2.2.日本国憲法の三大原理と目的
日本国憲法には基本的人権の尊重・国民主権(民主主義)・平和主義の三つの基本原理(
日本国憲法の三大原理)があるとする学説がある。この説の起こりは、制定された日本国憲法に対して宮澤が理論的・体系的な基礎づけを考案したことである。宮澤は日本国憲法の基本原理を「個人の尊厳」に求め、そこから導出される原理として、「基本的人権尊重」、「国民主権」、「平和国家」を示した。宮沢のこの考案は、日本のその後の憲法学の礎となった。
また宮澤は、日本国憲法の目的についても述べている。宮澤の1947年の著述によると、日本国憲法は、ポツダム宣言の条項を履行し、民主政治の確立および平和国家の建設を行うことを、その目的とする、とされている。
宮澤の1959年の著述では、個人の尊厳については、第13条の個人の尊重と同意であり、個人主義の原理を表現しており、基本的人権の概念はこの個人主義に立脚する、とされている。