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元号
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3.日本
3.4.元号使用の不都合
以下の理由から西暦を使用する者や西暦を使用せざるを得ない者、または元号自体に否定的な姿勢を示す者もいる。

西暦には終わりがなく、紀年数は常に変わらないが、元号には終わりがあり、いつかは変更される。明治維新前は大事件や政権を担う征夷大将軍の都合などで幾度と変更され、明治維新後は新天皇の即位(天皇崩御または生前退位による次期皇位継承者への譲位)によって変更されている。このため、例えば「平成40年」(西暦2028年)のような遠い未来の紀年を正確に表現できない[注 9]
印字コストあるいは記載スペース等の都合で元号名を省略して年数字だけを表記する様式があるが、数年も有りうる短い間隔で改元が続いた場合、これらの書類は年の特定が困難になる。一方、相当する下2桁のみの省略形式の西暦では長期的考慮が不要な用途ならば問題ない。
元年より前の過去を表現する場合、西暦では「紀元前N年」という形で表現できるが、元号には「紀元前」の概念が設けられていない。このため、例えば「明治前28年」(西暦1840年。実際は天保11年)という過去の紀年を正確に表現できない。そして、元号そのものが施行される前の過去は、もはや表現できない。
日本独自の紀年であり、国外では通用しないため、外国人には理解されにくい。日本国内でも、元号ではなく西暦で時期を覚えている人には、同様の問題が生じる[52]
特定の国・地域で公的に用いられている紀年法の例として、中華民国(台湾)の「民国紀元」や、北朝鮮の「主体暦」などがあり、これらも日本では通用しない。
西暦では1年に対する紀年数が常に1対1の関係にあるのに対し、日本の元号制度では「立年改元」ではなく「即日改元」を採用しているため、1つの西暦年に対して複数の元号(1860年=安政7年・万延元年。1912年=明治45年・大正元年、1926年=大正15年・昭和元年、1989年=昭和64年・平成元年、2019年=平成31年・令和元年)が混在する例や、翌月が新しい元号の「元年」ではなく「2年」になる例が発生する。
過去の日本では、749年に、天平天平感宝天平勝宝と、3つの元号が混在した例がある。また、大正15年(西暦1926年)12月10日の1ヶ月後の日付は、昭和2年(西暦1927年)1月10日である。明治以後の現在は一世一元の改元であり、年に3代の天皇が即位する可能性は極めて低いが、当該事項のように複数の元号を充てる必要が発生した場合、大きな混乱が予想される。これらは特に、コンピュータで年を扱う際の事務処理や変換のアルゴリズムが煩雑になる(「昭和100年問題」のような年問題も発生させている。後述)。
元号が変更される度に、各種印刷物記載の旧元号を新元号に修正する作業のための、余計な時間と費用を発生させる。また修正が困難である(一度公に出回ったもので回収や再配布にコストがかかるもの)か修正に時間がかかる[注 10]ため古い元号の使用を続けざるを得ない場合があり混乱の元となる。
元号が異なる2つの年の前後関係を判別するには、元号の順序を記憶していなければならない。また、元号が異なる2つの年の間隔を計算するには、西暦などの無限の紀年法に換算するか、元号の継続年を知っていなければならない(例:明治30年から平成10年まで何年離れているか、というような年数を数えにくい)。特に「和暦表記のみ」と「西暦表記のみ」が混在する場合はさらに混乱しやすい(例:昭和58年から1996年まで何年離れているか、など)。
年度の区切りが改元の区切りと一致せず、改元後年度の終了日までの呼称は旧元号による(例えば平成元年3月31日は昭和63年度に属する)ため、混乱を生じやすい。ただし、2019年の令和への改元時の2019年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで)の国の予算は改元日以後、「令和元年度予算」として扱うものとされたため、平成31年4月1日から4月30日は新元号の年度である令和元年度に属することとなった[53]
新元号の発表から改元までに間が空く場合、実際の改元日より前の日付が新元号で表記されることがあり、混乱の元となる可能性がある。

元号をめぐる事件・出来事[編集]


歴史上の大正初日は1912年7月30日であるが、この日受付の郵便物(実逓便)には「(明治)45年7月30日」の日付印が押印されている。「(大正)1年」の日付印が押印されたのは翌31日受付の郵便からであるとされている。「(大正)1年7月30日」の日付印が押印された実逓便の存在は確認されていない[54]
大正16年元旦」(1927年1月1日)に配達される予定であった年賀郵便には「(大正)16年1月1日」の日付印が押印されていたが、1926年(大正15年・昭和元年)末の12月25日に大正天皇が崩御したため、年賀郵便の取扱いそのものが中止になった。ただし、それまでに引き受けていた年賀郵便は年が明けて配達された。訂正の意味で「(昭和)2年1月1日」の日付印が押印されていたものもある[55]
大正から昭和へ改元される際、『東京日日新聞』(現『毎日新聞』)が新しい元号を「光文」との誤報を流した(詳細は「光文事件」を参照)。
盗難預金通帳を偽造された保険証で本人確認をして銀行が払い戻しをした過失に対する民事訴訟で、銀行側が保険証の生年月日が「昭和元年6月1日」という存在しない日付(上記のとおり、昭和元年は12月25日からの1週間しかない)なのに気が付かなかった過失があるとして敗訴した事例[56]がある。
平成から令和への改元に当たって「改元に乗じた詐欺」が相次いで発生し、被害者まで出た。ほぼ同時期には新元号の号外を手に入れようと人々が殺到し、怪我人まで現れた。

コンピュータでの処理[編集]


元号を採用している日本においても、コンピュータでは元号よりも西暦による処理の方が次の点において便利であるとされる。

元号では改元される毎に新元号に換算する処理を追加する必要があるが、西暦ではそれが不要である。ただし、アプリケーションによっては、コンピュータの内部処理として特定の日付を基準とした。例えばExcelでは1900年(明治33年)1月1日を基準日とする。シリアル値で管理しているので、西暦であっても基準日以前を使用する場合は別途計算処理が必要となる。
西暦を使用する外国の情報を利用する際に、元号で表記するには、西暦から和暦に換算する処理が必要となる。
オペレーティングシステムの大半は、ファイル作成日付に見られるように西暦を使用している。
Unicodeでは、「 (Unicode U+337E)」「 (Unicode U+337D)」「 (Unicode U+337C)」「~ (Unicode U+337B)」についてはCJK互換用文字ブロックに合字が準備されており、「?(Unicode U+32FF)」にも新たに囲みCJK文字・月ブロックに合字が準備された[57]。これら以外の元号は入っておらず、4つ連続していたUnicodeの前後には別の文字が割り当てられている(U+337Aは?、U+337Fは?)。
これらの点から、日本でもコンピュータでの処理に際しては内部で西暦を用いているが、ほとんどの公文書(前述の通り、補助的に西暦を併用しているものも存在している)では元号を使用することを始め、一般にも書類事務は元号を用いるというニーズが根強いため、表示や入力に際しては元号を使用できるアプリケーションが多い。これは、特に使用者を限定せず多様な用途が想定されているオフィススイートに顕著である(ExcelOpenOffice.orgなど多種)。

なお、昭和年間に使用されていたアプリケーションの中には、年を「昭和○○年」として入力し、処理されているものがある。平成以降も、内部的に昭和の続きとして扱うため、1989年(平成元年=昭和64年)、1990年(平成2年=昭和65年)、1991年(平成3年=昭和66年)…として処理される。しかし、3桁になる2025年(令和7年=昭和100年)に誤作動が起きる可能性(昭和100年問題)が懸念されている。

Excel 98以前は、2桁で入力した場合は元号優先で処理していた。例えば、「08.03.01」と入力した場合、Excel 98以前のバージョンでは「平成8年(1996年)3月1日」と処理されていた(詳細は「Microsoft Excel#日付の変換問題」を参照)。なお、Excel 2000以降のバージョンでは西暦(この場合、「2008年(平成20年)3月1日」)で処理されるようになっている。

なお、コンピュータにおけるファイル名の先頭部分に元号を用いた場合、単純に文字コードの順序で並べ替えると、利用者の意図しない順序になり、混乱を招くおそれがある。例として、「元治→慶応→明治→大正→昭和→平成→令和」の順序にすべきところが、「慶応→元治→昭和→大正→平成→明治→令和」の順序になる(文字コード「シフトJIS」の昇順で並べ替えた場合)。

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(3.3.元号使用の現状)
[6]次ページ
(3.5.西暦と元号との変換)
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出典:Wikipedia
2020/02/03 14:30
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