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自動列車停止装置
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5.私鉄のATS
5.5.デジタルATCの技術を応用したもの

軌道回路方式[編集]


C-ATS[編集]
新京成電鉄(一部区間)・京成電鉄北総鉄道芝山鉄道(予定)・東京都交通局都営地下鉄浅草線)・京浜急行電鉄の各鉄道事業者で使用されている、多情報連続速度照査パターン式のATSである[60]

C-ATSは、基本仕様が相互直通運転の各社局で共通 (Common) であること、1号型ATSと同じく連続 (Continuous) 制御式速度制御 (Control) であることから、頭文字をCとしている[注 59][60]

軌道回路からデジタル伝送(MSK変調を使用)を用いて1号型ATSより詳細な情報(無段階の速度照査、社局識別コード、上下線識別情報、勾配など)を伝達でき、パターン信号を軌道に設置した短小添線から送る機能も持つ。従来の1号型ATSと異なり、無信号の場合は瞬時に非常制動が動作することで、絶対停止機能を有する。車上装置については、地上側からの信号で1号型ATSとC-ATSを自動的に切り替え可能となっている。ATS表示器は運転台窓の左側に箱形の物が設置され、上中下3段のLED表示を行なう。条件の異なる多数の路線について1種類の車上装置で対応するため、車上データベースを用いずに地上装置主体のシステムとなっており、各社局ごとの事情に合わせて車上装置の動作・表示器の表示には相違がある。

注意・減速などの信号現示に対する制御は、信号機を通過した時点から現示に応じた速度照査を連続的に行い(緑色の数字表示)超過時は常用最大制動で照査速度まで減速させる(京急では、注意信号外方のパターン信号発生点のB点で、68km/hの速度照査を行う)。停止現示に対しては、信号機外方のパターン信号発生点であるB点進入から絶対停止パターン制御信号が送信される。この時、車上装置ではベルが2連打し、ATS表示器には橙色の数字および都営・京成 では「P接近」京急では「P」が表示され、パターンを抵触した場合は非常制動で停止させる。絶対信号機(場内・出発)で停止した際は現示アップまで「NB」表示とともにマスコン・ブレーキハンドル位置に関わらずにブレーキがかかっている。なお、絶対停止パターンの照査範囲内で停止すると自動的に7.5 km/h照査(誤出発防護機能)に切り替わる。閉塞信号機停止現示の場合は、停止してから1分経過すると車上で自動的に15km/h照査に切り替わり、無閉塞運転が可能になる[61]。なお、信号現示が変化すると地上装置から新しい情報が送信され、その都度確認スイッチを操作する必要はない。

曲線における制御は、曲線手前に信号発生点(CB点)を新たに設け、制御信号を送信する。京急・都営ではCB点通過後に速度制限パターンによる照査が行われ、「都営 : 緑色 (L)、京急 : 橙色(L表示と照査速度の交互表示)」速度超過時は非常制動(京急)又は常用最大制動(都営)が動作する。京成ではCB点において曲線区間の制限速度に対応した速度照査のみが行われ、速度超過時は常用最大制動が作動する。

各社局とも、ATSにより非常制動が動作した場合は新設した非常ブレーキリセットスイッチを操作して解除する。また新たに、ノッチカット機能も搭載した。これは、制限速度以上の力行(加速)および、停止信号直下(絶対停止)では、力行操作が自動的に切られる機能である。具体的には、制限速度以上に力行した場合、チン・ベル鳴動とともに緑色の「NC」表示点滅と同時に力行が強制的に遮断される。また絶対信号機停止現示で停車した場合は、赤色の「NC」表示とともに常用最大制動が動作し、信号が上位に切り替わらない限り、力行操作が不能となる。

京急では、軌道回路境界と速度制限開始地点が離れている箇所において実際の速度制限区間より手前で速度照査が行われてしまうので、本来の速度制限標識とは別にC-ATSの速度制限標識(白地に赤抜きの数字)が線路脇や信号機およびまくら木に設置されている[注 60]。また、ホームドアを使用している羽田空港国際線ターミナル駅では、ホームドア開扉時に自動的にノッチカットとなる機能が付いている。

京成線内では、信号が上位・下位に切り替わった場合、パターン信号解除した場合にも、それぞれベルが1回が鳴動する。

京急では停車駅直近に踏切道がある箇所において、停車駅に接近すると停車位置までの停車パターンが発生し、停車パターン抵触の際は常用最大制動または非常制動にて停止する。停車パターンが発生した際は、表示器に緑色で「停P」が表示され、パターンに接近した際はこの表示の点滅とチンと鳴るベル3回の鳴動が発生する。さらにパターンに最接近した際はこの表示が橙色に変化し、表示の点滅とチンと鳴るベル3回の鳴動が再度発生する。この停車パターンは5km/h以下になると解除される。この踏切道防護システムの導入以降、C-ATS表示器には自列車の種別が表示されるようになった(エアポート急行とエアポート快特については、それぞれ航空機のマークに「急」または「快」で表現)。この種別表示については、手前の連動駅にて発車指示合図と共にC-ATS地上装置から種別情報が伝送されることによって、初めに種別表示の点滅がATS表示灯下部に表示され、発車後5km/hを超えると表示の点滅が点灯に変わり、種別が確定する(種別情報は、停車場での植付時に異なる列車種別へ上書きが可能である)。次の連動駅まで種別情報を保持して、停車パターンが発生する。このシステムは2011年6月より使用開始している。

一方、京成の踏切防護システムは、各駅の出発信号機に対する制御システムを利用しており、その駅で停車すべき列車については出発信号機が停止現示の場合と同様の動作をする。この際、列車種別の判別は地上側の緩急行選別装置で行なわれており、車上装置への種別情報送信は行なわれない。

2007年(平成19年)3月17日より都営浅草線で一部の機能が使用開始され、全線で常時70km/h照査を行なっていた。この時期、車上装置に「C-ATS」と表示されるのは連動駅(押上・浅草橋・新橋・泉岳寺・西馬の各駅)のみであり、他の区間では上段に「ATS」・下段に「70」と表示されていた。2009年(平成21年)2月14日ダイヤ改正より、京浜急行電鉄全線で使用を開始した。2009年(平成21年)3月21日からは京成電鉄でも京成上野駅構内および京成高砂駅構内下り線において使用開始され、続いて2010年(平成22年)7月3日からは京成本線(京成上野駅 - 京成高砂駅間)および京成金町線、同月17日からは同日開業の京成成田空港線(成田スカイアクセス)および一部区間で線路を共用する北総鉄道北総線でも使用開始された。なお、北総鉄道北総線および京成成田空港線(北総線との供用区間)では連動駅構内のみにC-ATSを導入している[62]2011年(平成23年)2月26日からは都営浅草線の全区間にて運用が開始された[63]2014年(平成26年)6月7日からは京成本線の全区間、同年12月6日からは新京成電鉄新京成線の一部区間[64]2015年8月22日からは京成押上線、同年12月12日からは京成千葉線京成東成田線2016年12月10日からは京成千原線にて運用が開始された。これによりC-ATSを採用していないのは芝山鉄道のみとなっている。

i-ATS [編集]
静岡鉄道で2007年より導入開始され、2010年に全線・全車両に導入完了した連続制御ATSである。駅での誤通過防止・分岐器通過時の速度制限・終端駅の確実な停止などの機能を持っている。

運転台のATS表示器は上記のC-ATSと同様の物であるが、後述のK-ATSと同様に車上データベースを使用していて、表示内容もC-ATSとはかなり異なる。ATCで使用される受電器と車上子を装備しており、地上のレールから軌道ID・上下線・進路情報などのATS信号を受電器で受信すると車上装置がその各情報をもとに登録されたパターンを選択し、ATS信号が無信号となり受電器でATS信号が受信できなくなった地点からは車上で選択されたパターンに従って速度照査が行なわれる。この間、位置補正地上子2と位置補正地上子1からの位置情報を車上子が受信して位置補正が行なわれ、第1パターンにおいて速度超過した場合には常用ブレーキにより減速させ、続いて第2パターンにおいて速度超過した場合には非常ブレーキにより停車させる。パターン停止位置を超えた場合は絶対停止地上子により非常ブレーキが作動する[65]

通常走行中は、表示器の上段に「ATS」とのみ表示され、パターンによる速度照査が始まると下段に「P」の文字が点滅、停止位置直前で中段に赤色の「10」(速度照査10km/h)、下段に赤色の「L」が表示される。

K-ATS [編集]
2015年12月より京阪電気鉄道京阪本線の深草駅(現在の龍谷大前深草駅) - 出町柳駅間で、2017年2月より同線の淀駅 - 深草駅間および宇治線で、2018年8月25日より同線の淀駅 - 枚方市駅間および交野線で使用開始されている多情報連続式ATSである。

車上データベースを使用している。上記2者と同様のATS表示器が運転台に設置されてはいるが、その表示内容は上記2者とは異なるものとなっている。

地上装置から列車に伝送された信号現示や転轍機の開通方向などの情報と、車上装置に記憶された信号機位置・勾配などの情報に基づいて、列車が走行している位置での上限速度を算出し、列車速度との常時速度照査を行う。信号現示や曲線などの情報に基づく速度制限に加えて踏切やホームでの異常にも対応する機能を備えている。地上子による位置補正および信号機直下や終端部の絶対停止停止地上子により非常制動を作動させる機能もある[66][67]

ATS表示器は、上段に「7連」などのように列車の編成両数が常時表示される。中段にはパターン発生時の「P」あるいは出発信号機が停止現示の際に一定条件下で「NB」と表示される。下段には「停車」・「通過」あるいは「90」などのように制限速度が表示される。また、旧型の点制御ATS区間では下段に「点制御」と表示される。パターンに最接近した際などになる音はC-ATSのチンと鳴るベルに対し、K-ATSではピコンと鳴るチャイム(C-ATSとは異なり、パターン区間終了までチャイムは継続される)であり、また停車を促す目的でブッ・ブッと鳴るブザーも用意されている。

K-ATSのKは自社の会社名の頭文字である「KEIHAN」の「K」から採られている。また、システムは京三製作所製のものを採用している。

点制御方式[編集]


D-ATS-P(デジタルATS-P)形 [編集]
小田急電鉄全路線で導入されているATSであり、JRのATS-Pとは互換性がない。

これまでの地上子による情報伝送の他に、軌道回路も制御に用いるもので、地上子と軌道回路の双方からの情報で制御する(この点はかつては相鉄が使用し、現在でも西鉄が使用中の地上子と軌道回路を併用しているATSと類似している)。これまで地上子で伝送していた信号現示についてはレールからの伝送とし、地上子からは2つ先の閉塞区間の距離を伝送する。信号現示による最高速度はこれまで通り(注意現示=45 km/hなど)となるほか、信号機が下位現示である場合はその現示が示す最高速度まで減速する速度パターンが車両側で生成される。そのため速度パターンは多段制御の速度パターンとなる。また踏切支障・ホーム上の非常スイッチ操作が生じた場合も自動で非常ブレーキが作動できるようになるほか、現在よりも信号現示を増やすことも検討されている。

整備が完了したことから、第1期区間として2012年(平成24年)3月31日より多摩線において使用が開始され[68]、次に第2期区間として江ノ島線において、第3 - 5期区間(3期に分割)として小田原線の新百合ヶ丘 - 小田原間において使用を開始したのち、2015年(平成27年)9月12日の新宿 - 新百合ヶ丘間での使用開始をもって小田急全線への導入が完了した[69][70][71]。乗り入れ先の箱根登山鉄道線(小田原 - 箱根湯本)は従来のATSのままか換装するかは不明。

[4]前ページ
(5.4.軌道電流式(半連続照査型・点照査型))
[6]次ページ
(5.6.トランスポンダ地上子によるデジタル情報の技術を使用したもの)
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出典:Wikipedia
2020/02/16 11:33
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