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6.環境としての田
水田耕作は日本各地の主要な農地の形態であり、多くの地域で大きな面積を占めていた。春から夏にかけての雨の多い時期に、これだけの広さの水溜を持っていたことになる。雨は直接に川に流れ込む前に水田を通過することで大量集中することを免れ、治水効果は大きいものと言われる。

また、水田は多様な生物の生息環境であった。浅くて富栄養な生産力の高い水域が広がっていたことで、カエルドジョウタニシなどの生息個体数は莫大なものであった。それがコウノトリトキタンチョウなどの鳥類やタガメのような大型肉食昆虫の生息を維持する基盤となっていた。それ以外にも、水田は小型動物が多数生息し、その中には水田にのみ見られるような種も多かった。たとえば、ホウネンエビカブトエビがそれで、これらは冬季には水がなくなるという特殊な水域である水田で、その期間を耐久卵で過ごすことでそれに適応したものである。また、同地域の他の水域、たとえば川や湿地や池では見られない水草が水田には多数生息しており、水田雑草と呼ばれる。

水田にはそれらを合わせた独特の生物群集があった。水田土壌中の微生物も、土壌の有機物の流れに深く関わり、これらが水田という生産システムそのものの一側面ですらある。しかし、第二次世界大戦後の様々な変化の中で、水田の環境は劇的に変わった。コウノトリ・トキはほぼ絶滅、タガメ・ゲンゴロウガムシタニシは見ることができなくなり、特有の水田雑草の中からも何種もが絶滅危惧種に指定される有様である。

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(5.田にまつわる信仰)
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(7.脚注)
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出典:Wikipedia
2019/10/11 16:30
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