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最低賃金 (アメリカ)
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2.歴史的経緯
2.5.2010年代 Fight for $15(最低時給15ドルへ引き上げる為に闘う)運動
2012年11月ニューヨークで行われたマクドナルドの店員による一日ストをきっかけ[7]に、Fight for $15最低時給15ドルへ引き上げる為に闘う)運動がファストファッションウォルマートに代表される小売店舗をターゲットにした賃上げ要求運動が開始され、アメリカ国内各地で逮捕者(主に交通の妨害)が出るほどのデモ活動[8][9]が展開された。

この運動の目的は、人間らしい生活ができる最低水準となる貧困ラインを上回る賃金15ドルへと引き上げること、そして、ファーストフードの本体企業に使用者責任を負わせ、労働組合を組織しやすくすることである。

この運動の中心団体は、サービス従業員労働組合( SEIU)である。その中心団体を中核として地域住民の組織、学生、中小企業事業主、宗教団体、NPOやホテルやレストランの従業員を組織する労働組合UNITE-HERE英語版も参加している。

この運動に対して、アメリカ商業会議所や国際フランチャイズ・チェーン協会は、SEIUの支援による運動の影響が大きいことを批判的に指摘している。そして、経営者団体も現役従業員がほとんど参加がなく、労働組合が主導的な立場にあることを理由に批判した[10]

更に、マクドナルド元CEOエド・レンシ英語版は、フォックス・ビジネスチャンネルの朝の番組で、最低時給が連邦最低賃金(7.25ドル)の2倍以上に引き上げれば、より安価なロボットを導入するなどして、ファーストフード企業の使用者側が引上げに対する人件費の上昇を抑えるために、安価なロボットに代替し、ファーストフード店員を解雇するなどの雇用の悪影響を指摘している[11][12]。更には、オックスフォード大学のマイケル・オズボーン博士が2013年に発表した論文によれば、2030年代までにファストフード店で料理をする従業員が、ロボットやAIに取って代わられる可能性が81%と高いことを指摘している[13][14]

一方で、中小企業事業主団体が最低賃金引き上げを求めるロビー活動を展開するようになるなど、運動を支持する動きは広がりをみせている[10]

2010年代の最低賃金の動向 州政府と企業の場合[編集]


この運動は全米レベルに拡大し各地域で進んでいる州別最低賃金引き上げの原動力となっている[10]。そのため、州で最低賃金の引上げが特に2013年以降活発に行われており、多くの場合で複数年にわたり段階的な引上げが行われている。

2018年においてはデラウェア州とマサチューセッツ州で最低賃金を段階的に引き上げる法案が成立したほか、アーカンソー州及びミズーリ州では住民投票により最低賃金を段階的に引き上げることが決定された[3]。更には、最低時給15ドルへ引き上げる自治体が出てきている[15][16][17][18]

カルフォルニア州:カリフォルニア州議会により、低失業率による逼迫した労働市場もあり、2022年までに15ドルへ引き上げる(従業員が25人以下の企業は2023年と1年の猶予)ことが合意された。
2019年7月には、パロアルト市サンノゼ市なども、15ドルへ引き上げた[19]。更に、ロサンゼルス郡ロサンゼルス市では、従業員数26人以上の企業については2020年7月1日までに15ドルへ、25人以下は2021年7月1日までに引き上げる予定である。 コネチカット州2019年5月2023年6月までに15ドルへ引き上げることが決まった[20][21]
イリノイ州:2019年2月2025年1月までに時給15ドルへ引き上げることが決まった。対象は、18歳以上または年間労働時間650時間超の17歳未満の労働者[22][23]
メリーランド州:従業員数15人以上の企業は2025年1月までに、従業員数15人未満の企業は2026年7月までには、最低時給15.00ドルへ引き上げられる予定である[24]
マサチューセッツ州:2023年1月には、15ドルへと引き上げる予定である[26]
ニュージャージー州:2019年2月に最低時給15ドルへ引き上げる方針を発表した。従業員数6人以上の企業は2024年1月まで引き上げる。従業員6人未満の企業及び季節雇用者は2026年1月までであり、農業雇用者は2027年1月までである[27][28]
シアトル市:2018年年初にワシントン州のシアトル市では、従業員500人超の企業については、15ドル45セント(ただし、医療給付制度に拠出しない場合、拠出する場合は15ドル)に引き上げられている。2019年7月には、従業員500人超の企業は、医療給付制度に拠出の有無に関係なく時給16ドルになった。500人以下の企業は、3(ドル/労働1時間)以上の医療給付制度に拠出しない、またはチップ制のない企業の場合は、15ドルに引き上げられた[29]
ニューヨーク市:2018年末に従業員数11人以上の企業に対して、15ドル引き上げられた。2019年末には、従業員10人以下の企業も15ドルに引き上げられる予定である。
ワシントンD.C.:2020年7月に15ドルに引き上げる予定である[31]
企業の方でも、時給を引き上げる動きがあった。その背景には、低失業率と2017年末に成立した税制改革法によって減税による収益増の背景もある[15]

アマゾン[32][33][34][35]:アマゾンが2018年11月1日より、初任給を11 - 12ドルから15ドルに引き上げた。
小売業界:
ターゲット:2018年9月に、初任時給を昨年時の11ドルから12ドルに引き上げ。2020年までに、これを15ドルに引き上げる予定[18]
コストコ:2018年3月に15ドルに引き上げ[36] 金融業界[37]:
ウェルファーゴ:2017年の税制改革を受け、15ドルに引き上げ
バンク・オブ・アメリカ:2021年までに20ドル引き上げ
米シティグループ:2019年6月に、政治家の圧力や他の大手銀行の決定を受けて最低賃金を時給15ドル引き上げ。更に、未定だが時給20ドルへ引き上げる予定 フェイスブック:2015年に時給15ドルへ引き上げた。2019年5月13日に、稼働する複数の場所での引き上げた最低時給が生活費に見合わないことがわかったため、食堂スタッフや管理人などアメリカの契約社員の最低賃金の引き上げを2020年の半ばまでに行うことを発表した[38][39]
以下が、フェイスブックの最低時給額である。 サンフランシスコ・ベイエリア、ニューヨーク、ワシントンDCの契約社員:20ドル(コンテンツをチェックするモデレーターの場合、22ドル)
シアトルの契約社員:18ドル(コンテンツをチェックするモデレーターの場合、20ドル)
上記の2つ以外の他の大都市圏の契約社員:18ドル
この引き上げに関して、アメリカだけでなく他の国でも同様の基準の策定に取り組むことも述べている。

2010年代の最低賃金の動向 連邦政府の場合[編集]


一方、連邦政府の方では、2014年オバマ政権の時、ホワイトハウスが連邦議会に対して最低賃金引上げを促す声明をうけた民主党議員による法案提出、2016年大統領選挙時の民主党予備選挙バーニーサンダース候補による15ドル賃金の政策提言があったが、前述したように連邦政府の定める最低賃金が2009年以降引き上げが行われてない[40]

しかしながら、2014年2月にオバマ前大統領により署名された大統領令13658号に基づき連邦政府契約事業者の制度が開始された。

連邦政府各機関が、2015年1月以降、対象となる契約事業者と新たな契約(更新を含む)を締結する場合、契約金額支払いの条件として、

契約事業者は下請事業者との契約に同旨を盛り込むこと
とした契約条項が盛り込まれることとされた。しかし、デービス・ベーコン法(Davis-Bacon Act)の対象とならない2,000ドル未満の建設に関する契約や、サービス契約法(Service ContractAct)の対象とならない電気・ガス・水道等の供給等は対象外である。

また、2018年5月にトランプ大統領が署名した大統領令13838号により、国有地で提供される季節的娯楽サービス(seasonal recreation service)は対象外とされた。(ただし宿泊・飲食業は国有地で提供される季節的娯楽サービスであっても引き続き対象とされている。)なお、デービス・ベーコン法やサービス契約法など、一定の連邦政府契約事業者について、職種ごとに、労働長官が地域の相場賃金として定める額以上の賃金を支払うことを求める法律が存在する。また、毎年物価スライドにより最低賃金額の改定が行われている[3]

そして2019年1月19日、バージニア州選出下院議員であり、連邦下院議会、教育・賃金委員会委員長のボビー・スコットが賃金引上げ法案「the Raise Wage Act(H.R.582, S.150)」[41]を190人の民主党議員の署名をもって下院議会に提出した。法案は2024年までに段階的に最低賃金を現行の7.25ドルから15ドルに引き上げるとともに、7.25ドルよりも低く抑えられているチップを受け取るレストラン等の労働者の最低賃金を標準的な労働者の最低賃金とそろえることを提案している[40]。2019年7月18日、下院で保守派民主党議員に配慮して、連邦の最低賃金を1年遅らせて2025年まで段階的に時給15ドル(約1600円)に倍増させる法案を民主党などの賛成多数で可決した。しかしながら、上院は、共和党が多数派であり、共和党は最低賃金引き上げに対して反対しているため、法案通過は困難となる[42][43]

また、全米レストラン協会は、家族経営のビジネスを損ない、チップを受けとっている従業員の賃金を実質的に下げることになると反対した。

そして、議会予算局(CBO)が2019年7月に公表した引き上げの影響に関するレポートでは、1,700万人の労働者の賃金が上昇する一方、130万人が失業する可能性があると試算している[6]

なお、マクドナルドは2019年3月、全米レストラン協会に対し、最低賃金引き上げに反対するロビー活動に協力しないことを告げ、全産業の賃金引き上げを支持する姿勢を示した[6]

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(2.4.1990年代、2000年代)
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(3.公正労働基準法の適用対象)
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出典:Wikipedia
2020/01/14 05:31
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