新東名高速道路
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3.歴史
3.5.諸外国の事例
建設過程では何かと批判の多かった第二東名であるが、その要因の一つに東名と並行することで無駄と映ったことが挙げられる[119]。しかし、第二東名が必要とされたのは、先述したように産業構造が過度に東名に依存していることと、その動脈が天災や事故によって不通になった場合は国民生活へのダメージが深刻であることから、その代替路線が必要と判断されたことがそもそもの構想の発端であった[145]

主要都市間を結ぶ幹線高速道路に並行して、もう一本の幹線高速道路を建設し、しかも並行する2本はラダーとなる道路で結ばれるという形態は、道路先進国のドイツではごく普通に見ることができる。ケルンボンミュンヘン間約600 kmを結ぶアウトバーンライン川をはさんで2本存在し、あるいはボンからルール地方ブレーメンハンブルクを結ぶ路線についても同様で、いずれも途中でラダー(これもアウトバーンである)に結んだネットワークを形成している[146]。この結果、都市間を結ぶどのリンクに障害が生じても代替ルートが提供されており[147]、例えばアウトバーンには「Umleitung」(迂回路の意味[152])の文字に高速道路ナンバリングを組み合わせた緊急の迂回道路を示す標識があって[149]、ルートの一部で事故があった場合は、ドライバーがラジオで情報をキャッチして直ちに迂回道路に回るというシステムが構築されている[150][149]。なお、アウトバーンにおけるラジオや標識を使った迂回システムは1975年(昭和50年)までには早くも実施されており[151][152]、日本の場合はドイツより大きく出遅れて1982年(昭和57年)7月に郵政省(現、総務省)よりハイウェイラジオの実験局の免許認可が下りている[153]。同年12月からは東名で試験運用を開始しているが、そもそも迂回路がないために放送内容はもっぱら渋滞距離や事故発生案内に終始した[153][150]

イギリスではロンドン - リバプール間約400 kmに、バーミンガム経由とノッティンガムマンチェスター経由の2本の高速道路が敷設され、こちらもラダーで結ばれている[146]。アメリカも同様で、幹線道路には代替路線が整備されている[146]。なお、1980年代におけるイギリスやアメリカの道路整備状況は決して良好とは言えず、アメリカに至っては荒廃が目に余る状況であったとされるが、そうした国でさえ補完道路を含めた幹線ネットワークがしっかりと整備されていたのである[146]

ひるがえって東名の場合、並行する代替路線と相互連絡する道路もない状況で国内経済を下支えしていたのであるから、ある種の危険と隣り合わせとなっている。さらに災害時に道路が寸断されれば国民生活やセキュリティにも影響が出るわけで、このことからも高速道路同士を相互に連絡するラダー状道路を建設し、代替路線を含めたネットワークを形成しておくことが交通断絶による国民生活へのダメージを抑えることにつながるのである[146][154]

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(3.4.第二東名への批判)
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(3.6.開通後)
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出典:Wikipedia
2019/01/15 01:30
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