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雇用保険
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6.失業等給付
6.1.一般被保険者を対象とする求職者給付
一般被保険者が失業した場合に支給される。求職者が求職活動をする間の生活の安定を目的として支給され、「基本手当」「技能習得手当」「寄宿手当」「傷病手当」の4種類からなる。

基本手当[編集]


基本手当は、一般被保険者が離職した場合に、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず職業に就くことのできない状態にある場合に支給される。

受給資格[編集]
一般被保険者の資格の喪失の確認を受けたものが失業している場合において、基本手当の受給資格を得るためには、原則、「離職の日以前の2年間」において、「被保険者期間」が「12ヶ月以上ある」ことが必要である(第13条)。

「被保険者期間」の算定に当たっては、被保険者として雇用された期間を、資格喪失日の前日からさかのぼって1ヶ月ごとに区切っていき、区切られた1ヶ月の中に、賃金支払いの対象となった日数(賃金支払基礎日数)が11日以上ある場合にその1ヶ月を被保険者期間の1ヶ月とする。区切ったことにより1ヶ月未満の端数が生じた場合、その端数が15日以上あり、かつその期間内に賃金支払基礎日数が11日以上ある場合、その端数を被保険者期間の1/2ヶ月とする(第14条1項)。ただし、最後に被保険者となった日前に、当該被保険者が受給資格を取得したことがある場合には、当該受給資格(一般受給資格、高年齢受給資格、特別受給資格)に係る離職の日以前における被保険者であった期間は、「被保険者期間」に含めない。また被保険者となったことの確認があった日の2年前の日前における被保険者期間であった期間は、「被保険者期間」に含めない(第14条2項)。被保険者期間の計算は原則として提出された離職票によって行い、2枚以上の離職票を提出した場合は最新のものから順次遡って通算する。未払賃金がある場合でも、賃金計算の基礎となる日数が11 日以上あれば、その月は被保険者期間に算入するが、家族手当、住宅手当等の支給が1月分ある場合でも、本給が11日分未満しか支給されないときは、その月は被保険者期間に算入しない。

離職の日以前2年間(後述の特例の場合は1年間)において、以下の理由により、連続して30日以上賃金の支払いを受けることができなかった被保険者については、その賃金を受けることができなかった日数を「離職の日2年間(特例の場合は1年間)」に加算する。ただしその加算した期間が4年を越えるときは、これを4年として計算する(規則第18条)。なおこれらの理由が「離職の日2年間(特例の場合は1年間)」以前から継続している場合であっても、「離職の日2年間(特例の場合は1年間)」内にこれらの理由が30日以上なければ加算は認められない。受給要件の緩和を受けようとする場合には離職証明書に賃金の支払を受けなかった期間及び原因となった傷病名等その理由を記載する。

疾病・負傷(業務上・業務外を問わない
事業主の責めに帰すべき理由以外の理由による事業所の休業(事業主の責めに帰すべき理由による場合には、労働基準法の規定により休業手当の支払が行われることとなるので、たとえその休業手当が未払になっても、賃金の支払を受けることができなかった場合に該当しない)
出産
事業主の命による外国勤務(いわゆる海外出向)
国と民間企業との間の人事交流に関する法律に規定する交流採用
その他、管轄公共職業安定所長がやむを得ないと認めるもの
争議行為ストライキサボタージュロックアウト等)
事業主の命による他の事業主のもとにおける勤務(暫定任意適用事業所(任意加入の認可を受けたものを除く)への出向、取締役としての出向、65歳以降の者の出向)
労働組合の専従職員としての勤務(在籍専従職員についてのみ)
親族の疾病・負傷により必要とされる本人の看護
3歳未満の子の育児
配偶者の海外勤務に同行するための休職
特定受給資格者・特定理由離職者[編集]
以下のいずれかに該当する者については、(離職の日以前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上ない場合であっても)離職の日以前の1年間において、被保険者期間が6ヶ月以上ある場合については受給資格を得ることができる[17]

倒産解雇(重責解雇を除く)、またはこれらに相当する理由(事業縮小、業績悪化による希望退職、いわゆる「雇い止め」など)により、離職した一般被保険者であった者(「特定受給資格者」)
「給付制限の対象とされない正当な理由のある自己都合」により離職した一般被保険者であった者、「有期雇用者において、希望に反して雇用契約が更新されなかったことにより離職した」一般被保険者であった者(倒産・解雇等離職者に該当する者以外の者に限る)(「特定理由離職者」)
これらに該当するかどうかは、事業主、離職者両方の主張を公共職業安定所が把握したうえで、事実確認の末、決定する。このため、これらの申出あるいは反論に際しては離職理由を確認できる資料を持参する必要がある。

事業主は、その雇用する被保険者が育児休業・介護休業等をした場合であって、当該被保険者が離職し、特定理由離職者又は特定受給資格者として受給資格の決定を受けることとなるときは、当該被保険者が当該離職したことにより被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内に、雇用保険被保険者休業・所定労働時間短縮開始時賃金証明書を、その事業所の所在地を管轄する公共職業安定所長に提出しなければならない(雇用保険法施行規則第14条の4)。これにより、賃金日額の算定の際に特例が適用される。

ハローワークは事業所に対して雇い入れ関係助成金の支給を行っている(例として、障害者母子家庭の母などのいわゆる「社会的弱者」を雇用した事業所等)。(雇用保険被保険者である)従業員を1人でも解雇(退職勧奨、解雇予告を含む)した事業所に対しては、雇い入れ関係助成金は相当期間支給されないのである。解雇でなくとも、上述の「特定受給資格者」と認定された離職者が相当数いる事業所についても同様の措置が取られる。したがって、特定受給資格者であるか否かについては、事業主、離職者双方の意見を聞いた上で、客観的証拠に基づき厳格に判定される。本来受給権が得られない雇用保険加入期間が1年未満の「正当な理由のある自己都合退職」による理由で離職した者についても、「特定理由離職者」としての判定を受けるため、客観的証拠に基づき厳格に判定される[18]

就職困難者[編集]
受給資格決定時において以下のいずれかに該当する者は、「就職困難者」として扱われる(第22条2項、規則第32条)。受給資格決定後にその状態が生じた者は含めない。これらに該当するか否かの確認を行う場合、公共職業安定所長が必要であると認めるときには、その者がこれらに該当する者であることの事実を証明する書類の提出を命ずることができる。

障害者雇用促進法に定める身体障害者知的障害者精神障害者
売春防止法第26条1項(仮退院中の保護観察)の規定により保護観察に付された者及び更生保護法第48条各号(保護観察対象者)又は第85条1項各号(更生緊急保護)に掲げる者であって、その者の職業のあっせんに関し保護観察所長から公共職業安定所長に連絡のあったもの
社会的事情により就職が著しく阻害されている者[19]
アイヌ地区住民
高年齢者雇用安定法第20条の規定に基づく中高年齢失業者等求職手帳を所持する者
その他教育・就労環境等により公共職業安定所長が就職が著しく困難であると認める者であって、35歳以上のもの
離職理由[編集]
離職理由は提出された離職票に記載された理由によって判定する。2枚以上の離職票を提出した場合は、そのうち最新のものによって判定する。離職した者であっても、下記の者は「労働の意思及び能力」が無いと判断され、給付の対象とはならない。

退職して休養を希望する者
60歳以上で定年退職・定年後の有期雇用期限の到来により退職した者で、休養を希望する者は、申請により退職後1年の期間に限って受給期間を延長することができる。
結婚して家事に専念する者
妊娠、出産、育児、老病者の看護その他家事家業の手伝いのために退職した者については、労働の意思及び能力の有無の判定を慎重に行って、受給資格の決定を行うこととされる。なお、妊娠、出産、育児等の理由で退職した者については、受給期間を延長することができる。
学業に専念する者(いわゆる「昼間学生」)
内職、自営業を行う者・自営業の準備に専念する者
いわゆる「士業」(弁護士公認会計士税理士社会保険労務士等)の資格を持つ者は、労働者として勤務していた事業所を退職しても、その資格に基づく法定の登録をしている場合、登録の資格で個人事業を営んでいるとされ、基本手当の支給対象とならなかったが、平成25年から取扱いが変更となり、開業や事業所へ勤務している事実がないと確認されれば支給対象となる。
会社の役員(取締役、監査役)である者
失業の認定[編集]
離職者が基本手当を受けるには、離職後、自らの意思に基づいて自己の住居を管轄するハローワークに出頭し、求職の申込みを行い、所持するすべての離職票を提出(受給期間延長通知書を持っている場合はこれも併せて)する必要がある(規則第19条)。これを受けて公共職業安定所長は、離職者に受給資格ありと認めるときには受給資格の決定を行い、受給資格者証を交付し、失業の「認定日」(約4週間後)を定めて受給資格者に通知する。初めて出頭した日から約1〜2週間後に開催日が設定される雇用保険受給者初回説明会(雇用保険説明会)において受給要件・手続き等についての説明がハローワークからなされる。

「認定日」に受給資格者がハローワークに出頭し、失業認定申告書と受給資格者証を提出し、職業の紹介を求めたうえで、「失業の認定」を受けなければならない(規則第22条)。公共職業安定所長はこれを受けて、「前回の認定日から今回の認定日の前日までの期間」(認定対象期間)に属する各日について「失業の認定」を行い、受給資格者証を返付し、認定日数分の基本手当が支給される。失業状態が続く場合において、「認定日」は原則4週間ごとに設定される[20]。ただし公共職業訓練等を受ける受給資格者の場合は1月ごとに設定される。基本手当の支給方法は、原則として本人名義の金融機関口座への振込であるが[21]、やむをえない場合はハローワークでの現金手渡しが可能である(規則第44、45条)。また現金手渡しの場合は、支給日にやむをえない事由で出頭できない場合は代理人による受給が可能である。

「失業の認定」は求職活動の確認をする「認定日」においてのみ行いうる(第30条)。「認定日」以外の日において失業の認定を受けることは原則としてできず、「認定日」に出頭しなければ、原則として認定対象期間全部について失業の認定はされない。失業の認定に関して必要があるときは、公共職業安定所長は受給資格者に対して本人確認書類の提出を命ずることができる。なお、職業に就くためその他やむを得ない理由により「認定日」に出頭できない場合は、その旨を管轄公共職業安定所長に事前に(事態急迫等の場合は次回の認定日の前日までに)申し出ることにより、その申し出をした日において「失業の認定」を受けることができる(認定日の変更、第15条3項)。また以下のいずれかの事由に該当するときは、その理由がやんだ後における最初の失業の認定日に出頭することで、失業の認定を受けることができる(証明認定、第15条4項)。このような状況になった場合はハローワークへ連絡して指示を受けることとなり、通例、証明書類(例えば採用試験や面接の場合、応募先の証明)の提出が求められる。

ハローワークの紹介による採用試験・面接・就職(入社が決まっている場合等)
ハローワークの指示による公共職業訓練等の受講(この場合は出頭不要)
受給者本人の疾病・負傷(15日未満)
天災その他やむをえない理由(受給者本人の親族の看護・危篤・死亡した場合、証人等として官公署へ出頭等)
「認定日」に給付を受けようとする者が自らハローワークに出頭し求職の申し込みをすることにより、「労働の意思及び能力」があることの確認がなされる。したがって、代理人を出頭させることによる「失業の認定」や郵送による「失業の認定」は行うことができない[22]

離職後最初に求職の申し込みをした日以後、失業であった日(ケガや病気で職業に就くことができない日を含む)が通算して7日に満たない間については基本手当は支給されない。これを「待期」という(第21条)。待期の7日間についても「失業の認定」は必要である。待期は1受給期間内につき1回で足りるので、1回満了すれば新たな受給資格を取得しない限り、受給期間内の再離職後の求職申込時には待期は要求されない。また待期の途中で就職した場合は、新たな受給資格を取得しない限り、受給期間内の再離職後の求職申込時には待期の残日数のみを満たせば待期は完了する。

就職意思の有無については、雇用保険の加入対象となる労働条件、すなわち、1週間に20時間以上の就労を希望しているか否かが判断基準とされる。したがって、短時間の就労や随意的な就労を希望する者については、「労働の意思及び能力」があるとは認定されない。勉学、休養、旅行などの理由により、直ちに就職することを希望しない者については、当然、「労働の意思及び能力」はないものとして扱われる。特別の理由がないのに本人に不適当な労働条件その他の不適当な求職条件の希望を固執する者については、「労働の意思及び能力」の有無の判定を慎重に行う。

契約期間が7日以上の一の雇用契約における週所定労働時間が20時間以上であって、かつ、1週間の実際に就労する日が4日以上の場合は、当該一の雇用契約に基づいて就労が継続している期間は、実際に就労しない日を含めて就職しているものとして取り扱う。この期間は待期の7日間にも数えられない。

1週間の間に20時間未満働いた場合において、他に安定した職業に就くために求職活動を行っている場合については、失業であった日について認定がなされる。例えば、1週間(7日間)の間に2日間アルバイトをすれば、アルバイトをしなかった5日間が失業であったと認定(基本手当が給付)される。ここで言う「アルバイト」とは1日に4時間以上働いた場合を指す(現実の収入の有無は問わない)。1日に4時間未満働いた場合においては働いた日であっても認定されるが(「内職」「手伝い」程度とみなされる)、収入を得た段階で収入額に応じて減額支給されることとなる。なお1日の労働時間が4時間未満であっても、それに専念するため安定所の職業紹介にすぐには応じられないなど、他に求職活動を行わない場合は、当然に、労働の意思及び能力がないものとして取り扱う。自営業を開始するための準備、国内外のボランティア活動への参加(受給期間の延長事由に該当する場合を除く)、家業への従事についても同様に1日4時間以上の活動を行った場合は就職しているものとして取り扱う。

受給資格者が住所を変更した場合において認定を受けようとするときは、「認定日」までに受給資格者住所変更届を管轄公共職業安定所長に提出しなければならない。

求職活動[編集]
失業認定がされる要件として、「失業」状態にあるということに加えて、「求職活動」を所定の回数以上行ったことを公共職業安定所長が確認することが必要である。公共職業安定所長は、確認の際には、受給資格者に対し、職業紹介又は職業指導を行うものとされる。「求職活動」とは、以下のものを指す。

求人への応募(実際に面接を受けた場合だけではなく、応募書類の郵送、筆記試験の受験等も含まれる。ただし、書類選考、筆記試験、採用面接等が一の求人に係る一連の選考過程である場合には、そのいずれまでを受けたかにかかわらず、一の応募として取り扱う)。ハローワークの紹介によるものであるか否かを問わない。
ハローワーク(船員を希望する者については、地方運輸局、船員雇用促進センター)もしくは厚生労働大臣の許可・認可を受けた民間職業紹介機関(転職エージェント)派遣会社、公的な機関等(雇用・能力開発機構高年齢者雇用開発協会地方自治体、求人情報提供会社など)が行う職業指導もしくは職業紹介、個別相談が可能な企業説明会(いわゆる「適職フェア」など)、セミナー受講、新聞社が主催する合同求人面接会への参加
再就職に資する各種国家試験、検定等の資格試験の受験
これらの活動を認定対象期間内(原則4週間)に2回以上行っていれば認定となる。ただし次の場合に限り下記の要件を満たせば認定となる。

離職理由による給付制限が課せられない場合は、初回の認定対象期間内は求職活動を1回以上行なっていればよい(通常、雇用保険説明会に出席すれば認定となる)。
離職理由による給付制限が課せられているときは、待期期間経過後、給付制限期間(原則3ヶ月)終了直後の失業認定日の前日までに求職活動を3回以上行なっている必要がある(初回のみであり、以降の認定日については2回以上でよい)。
求人に応募(ハローワークの紹介であるか否かを問わない)した場合は、求職活動1回以上でよい(結果が通知されるまでの期間は引き続き求職活動を行っているものとみなされる)。
「就職困難者」は、各認定日ごとに求職活動を1回以上行っていれば認定される。
認定対象期間が7日未満の場合、待期期間が満了したということのみの認定を受ける場合は、求職活動を行っていなくとも認定される。
認定対象期間が7日以上14日未満の場合については、求職活動を1回以上行っていれば認定される。
巡回職業相談所における失業の認定及び市長村長の取次による失業の認定を行う場合については、求職活動を1回以上行っていれば認定される。
以下の行為は、「求職活動」とはならない。

新聞、雑誌、インターネットでの求人情報閲覧。
知人への単なる就職あっせん依頼。
インターネット等による単なる派遣就業登録など。
単なる職業紹介機関への登録。
「求職活動」という概念が導入されたのは、2003年9月からである。それまでは、仕事を探していたかどうかということについては厳密な確認を求めずに認定を行っていたが、雇用保険制度のありかたが見直される中で「求職活動」という概念が導入されるに至った(失業認定の厳格化)。「失業認定の厳格化」と言っても、雇用保険は「失業」すなわち、仕事を探している者に対して支給がなされるものであることは全く変わっておらず、「求職活動」として掲げられている事項については、仕事を探しているならば当然に行っているべきである事項を列挙したに過ぎないというのが厚生労働省の見解である。

基本手当日額[編集]
失業したと認定された1日あたりに支給される金額を、「基本手当日額」という。例えば、認定日において20日失業したと認定されれば、「基本手当日額」に20を乗じた基本手当が支給される。

「基本手当日額」は、原則、最後の6ヶ月間の賃金(税引前)の総和を180で除した金額(賃金日額)の45〜80%の金額である(第16条、第17条)。厚生労働大臣は、毎月勤労統計による前年度の平均給与額の変動した比率に応じて、その翌年度の8月1日以後の賃金日額の下限・上限額、基本手当日額の算定のための給付率を乗じる賃金日額の範囲となる額(自動変更対象額。10円未満四捨五入)を変更しなければならない(第18条1項、2項)。

ここでいう「賃金」とは、「被保険者として雇用された期間に対するものとして同期間中に事業主の支払義務が確定した賃金」とされている。したがって、事業主の支払義務が離職後に確定したもの(離職後に労使協議により離職前にさかのぼって昇給が実施された場合等)はここでいう「賃金」には算入しない。また、臨時に支払われる賃金及び3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(いわゆる「ボーナス」や「退職金」等)は含めない。取締役等、会社の役員が被保険者として認められた場合でも、役員報酬の部分は「賃金」に含めず、労働者としての「賃金」のみを算入する。なお、賃金が日給制・時給制・請負制によって定められている者の場合、最後の6ヶ月間の賃金の総額を、最後の6か月間の労働日数で除した額の70%が最低保障される(短時間労働者には最低保障は適用されない)。
賃金日額は、受給資格にかかる離職の日の年齢により上限が異なる。令和元年8月以降、上限(最高額)は、離職時の年齢が30歳未満の者については13,630円、30歳以上45歳未満の者については15,140円、45歳以上60歳未満の者については16,670円、60歳以上65歳未満の者については15,890円。下限は年齢にかかわらず2,500円である(第17条4項、令和元年7月31日厚生労働省告示76号)。また自動改定された下限額が最低賃金日額(地域別最低賃金の額の全国加重平均額×20/7。施行規則第28条の5)を下回る場合は、当該最低賃金日額が下限額とされる(第18条3項)。これは最低賃金との逆転現象が生じないようにするためである。

基本手当日額の算定は、賃金日額が2,500円以上5,010円未満である場合は、賃金日額の80%となる。賃金日額が5,010円以上の場合は60歳未満で離職した者と60歳以上〜65歳未満で離職した者とでは算定式が一部異なり、60歳未満の場合は、賃金日額が12,330円以下の場合は賃金日額の50〜80%、12,330円を超える場合は賃金日額の50%となる。60歳以上65歳未満の場合は、賃金日額が11,090円以下の場合は賃金日額の45〜80%、11,090円を超える場合は賃金日額の45%となる(1円未満は切り捨て)。
特定受給資格者・特定理由離職者については、その離職事由の発生する前と離職時における賃金日額とを比較し、高いほうで算定する。
基本手当日額は、離職した理由や給付を受ける者の住所地において区別はされない。
受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働によって収入を得た場合には、その収入の基礎となった日数分の基本手当の支給については、以下の通りとする(第19条1項)。厚生労働大臣は、年度の平均給与額が、直近の控除額が変更された年度の前年度の平均給与額を超え、又は下るに至った場合においては、その上昇し、又は低下した比率を基準として、その翌年度の8月1日以後の控除額を変更しなければならないとされ(第19条2項)、「控除額」は令和元年8月以後、1,306円である(令和元年7月31日厚生労働省告示77号)。

その収入の1日分に相当する額(収入の総額を基礎日数で除して得た額)から「控除額」を控除した額と基本手当の日額との合計額が賃金日額の80%に相当する額を超えないときは、基本手当の日額に基礎日数を乗じて得た額を支給する(基本手当が全額支給される)。
合計額が賃金日額の80%に相当する額を超えるときは、超過額を基本手当の日額から控除した残りの額に基礎日数を乗じて得た額を支給する(基本手当から超過分が減額され支給される)。
超過額が基本手当の日額以上であるときは、基礎日数分の基本手当を支給しない。
特別支給の老齢厚生年金(60歳代前半の老齢厚生年金)の受給権者が求職の申込をした場合、その翌月から基本手当の支給を受け終わった月又は受給期間が経過するに至った月まで、老齢厚生年金は支給停止される(基本手当は支給停止されない。厚生年金保険法附則第11条の5)。

所定給付日数[編集]
「失業」状態にあれば無制限に給付がなされるのではなく、給付日数には上限が定められている。基本手当が支給される上限日数を「所定給付日数」という。「所定給付日数」は、「失業状態であると認定されれば基本手当を受給することができる最大限度の日数の見込み」という意味である。したがって、失業すれば所定給付日数のすべてを当然に受給できるという考え方は誤りである。

一般の受給資格者(特定受給資格者・就職困難者でない者)の所定給付日数は、離職日の年齢を問わず、算定基礎期間が10年未満の者については90日、10年以上20年未満の者については120日、20年以上の者については150日である(第22条1項)。

特定受給資格者(就職困難者を除く)の所定給付日数は、離職時の年齢や被保険者期間によって異なる。算定基礎期間が1年未満の者は離職日の年齢を問わず90日、1年以上の者については、90日(算定基礎期間が5年未満の者のうち30歳未満の者)〜330日(算定基礎期間が20年以上の者のうち45歳以上60歳未満の者)とされる(第23条)。

特定理由離職者(就職困難者を除く)については、当分の間(受給資格に係る離職日が2009年(平成21年)3月31日から2022年(平成34年)3月31日までの間にある場合)の措置として、特定受給資格者とみなして所定給付日数の規定が適用される。ただし、特定理由離職者の中でも正当理由のある自己都合退職者については離職の日以前2年間において被保険者期間が通算して12ヶ月未満である者に限られる(附則第4条)。

就職困難者の所定給付日数は、算定基礎期間が1年未満の者は離職日の年齢にかかわらず150日、1年以上の者は離職日の年齢が45歳未満であれば300日、45〜65歳であれば360日である。なお、離職理由による区別はない(第22条2項)。

なお、ここでいう「算定基礎期間」とは、原則として被保険者であった期間と同一であるが、離職直前の事業主に雇用されていた期間にとどまらず、その前に被保険者であった期間があればそれを通算する(第22条3項)。ただし以下の被保険者であった期間は算入しない。

離職後1年以内に被保険者資格を再取得しなかった場合の前の被保険者であった期間
以前に基本手当又は特例一時金の支給を受けたことがある場合の、当該給付の算定基礎となった被保険者であった期間
育児休業給付金の支給を受けたことがある場合の、当該給付金の支給に係る休業期間
受給期間[編集]
基本手当を受給することができる期間を「受給期間」という。受給期間は離職日の翌日から1年間である(第20条)。したがって、離職してから1年以上経過した日に失業していた日があった場合、所定給付日数が残っていたとしても受給することはできない。ただし、所定給付日数が360日である受給資格者(45〜65歳の就職困難者であって算定基礎期間が1年以上ある者)については受給期間が60日加算され、所定給付日数が330日である受給資格者(45〜60歳の特定受給資格者であって算定基礎期間が20年以上である者)については受給期間が30日加算される。

受給期間内に就職し、その期間内に再離職し、当該受給期間内に係る受給資格に基づき基本手当の支給を受けようとするときは、ハローワークに出頭し、その保管する受給資格者証を離職票又は雇用保険被保険者資格喪失確認通知書に添えて提出しなければならない。

60歳(船員は50歳)以上で定年退職・定年後の継続雇用期限到来により退職した者については、当該離職後一定期間求職の申込をしないことを希望する場合、その希望する期間(猶予期間、上限1年)相当の期間が受給期間に加算される(第20条2項)。離職日の翌日から2ヶ月以内に、受給期間延長申請書に離職票を添えて申請する。この場合、猶予期間内に求職の申込をすると加算される期間はその求職の申込をした日の前日までの期間相当分となる。つまり、単に休養したいという理由だけで最長1年間の受給期間の延長が認められるのである。

以下の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない場合においては、職業に就くことができなくなった日の翌日から、離職日の翌日から起算して4年を経過する日(加算された期間が4年に満たない場合は、当該期間の最後の日)までの間に、受給資格者証又は離職票を添えて申請することにより、前述の「受給期間」に当該職業に就くことができない期間を加算することができる(第20条1項、施行規則第30条)。

産前6週間以内に限らず、本人が、妊娠のために職業に就き得ない旨を申し出た場合には、受給期間の延長を行う。
出産
出産は妊娠4か月以上[24]の分娩とし、生産、死産、早産を問わない。出産は本人の出産に限られる。出産のため職業に就くことができないと認められる期間は、通常は、出産予定日の6週間(多胎妊娠の場合にあっては14週間)前の日以後出産の日の翌日から8週間を経過する日までの間である。
育児
この場合、育児とは、3歳未満の乳幼児の育児とし、申請者が社会通念上やむを得ないと認められる理由により親族にあたる3歳未満の乳幼児を預かり、育児を行う場合にも、受給期間の延長を認めることとして差し支えない。また、特別養子縁組を成立させるための監護に係る育児を行う場合についても、法律上の親子関係に基づく子に準じて受給期間の延長を認めることとして差し支えない。
疾病負傷
当該傷病を理由として傷病手当の支給を受ける場合には、当該傷病に係る期間については、受給期間の延長の措置の対象とはしない。したがって、受給期間の延長を申請した後に、同一の傷病を理由として傷病手当の支給を申請した場合には、受給期間の延長の措置が取り消されることとなる。離職後最初の求職の申込み後の傷病については、本人の申出により、傷病手当の支給申請か受給期間の延長申請かのいずれかを選択させる。
その他管轄公共職業安定所長がやむを得ないと認めるもの
家族の看護(民法上の親族が常時受給者本人の介護を必要とする場合や小学校入学前の子供の看護のため働けないとき)
知的障害者更生施設又は機能回復訓練施設への入所
正当かつ公的な理由のある海外渡航
事業主の命による配偶者の海外勤務に同行(配偶者が事業主の命によらず海外で就職する場合は含まない)
青年海外協力隊国際協力機構=JICA)など公的機関が行う海外技術指導ボランティアに参加(派遣前に行われる日本国内での訓練初日より受給期間を延長できる。ただし、青年海外協力隊以外の公的機関が行う海外技術指導等の中には、ボランティア(自発的に専門的技術や時間、労力を提供する行為)ではなく就職と認められ、受給期間の延長事由に該当しない場合があるので留意する。)
公的機関が募集するボランティア活動(天災の被災地を支援するものなどが該当する)に参加する場合
「定年退職者の特例」と「就労不能者の特例」は併用可能である。受給期間の延長の申出は、代理人又は郵送によることが可能である。

「引き続き30日以上」は、30日以上継続することを要し、断続があってはならない。ただし、以下のいずれにも該当する場合には、これらの期間の日数をすべて加算することができる。

離職の日以前2年間(特例受給資格者等は1年間)において、受給要件に緩和が認めらえる理由により賃金の支払いを受けることができなかった期間があること。
同一の理由により賃金の支払いを受けることができなかった期間と途中で中断した場合の中断した期間との間が30日未満であり、同一の理由で途中で中断したものであると判断できること。
職業に就くことができない期間として猶予が認められるのは、「本来の受給期間」と「職業に就くことができない期間」の合計が最大4年間(「本来の受給期間」が1年を超える場合、4年間を過ぎてもその超えた日数分は認められる)である。この間に受給できなかった給付日数は失効することとなる。「受給期間の延長」が認められるのは、「職業に就くことができない」期間についてのみである。例えば、病気を理由に受給期間の延長が認められた場合、病気が治癒し就職が可能な状態に回復するまでの期間しか受給期間の延長は認められないのである。受給期間の延長を行った者がハローワークに来所しないまま再就職した後、新たな受給資格を得ない段階で離職した場合、以前の離職票に基づく受給ができなくなる場合がある。傷病を理由としない休養、留学、進学、官憲による身柄の拘束(当該逮捕、勾留及び刑の執行が不当であったことが裁判上明らかとなった場合を除く)といった理由では受給期間の延長は認められない。

延長給付[編集]
所定給付日数分の基本手当の支給では十分な保護が図れない場合に、所定給付日数を越えて基本手当を支給する制度が「延長給付」である。所定の受給期間を超えて延長給付が行われる場合、当該延長給付の終了日まで受給期間も延長される。以下の5種類がある。

訓練延長給付
当該訓練終了日において、基本手当の支給残日数が30日未満の場合、当該残日数では就職の見込がなく、かつ職業指導その他再就職の援助が必要と認められる者については、30日から当該残日数を差し引いた日数分を限度として、所定給付日数を超えて基本手当が支給され、受給期間もその日数分延長される。 広域延長給付
厚生労働大臣は、その地域における基本手当の初回受給率が全国平均の初回受給率の2倍以上となり、かつその状態が継続すると認める場合、その必要に応じ広域延長給付を発動する決定をすることができる。
「職業の斡旋を受けることが適当と認める受給資格者」とは、以下に該当する者である。 求職者であって、就職のため、他地域への移動の意思があり、かつ、移動することが環境上からも可能であるものであること。
その者が有している技能、経験、健康その他の状況からみて、広域職業紹介活動による職業のあっせんが可能である者であること。
就職予定者及びその者が有している技能、経験等からみて当該地域内において短期間内に就職し得ることが可能であると認められる者でないこと。
広域延長給付を受ける者が、厚生労働大臣の指定区域内に住所を変更した場合、引き続き広域延長給付を受けることができる。一方、指定区域外に住所を変更した場合は広域延長給付は受けられなくなる。 全国延長給付
厚生労働大臣は、連続する4月間の各月における全国の基本手当の受給率が4%を超え、同期間の各月における初回受給率((基本手当の支給を受けた受給資格者数)/(基本手当の支給を受けた受給資格者数+被保険者数)))が低下する傾向になく、かつ、これらの状態が継続すると認められる場合、その必要に応じ全国延長給付を発動する決定をすることができる。
広域延長給付・全国延長給付は、期間を限って実施される。そのため、その期間の末日が到来したときには、当該延長給付の支給終了前であっても、当該延長給付は打ち切られる。 地域延長給付
個別延長給付
難治性疾患を有するもの
発達障害者支援法第2条に規定する発達障害者
障害者雇用促進法第2条に規定する障害者
雇用されていた適用事業が、激甚災害法第2条の規定により指定された激甚災害の被害を受けたため離職を余儀なくされた者又は離職したものとみなされた者で政令で定める基準に照らして職業に就くことが特に困難であると認められる地域として厚生労働大臣が指定する地域内に居住する者
雇用されていた適用事業が、激甚災害その他厚生労働省令で定める災害の被害を受けたため離職を余儀なくされた者又は離職したものとみなされた者(2に該当する者を除く)
リーマンショック時の暫定措置として実施された「個別延長給付」は平成29年3月31日で終了し、同名で内容の異なる新たな延長給付が平成29年4月1日より実施されている。
「指導基準に照らして」とは、具体的には具体的には受給資格者が次のいずれにも該当することをいう(規則第38条の3)。 特に誠実かつ熱心に求職活動を行っているにもかかわらず、基本手当の支給を受け終わる日までに職業に就く見込みがなく、かつ、特に職業指導その他再就職の援助を行う必要があると認められること。
当該受給資格取得後最初に求職の申し込みをした日以後、正当な理由なくハローワークの紹介する就職・職業訓練・職業指導を拒否したことがないこと。
2種類以上の延長給付を同時に受けることはできず、個別、地域、広域、全国、訓練の順で優先的に給付される(第28条)[25]。劣後する延長給付を受けているときに優先する延長給付を受けることとなったときは、劣後する延長給付は一時延期され、優先する延長給付の終了後に劣後する延長給付を再開する。このため、2種類以上の延長給付を連続して受ける場合、合計で90日を超えることがある。

技能習得手当[編集]


技能習得手当には、公共職業訓練(2年を超えるものを除く)の受講の指示を受けた者に対する「受講手当」(職業訓練を受講した日1日あたり500円、上限40日分)、および「通所手当」(原則、片道2キロメートル以上の場合に、公共交通機関の乗車料金の実費。上限月額42,500円)がある(第36条1項、施行規則第56条~第59条)。ただし基本手当の支給の対象となる日に限る(技能習得手当は、基本手当に加えて支給されるものである)。

公共職業訓練の受講指示を受けた者は、所定給付日数の給付を受けた終えた後でも訓練修了まで引き続き延長して基本手当、受講手当、通所手当の給付がなされる(上述「訓練延長給付」)。

寄宿手当[編集]


寄宿手当は、受給資格者が、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等(2年を超えるものを除く)を受けるために、その者により生計を維持されている同居の親族と別居して寄宿する場合に、月額10,700円が支給される(第36条2項、施行規則第60条)。ただし公共職業訓練等を受ける期間に属し、かつ基本手当の支給の対象となる日に限る(寄宿手当は、基本手当に加えて支給されるものである)。したがって開始前の寄宿日について支給されることはない。

技能習得手当・寄宿手当は、次に掲げる日のある月については、日割計算で減額された額となる。

受給資格者が親族と別居して寄宿していない日(寄宿手当のみ)
公共職業訓練等を受ける期間に属さない日
基本手当の支給の対象となる日(内職収入により減額され基本手当が支給されなかった日を含む)以外の
受給資格者が、天災その他やむを得ない理由がないと認められるにもかかわらず、公共職業訓練等を受けなかった日

傷病手当[編集]


受給資格者が、求職の申込み後、連続15日以上引き続いて傷病のために職業に就くことができない場合に、当該傷病のために基本手当の支給を受けることができない日(傷病の認定を受けた日に限る)について、基本手当の日額に相当する額の傷病手当が支給される(第37条、施行規則第63条~第65条。職業に就くことができない理由のやんだ後における最初の基本手当の支給日までに、申請書に受給資格者証を添えてハローワークに提出しなければならない。

疾病又は負傷のため職業に就くことができない状態が、当該受給資格に係る離職前から継続している場合、又はかかる状態が当該受給資格に係る離職後に生じた場合であっても、出頭し求職の申込みを行う前に生じその後も継続しているものであるときは、傷病手当の支給の対象とはならない(求職の申込みを行う以前に疾病又は負傷により職業に就くことができない状態にある者は、傷病手当の支給の対象とはならないが、受給期間の延長を申し出ることができる)。つわり又は切迫流産(医学的に疾病と認められるものに限る)のため職業に就くことができない場合には、その原因となる妊娠の日が求職申込みの日前であっても当該つわり又は切迫流産が求職申込後に生じた場合には、傷病手当を支給し得る。

15日未満の場合は証明認定で基本手当の支給を受けることができるので、傷病手当は支給されない。待期期間中、給付制限期間中には支給されない。労働の意思又は能力がないと認められる者が傷病となった場合には、疾病又は負傷のため職業に就くことができないとは認められないから、傷病手当は支給できない。産前産後の期間において傷病を併発している場合においては、たとえその傷病がなくとも産前産後の期間であることによって通常は基本手当を受けられないものであるから、当該期間は傷病手当を支給しない。また、健康保険法による傷病手当金労働基準法による休業補償、労働者災害補償保険法による休業(補償)給付又はこれらに相当する給付を受けることができる日については支給されない。延長給付を受給中の受給資格者には支給されない。傷病手当を受給中の期間に自己の労働による収入があった場合は、基本手当と同様に減額調整される。傷病手当を受給した場合、当該傷病を理由として受給期間を延長させることはできない。

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(6.失業等給付)
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(6.2.一般被保険者以外を対象とする求職者給付)
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出典:Wikipedia
2019/12/10 22:31
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