が非常に難しい。一例を挙げると、アメリカ合衆国で公的機関国立環境健康科学研究所(英語: National Institute of Environmental Health Sciencesで Research and Public Information Dissemination (RAPID: 調査および公共への情報頒布) 計画という国家単位での電磁波の健康に対する影響の研究が行われた。国立環境健康科学研究所 (NIEHS) が作成したパンフレットでは、臨床研究、細胞を用いた実験室での研究、動物を使用した研究、疫学研究の各分野を組み合わせ検証した結果でないと全体像が見えないと解説されている。
1995年、電磁波問題に関する調査報告書をアメリカ物理学会が発表。「癌と送電線の電磁波に関係があるという憶測には、何ら科学的実証が見られない」と声明。

1996年、全米科学アカデミーは

「特に、居住環境での電磁界の曝露が、ガン、神経や行動への有害な影響、あるいは生殖・成長への影響を生じさせることを示す決定的で一貫した証拠は何もない。」
という結論を出した[10][11]

1997年、アメリカ合衆国の国立癌研究所 (NCI) は 7 年間の疫学調査の結果から「小児急性リンパ芽球性白血病と磁場との関係は検知するにも懸念するにも微弱」であると発表。この調査の過程で、白血病患者の家庭と送電線の近隣での居住、双方に全く関係が見られなかった事が判明。これにより「関係がある」とされてきた統計学的分析結果は全てエラーデータとなり、1979年に疫学者ナンシー・ワートハイマー[注 3]とエド・リーパー[注 4]が作成した論文「小児白血病と送電線の磁場には関係がある (Electrical Wiring Configurations and Childhood Cancer)」[12]の主張が完全な間違いであることが証明される。NCI の調査結果は医学専門誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に掲載[13]

アメリカ合衆国科学技術政策局は、それまでの送電線騒動の研究に費やされた予算を、送電線の移転、不動産価値の下落を含め 250 億ドル超と概算した。

1999年、カナダの五つの州において調査された結果が発表され上述の NCI の結果と酷似した結論が出される。

疫学調査の正確性に対し疑問が投げかけられることもたびたびある。日本では、2003年衆議院議員の長妻昭によって、国立環境研究所が行った「生活環境中電磁界による小児の健康リスク評価に関する研究」[7]が国会で取り上げられた[14]。長妻はこの研究報告の電気毛布等の小児白血病・脳腫瘍発症への影響に関するデータについて触れ、15 歳以下の小児の電気毛布等の仕様に関する健康リスク評価および電磁波の影響に対する評価の正当性に疑問を呈した。この研究について政府は、交絡要因除去のための調査データであり電気毛布使用に対する健康リスク評価は直接行っていない、とし、調査そのものの正当性に関する指摘に対しては、「優れた研究ではなかった」との評価がなされたところである、と回答している。電磁波そのものの影響については、子供部屋の平均磁界強度が 0.4 μT 以上の場合のみ健康リスクが上昇すること等が示唆されているが「本研究の結果が一般化できるとは判断できない」、と回答している。

2007年6月に公表された、世界保健機関の公式見解を示すファクトシート322 (PDF) では、短期的影響に関しては「高レベル(100 μT よりも遙かに高い)での急性曝露による生物学的影響は確立されており、これは認知されている生物物理学的なメカニズムによって説明されています。」と評価された。一方、潜在的な長期的影響に関しては「小児白血病」と「小児白血病以外のその他の健康への悪影響」に分けて評価されており、小児白血病に関しては「全体として、小児白血病に関する証拠は因果関係と見なせるほど強いものではありません。」と評価され、その他の影響に関しては「超低周波磁界(Extremely Low Frequency Magnetic Field, ELF 磁界)曝露とこれら全ての健康影響との関連性を支持する科学的証拠は、小児白血病についての証拠よりもさらに弱いと結論付けている。幾つかの実例(すなわち心臓血管系疾患や乳がん)については、ELF 磁界はこれらの疾病を誘発しないということが、証拠によって示唆されています」と評価された。
世界保健機関による2011年時点での公式見解
2011年5月31日、WHO(世界保健機関)のIARC(国際がん研究機関)は、携帯電話の電磁波と発がん性の関連について、限定的ながら「可能性がある」とする分析結果を発表した[15]携帯電話を耳にあてて長時間通話を続けると、「脳などのを発症する危険性が上がる可能性がある (Group 2B)」とし、癌を発症する危険性を上げないための予防策としては、マイク付イヤホンを使用することを挙げた[15]
作業部会のジョナサン・サメット (Jonathan Samet) 委員長は「神経膠腫(しんけいこうしゅ=グリオーマ = 脳のがんの一種)や、耳の聴神経腫瘍になる危険性を高めることを示す限定的な証拠がある」とした。なお、IARC 幹部は、文字のメールを打つ形での携帯電話の使用[注 5]は、発がん性との関連はないと説明した[15]
なお、IARC は論文を多数検討した上で「根拠はまだ限定的である。さらなる研究が必要」とも述べた[15]。asahi.com の大岩ゆり記者は「それでも IARC がこのような決定をしたのは、少しでも健康に害を及ぼす可能性があるものは早めに注意喚起する、という WHO の「予防原則」からだ」と解説した[15]
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出典:Wikipedia
2020/01/15 20:00
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