神の王国
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3.新約聖書
3.1.『マタイによる福音書』

洗礼者ヨハネ[編集]


洗礼者ヨハネとイエス[編集]
『マタイによる福音書』によれば、まず洗礼者ヨハネが「悔い改めよ。天の国は近づいた」と宣教し[21]、人々に洗礼を施す[26]。イエスはその洗礼者ヨハネから洗礼を受けて弟子になり[27]、洗礼者ヨハネの逮捕後、独立して一人で宣教を開始する。その第一声は洗礼者ヨハネと同じく「悔い改めよ。天の国は近づいた」[24]である。

洗礼者ヨハネは、1世紀のユダヤ人歴史家ヨセフスの『ユダヤ古代誌』で「大きな影響力」[29]があったと言及されている人物である。その洗礼者ヨハネが「わたしのあとから来る人はわたしよりも力のあるかた」[26]と述べている。これは、イエスが洗礼者ヨハネの元に来て洗礼を受けようとした際にイエスを「思いとどまらせようとして」「わたしこそ、あなたから洗礼[31]を受けるべきなのに、あなたが、わたしのところへ来られたのですか。」[27]と述べている事から、「わたしよりも力のあるかた」とはイエスを指していると読み取れる。

ヨハネによる福音書』の中では洗礼者ヨハネがイエスの事を指して「わたしよりもすぐれたかた」と言ったと明示的に書いてある[33]

しかし、ドイツの代表的新約聖書学者の一人[34]キュンメルは1969年初版の著書『新約聖書神学』[36]で、「わたしよりも力のあるかた」について洗礼者ヨハネはイエスと名指ししてはいないと指摘している。さらに洗礼者ヨハネが獄中から弟子を通して「『きたるべきかた』[37]はあなたなのですか。それとも、ほかにだれかを待つべきでしょうか」(『マタイによる福音書』11章3節)[31]とイエスに尋ねることなどを勘案し、洗礼者ヨハネがイエスについて「神に遣わされた終末時の福音の使者である…という確信に至ったか否かは知り得ない。」[39]と結論している。

この11章3節について、1991年に日本基督教団出版局から出版された『新共同訳 新約聖書注解 1』で『マタイによる福音書』を担当・執筆した橋本磁男は、洗礼者ヨハネがイエスにつまずいた[33]すなわち疑心を抱いたということを『マタイによる福音書』がほのめかしているという解釈を取り、洗礼者ヨハネはイエスをメシアと信じなかったことを示すと説明している[41]

一方イエスは、洗礼者ヨハネを「預言者以上の者」[35]で「およそ女から生まれた者のうち、洗礼者ヨハネより偉大な者は現れなかった。」[36]と極めて高く評価する。しかし続けて「天の国で最も小さな者でも、彼よりは偉大である。」[36]と付言する。この付言は、イエスの刑死後イエスをメシアと信じた教団の立場から、『マタイによる福音書』の記者がイエスの語録資料(Q資料)に依ってイエスの言葉に付け加えたものである[41]

影響[編集]
洗礼者ヨハネ出現以後の天の国については「彼が活動し始めたときから今に至るまで、天の国は力ずくで襲われており、激しく襲う者がそれを奪い取ろうとしている。」[37]とイエスは言う。この「激しく襲う者」に関しては否定的あるいは肯定的等に解釈する説が主に4つある[45]。すなわち「激しく襲う者」とは、

イエスを死刑にし、マタイの教会を苦しめるユダヤ教当局を指す[45]
暴力によって地上に神の王国実現をめざす熱心党を指す[45]
ファリサイ派に非難される洗礼者ヨハネを指す[45]
他に伝統的には「この「暴力」[39]を改心するときの激烈な衝動であると解した」ルター他による説がある[47]。各説によりその濃淡があるものの総じて洗礼者ヨハネ出現の影響力に関して『マタイによる福音書』は、洗礼者ヨハネの出現がユダヤ人社会の「天の国」概念に大きな影響を及ぼしたことを暗示している[48]。また、イエスが偽預言者について述べる場面で「良い実を結ばない木はみな、切り倒されて火に投げ込まれる。」[42]と、洗礼者ヨハネの言葉遣いをそのまま[43]使っていることから分かるように、洗礼者ヨハネはイエスにその表現をも含めて影響を及ぼしたことが知られる[51][45]

イエス[編集]


イエスがいわゆる山上の垂訓を語った際には最初に「こころの貧しい人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである。」と語り始めた[53]。「義のために迫害されてきた人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである。」とも語った[53]主の祈りについて教えた時には「御国がきますように」[54]と祈るように教え、神の王国が来ることを待ち望むようにと教えた[48]

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出典:Wikipedia
2019/12/01 06:31
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