道州制
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2.論議の推移
2.1.明治から第二次大戦終結まで
明治政府は、地方の反乱が相次いだために、県より広い行政体の設置には消極的であった。しかし、人口希薄などを理由として、北海道にあった3県を廃止して、北海道庁 (1886-1947)を設置した。

州庁設置案
以降は、台湾総督府樺太庁朝鮮総督府南洋庁と順に設置されたことで、府県の狭小さが経済統制の障害と考えられ、内地を統轄する内務省下に、郡制廃止とともに複数の府県を包括する広域行政体の設置が議論され、田中義一内閣の行政制度審議会が、1927年に、全国を6箇の州に分けて、官選の長を置く「州庁設置案」を内閣に提案した[4]。ここでの州名は、州庁所在都市名を取った物になっている。

仙台州青森県岩手県宮城県福島県秋田県山形県
東京州茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京府神奈川県山梨県長野県新潟県
名古屋州静岡県愛知県岐阜県三重県富山県石川県福井県
大阪州滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県徳島県香川県高知県
広島州鳥取県島根県岡山県広島県山口県愛媛県
福岡州福岡県佐賀県長崎県大分県宮崎県熊本県鹿児島県沖縄県
この北海道以外を6州と区分して国政事務を移行するとした「州庁設置案」は、行政制度審議会で取り扱われたが成案とならず、審議会は1927年7月の田中義一内閣の総辞職とともに廃止となる[5]

地方長官会議
行政制度審議会廃止後は、府県廃合などを含む地方行政機関問題として、地方長官会議で様々な議論がされた。会議では、総務や警察などの四部を一部廃止とする府県14部廃止論や、町村・府県の規模変更後に全国10道とする意見があった。また、1936年からの廣田内閣で、東北6県の知事から「中間機関設置の要望書」が潮内務大臣へ提出された。約10年にわたるこの間の地方長官(都道府県知事)による中間行政機関検討案は、政界や内務省と折り合えず、地方行政の分存対立や行政事務の錯綜を招きかねないとも評された。

その後、1938年3月の第1次近衛内閣時代に政界に影響を強めた国策研究会が、「道庁及び州庁設置案」に関して次なる論評を主に示している。

経済圏により区別すべしと云うが、京浜・阪神などの大都市を含む地域とその他の地域について、経済差異をどう均衡させるのか。
これを公共団体とした場合に、これまで地方繁栄の基礎をなしてきた府県行政とその影響下にある周辺地域の衰退をどうするか。
以上などから、道庁又は州庁設置問題は、行政移譲前の地域近隣の繁栄を奪うことから地方の反対が予想され、弊害の方が大きいのではないかとして、国策研究会は現在の制度下で刷新を図るのがよいと結論づけた。

地方連絡協議会
1940年5月、内務省訓令9号により府県間の相互連絡を図る措置として、米内内閣時代に各府県知事による地方連絡協議会が8つ設置され、必要に応じて各協議会を開催する旨が示された[6]。また、各地方連絡協議会の事務は、関東地方連絡協議会は警視庁総監管房、東北地方協議会は宮城県総務部、東海地方連絡協議会は愛知県総務部などが代表して取り扱った。この地方連絡協議会は、第二次大戦中の1943年7月に内務省訓令13号により廃止されるまで続いた。

この間の1942年湯沢内務大臣東京都制法案を第81帝国議会に提出するが、ここで道州制問題に言及し、経済ブロックの理論構想として関八州(関東地方)があるが、薪炭の例だけ見ても関八州だけでは自給自足ができない。生活経済圏からの考え方は困難であり、また行政組織の二重弊害を避けるべきと反対意見を述べている。

大戦下の1943年7月、地方行政協議会令(勅令548号)により、全国に地方行政協議会(会長には当該地域の府県知事が兼任)が設置された。戦時行政法のひとつである地方行政協議会令は、翌年1944年に一部改正、1945年地方総監府に改名された。大空襲や地上戦開始などによる敵軍の本土上陸作戦と国土分断に備え、地方総監府は同年6月10日に勅令第350号により設置されている。いずれも府県行政を調整し、広域行政体を統合しようとしたもので「国の出先機関」の様相を強く持っていた。また、戦時下(特に地方総監府時代)には、本土決戦に備えた行政の効率化という側面も有していた。

北海地方行政協議会→北海地方総監府
東北地方行政協議会→東北地方総監府
関東地方行政協議会→関東信越地方行政協議会→関東信越地方総監府
東海地方行政協議会→東海北陸地方行政協議会→東海北陸地方総監府
北陸地方行政協議会→(関東信越地方行政協議会、東海北陸地方行政協議会)
近畿地方行政協議会→近畿地方総監府
中国地方行政協議会→中国地方総監府
四国地方行政協議会→四国地方総監府
九州地方行政協議会→九州地方総監府
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(1.2.財政問題)
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(2.2.戦後の議論)
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出典:Wikipedia
2019/08/14 10:30
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