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聖母マリア
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3.東方教会
3.1.正教会における生神女マリヤ

呼称[編集]


一般に「日本正教会では聖母マリアという表現は用いられない」と言われるが、厳密には正しくない。聖堂名や出版物に「聖母」の語が用いられているケースは戦前・終戦直後の時期までは、僅かながら散見された。ただし、現在の日本正教会では日常的には聖母の語が用いられることは皆無であり、出版物での表記は「生神女」の呼称が最も多用されている。祈祷書では、「生神女」「神の母」「永貞童女」「童女」「童貞女」が多用される。「聖母」をあまり用いない理由としては、

亜使徒聖ニコライの訳を尊重すべきである。
教会における「聖なる母」は1人ではない(例は多数あるが、例えば生神女の母アンナも聖人であり、「神の祖母」と正教会では呼ばれる)。
イイスス・ハリストス(イエス・キリスト)の母マリヤの称号「Θεοτ?κο?」:「神の母」は第三全地公会議での確認事項であり、これを尊重して精確な訳語を用いるべきである。
海外正教会でも「Theotokos」(セオトコス:生神女)・「the Virgin Mary」(童女マリヤ)と呼ばれており、「Holy Mother」(聖母)とは、まず呼ばれておらず、全正教会の標準的呼称に則るべきである。
等が挙げられている。本節では生神女マリヤを基本的に用いることとする(※日本正教会では、カトリックとは対照的に「マリ」ではなく「マリ」と表記する)。

概説[編集]


正教会では、生神女マリヤに神への転達(執り成し)を求める祈りが頻繁に捧げられる。女宰(じょさい)・女王(にょおう)などとも呼ばれる。

また、数ある転達者(てんたつしゃ・聖人)の中でも、直接「救いたまえ」と祈祷文で呼びかけられるのは、生神女マリヤのみである。生神女マリヤの転達は「母の勇み」と形容され、神への祈りに際して特別な恩寵が与えられていると正教会では考えられている。

現在は聖母マリア墳墓教会となっている、エルサレムのケデロンの谷の一画に墓所があると考えられている。

奉神礼および集会での祈り[編集]


各種奉神礼の祈祷文において、祈りの区切り部分にほぼ必ず生神女マリヤに転達を祈願する祈りが設定されている。例えば、早課晩堂大課のカノンは基本的に

イルモス(連接歌) - 複数の指定の讃詞 - カタワシヤ(共頌歌)
という構造を連続させているが、指定の讃詞の最後はほぼ必ず生神女マリヤの転達を祈願するものとなっており、カタワシヤも多くは生神女の転達を祈願する内容の聖歌となっている。

また正教会での各種集会は、聖歌を歌い司祭が祝福することで始まり、聖歌を歌い司祭が祝福することで終わるが、通常、集会の始まりに歌われる聖歌は聖神(せいしん:聖霊のこと)が降るように祈る「天の王」であるのに対し、集会の終わりに歌われる聖歌は「常に福(さいわい)」という、生神女への讃詞である(特定の祭期には別のものが用いられる)。

さらに、聖体礼儀においては、聖変化の直後に「常に福」かザドストイニク(常に福に代えて歌う生神女讃詞)を歌う。

祭日[編集]


大斎の一日がマリヤを称える日に充てられる(アカフィストのスボタ)他、誕生から死までの生涯、および後代にマリヤが現れたことを記憶する祭日が設定され、十二大祭のうち4つにまで数えられている。以下に挙げた祭日の他にも、生神女に関する有名なイコンを記念する祭日等がある。

生神女誕生祭 - 生神女マリヤの誕生を記憶する。十二大祭のひとつ。
生神女福音祭 - 生神女マリヤに天使がハリストス(キリスト)を身籠ったことを告げ、マリヤがこれを受け入れたことを記憶する。受胎告知に相当。十二大祭のひとつ。
生神女進堂祭 - 生神女進殿祭とも。生神女が神殿に入ったことを記憶する。十二大祭のひとつ。
生神女就寝祭 - 生神女の永眠と、霊が天に上げられたことを記憶する。十二大祭のひとつ。
生神女庇護祭 - 生神女が現れ、生神女によりコンスタンティノポリスが敵軍から庇護された故事を記憶する。スラヴ系の正教会で盛んに祝われる祭。

記念する聖堂[編集]


生神女マリヤに関する祭や生神女マリヤを記念し、その名を冠した聖堂は数多い。日本正教会においても

上武佐ハリストス正教会[3](生神女就寝聖堂)
仙台ハリストス正教会[4](生神女福音聖堂)
横浜ハリストス正教会[5](生神女庇護聖堂)
静岡ハリストス正教会[6](生神女庇護聖堂)
大阪ハリストス正教会[7](生神女庇護聖堂)
等がある。ロシア正教会等に多い「ウスペンスキー大聖堂」は、生神女就寝祭を記憶するものであり、生神女就寝大聖堂とも訳される。

生神女のイコン[編集]


正教会で用いられる他のイコンと同様、立体的な像は避けられ、平面に描かれたものか浮き彫りのものが用いられる。パニヒダの際に用いられる台にハリストスキリストのギリシャ語読み)の磔刑像、それを見守る姿をとる聖使徒福音記者イオアン(聖使徒ヨハネ)像・生神女マリヤ像の、計3つの像が据え付けられることが多いことにもみられるように立体的な彫像・塑像は用いられないわけではないが、全体からみれば、極めて稀である。立体的な像を原則避ける習慣には、偶像崇拝を避ける意図があるとされる(詳細はイコンの項を参照)。著名なイコンには以下に挙げるものがある。

ウラジーミルの生神女
カザンの生神女

正教会地域の美術における生神女[編集]


正教会が優勢な地域においても、カトリック教会が優勢な地域と同様、祈りとしてのイコンの他に生神女マリヤを世俗的美術の題材・対象として用いる藝術家は多く存在している(ロシアの画家であり、イコン画家の息子であったヴィクトル・ヴァスネツォフなど)。ただし、これらの藝術作品は世俗作品として扱われ、聖堂内で崇敬の対象とされることはない。なお、正教会聖歌のCDを扱う販売元が世俗の企業である場合、こうした世俗的作品としての生神女関連の絵画がジャケットに用いられるケースがある。

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(2.3.プロテスタントにおけるマリア)
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(4.脚注)
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出典:Wikipedia
2019/10/02 23:00
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