日本語
▼人気記事ランキング
8.文体
8.2.文体の位相差
談話の文体(話体)は、話し手の性別・年齢・職業など、位相の違いによって左右される部分が大きい。「私は食事をしてきました」という丁寧体は、話し手の属性によって、たとえば、次のような変容がある。
ぼく、ごはん食べてきたよ。(男性のくだけた文体)
おれ、めし食ってきたぜ。(男性のやや乱暴な文体)
あたし、ごはん食べてきたの。(女性のくだけた文体)
わたくし、食事をしてまいりました。(成人の改まった文体)
このように異なる言葉遣いのそれぞれを位相語と言い、それぞれの差を位相差という。
物語作品やメディアにおいて、位相が極端にステレオタイプ化されて現実と乖離したり、あるいは書き手などが仮想的(バーチャル)な位相を意図的に作り出したりする場合がある。このような言葉遣いを「役割語」と称することがある[110]。例えば以下の文体は、実際の博士・令嬢・地方出身者などの一般的な位相を反映したものではないものの、小説・漫画・アニメ・ドラマなどで、仮想的にそれらしい感じを与える文体として広く観察される。これは現代に始まったものではなく、近世や近代の文献にも役割語の例が認められる(仮名垣魯文『西洋道中膝栗毛』に現れる外国人らしい言葉遣いなど)。
わしは、食事をしてきたのじゃ。(博士風)
あたくし、お食事をいただいてまいりましてよ。(お嬢様風)
おら、めし食ってきただよ。(田舎者風)
ワタシ、ごはん食べてきたアルヨ。(中国人風。協和語を参照)
[4]前ページ
(8.1.普通体・丁寧体)
[6]次ページ
(9.待遇表現)

110. 金水 敏 (2003)『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(岩波書店)。

~目次に戻る
出典:Wikipedia
2018/02/11 22:00
ソ人気記事ランキング
2018/02/24 更新
 1位大杉漣
 2位メイプルソープ事件
 3位志布志事件
 4位四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件
 5位2月23日
▲上に戻る
[9]Wikipediaトップ
[0]gooトップ
免責事項
(C)NTT Resonant