日本語
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7.表記
7.2.方言と表記
日本語の表記体系は中央語を書き表すために発達したものであり、方言の音韻を表記するためには必ずしも適していない。たとえば、東北地方では「柿」を [kag?]、「鍵」を [k???] のように発音するが[102]、この両語を通常の仮名では書き分けられない(アクセント辞典などで用いる表記によって近似的に記せば、「カギ」と「キ?」のようになる)。もっとも、方言は書き言葉として用いられることが少ないため、実際上に不便を来すことは少ない。
岩手県気仙方言(ケセン語)について、山浦玄嗣により、文法形式を踏まえた正書法が試みられているというような例もある[103]。ただし、これは実用のためのものというよりは、学術的な試みのひとつである。
琉球語(「系統」参照)の表記体系もそれを準用している。たとえば、琉歌「てんさごの花」(てぃんさぐぬ花)は、伝統的な表記法では次のように記す。
てんさごの花や 爪先に染めて 親の寄せごとや 肝に染めれ
この表記法では、たとえば、「ぐ」「ご」がどちらも [gu] と発音されるように、かな表記と発音が一対一で対応しない場合が多々ある。表音的に記せば、[ti??agunu hanaja ?imi?a?i?i sumiti, ?ujanu ju?igutuja ?imu?i sumiri] のようになるところである[105]
漢字表記の面では、地域文字というべきものが各地に存在する。たとえば、名古屋市の地名「杁中(いりなか)」などに使われる「杁」は、名古屋と関係ある地域の「地域文字」である。また、「垰」は「たお」「たわ」などと読まれる国字で、中国地方ほかで定着しているという[106]
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(7.1.字種)
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(8.文体)

102. 北条 忠雄 (1982)「東北方言の概説」『講座方言学 4 北海道東北地方の方言』(国書刊行会)p.161-162。
103. 山浦 玄嗣 (1986)『ケセン語入門』(共和印刷企画センター、1989年に改訂補足版)。
104. 西岡 敏・仲原 穣 (2000)『沖縄語の入門―たのしいウチナーグチ』(白水社)p.154。
105. 国立国語研究所 [編] (1969)『沖縄語辞典』(大蔵省印刷局)に記載されている表音ローマ字を国際音声記号に直したもの。
106. 笹原 宏之 (2006)『日本の漢字』(岩波新書)p.142-5。

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出典:Wikipedia
2018/02/11 22:00
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