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元号
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3.日本
3.3.元号使用の現状
日本において、元号は1979年制定の「元号法」(昭和54年法律第43号)によってその存在が定義されており、法的根拠があるが、その使用に関しては基本的に各々の自由で、私文書などで使用しなくても罰条などはない。一方で、西暦には元号法のような法律による何かしらの規定は存在しない(法令以外では日本産業規格[注 4]に見られるような公的な定義例がある)。なお、元号法制定にかかる国会審議で「元号法は、その使用を国民に義務付けるものではない」との政府答弁があり[注 5]、法制定後、多くの役所で国民に元号の使用を強制しないよう注意を喚起する通達が出されている。また、元号法は「元号は政令で定める事」「元号は皇位の継承があった場合に限り改める事(一世一元の制)」を定めているにすぎず、公文書などにおいて元号の使用を規定するものではない。しかしながら、公文書の書式においては生年などを記載する際、西暦を選択しまたは記載するためのスペースはほとんど設けられていない。そのため、日本共産党などは、事実上西暦が否定されており「元号を使わなければ受理しないなど、元号の使用が強制されているのは不当」であると主張している[16]。同様に、キリスト教原理主義者団体などは「元号の使用を強制し西暦の使用を禁止するのは、天皇を支持するか否かを調べる現代の踏み絵である」と主張している[17]

日本国政府)、地方公共団体などの公文書ではほとんど元号が用いられる。ただし、ウェブサイトについては本文は元号を使用していても最終更新日やファイル名などは西暦を使用していることもある。また、官公庁の中長期計画の名称など、キャッチフレーズとして年を印象付けさせる場合は、西暦が用いられることが多い[18][19]。国において西暦が使用されている具体例には以下のものがある。

2002年(平成14年)制定の気象測器検定規則(平成14年3月26日国土交通省令第25号)に定められた気象機器の検定証印の年表示[注 6]など、西暦を使用するよう規定した法令も少数ながら存在する。
旅券(パスポート)は日本国外でも用いられるため、名義人の生年が西暦で記載されている。
個人番号カード(マイナンバーカード)やかつて発行されていた住民基本台帳カードは、有効期限が西暦で表記されている。個人番号カードの生年月日は日本国籍者については元号で、日本以外の国籍を有する者については西暦で表記されている[21]。また法務大臣が日本以外の国籍を持つ人に交付する在留カード特別永住者証明書は、券面に記載されている年号は全て西暦で記載されている[22][23]
都道府県公安委員会が発行する運転免許証は所持者の生年月日、交付年月日、有効期限年月日、各3種類(自動二輪車・小型特殊自動車・原動機付自転車、その他、第二種)の免許取得年月日の全てが元号のみで表記されている。なお、2018年8月6日から同年9月4日まで、運転免許証の有効期限年を西暦表記に変更するための表示の見直し等の「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」に係るパブリックコメントが実施され[24]、その結果2019年3月末頃から順次、有効期限の西暦の後に括弧書きで元号を表示することに決まった[25]
特許庁が発行する公開特許公報等の工業所有権公報は、「平成22年1月1日(2010.1.1)」の形で元号表記と西暦表記の日付を併記している[27]。また、特許の出願番号等も「特許2000-123456」のように「西暦年+6桁の通番」の形式とされている[28]。これは、日本以外での利用を考慮したためで、世界知的所有権機関が定める標準に準じて行われている[29]
2018年(平成30年)3月30日の改正により、計量法に基づく計量法施行規則(平成5年通商産業省令第69号)第15条に規定する修理年、並びに食品店等の質量計燃料油メータータクシーメーター等が対象である特定計量器検定検査規則(平成5年通商産業省令第70号)第28条の3及び第56条に定める検定証印の年表示を西暦に限定した。但し2018年12月31日までは経過措置として従前の元号表示も可としている[30]
食品表示法に基づく食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)に係る通知「食品表示基準について」(平成30年7月10日消食表第375号)の「(加工食品)」1-(3)-Dに定める消費期限又は賞味期限表示例では元号との選択可として西暦の表示例も明記されている[31]
2018年(平成30年)6月15日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2018」(骨太方針)において、表紙の日付、「平成n年度税制改正」等の名称中に含まれるもの、及び脚注の出典制定日を除外すると、64ページの「平成31年」1箇所を除き、過去未来共に西暦のみの表記となっている[32]
日本国内において西暦の併用が増加したのは、1964年(昭和39年)の東京夏季オリンピックに向けてのキャンペーンを経た後である。皇室典範改正により元号が法的根拠を失った後も、東京オリンピックのキャンペーンが始まる前までは、1952年(昭和27年)4月28日サンフランシスコ講和条約発効に伴う独立・主権回復以後も、米国による統治下に置かれ日本から切り離された沖縄小笠原諸島千島列島を除き、前述の背景により元号のみが常用されていた。とはいえ、1976年(昭和51年)に行われた元号に関する世論調査では、「国民の87.5%が元号を主に使用している」と回答しており、「併用」は7.1%、「西暦のみを使用」はわずか2.5%であった。元号が昭和から平成に変わると、「西暦を併用する人」「西暦を主に使用する人」も次第に多くなってきた。殊に21世紀に入った今日ではインターネットの普及などもあり、日常において「元号より西暦が主に使用されるケース」は格段に増えているため、元号では「今年が何年なのか判らない」「過去の出来事の把握が難しい」という人の割合も多くなってきている[33]

報道機関では『朝日新聞』が1976年(昭和51年)1月1日に、『毎日新聞』が1978年(昭和53年)1月1日に、『読売新聞』が1988年(昭和63年)1月1日に、『日本経済新聞』が1988年(昭和63年)9月23日に、『中日新聞』『東京新聞』が1988年(昭和63年)12月1日に、日付欄の表記を「元号(西暦)」から「西暦(元号)」に改めた。それでも昭和年間の末期には、未来の予測(会計年度など)を「(昭和)70年度末」といった表記をすることが多かった。1989年(平成元年)1月8日平成改元以降、その他の各報道機関も本文中は原則として西暦記載、日付欄は「2012年(平成24年)」の様に「西暦(元号)」という順番の記載を行うところが多くなった。『産経新聞[注 7]や『東京スポーツ』、一部の地方紙[注 8]NHKの国内ニュースのように本文中は原則元号記載、日付欄は「平成29年(2017年)」の様に「元号(西暦)」という順番の記載を行っている報道機関もある。日本共産党の機関紙しんぶん赤旗』は平成改元以降、日付欄の元号併記を取りやめ西暦表記のみに変更していたが、2017年(平成29年)4月1日より元号を併記する「西暦(元号)」表記に改めた(本文中は引き続き西暦表記のみ)[34][35][36]

企業決算有報など社外向け資料、鉄道などの乗車券金融機関預金通帳なども、以前は和暦表記(元号の年部分表記)が主流であったが、2019年の改元を前に、西暦表記に改める動きもみられる[37][38][39]

切手における元号[編集]


日本で発行されている切手には元号および西暦で発行年が記載されている。ただし歴史的にみれば大きな変遷がある。なお、記念切手には万国郵便連合(UPU)によって原則として西暦で発行年を入れるように規定されている。

日本の切手で発行年が入るものに記念切手があるが、記念切手の印面に戦前までは元号が入る場合と全くない場合が混在していた。ただし国立公園切手の小型シートには皇紀(西暦)とアラビア数字で記入されたものがある。戦後、発行された記念切手には「昭和二十二年」といったように漢数字で表記されていたが、経緯は不明であるが1949年(昭和24年)頃から西暦のみで表記されるようになった。ただし、年賀切手の中に一部例外があるほか、皇室の慶事に関する記念切手は元号のみの表示の場合があった。また年賀小型シートなどには「お年玉郵便切手昭和三十一年」といった元号による表記があるほか、切手シートの余白には元号で発行年月日が入っていたが、1960年(昭和35年)頃からなくなった。

1979年(昭和54年)に施行された元号法による政策のためか、1979年(昭和54年)7月14日に発行された「検疫制度100年記念切手」から西暦と元号で併記されるようになった。ただし、毎年発行される国際文通週間記念切手については西暦しか表記されていない。また切手シートの余白に1995年(平成7年)頃から「H10.7.23」というローマ字による発行年月日が、さらに2000年(平成12年)からは「平成12年7月23日」という元号表記が入るようになった。なお、令和に改元された2019年5月から9月までは切手面・余白の発行年月日ともに西暦のみの表記で、令和の使用は10月からとなっている。

なお、世界的に見ると切手に記入される年号としては西暦のほかには仏滅紀元イスラム暦北朝鮮主体暦中華民国台湾)の民国紀元などがある

元号と商標[編集]


日本においては、元号としてのみ認識される商標(例えば「平成」)は、識別力がないとされ商標登録を受けることはできない。また、元号と普通名称等の識別力のない文字(例えば饅頭についての「まんじゅう」)とを組み合わせた商標(例えば「平成まんじゅう」)等も、同様に商標登録を受けることはできない。

ただし、その商標を使用し続けたことによって、識別力が生じた場合(例えば「平成まんじゅう」という商標を長年使い続けた結果、だれもが「平成まんじゅう」といえばその饅頭のことだと分かるようになった場合)には商標登録される場合もある[40]としており、実際に食品会社の「明治[41]」や「大正製薬[42]」は商標登録されている。

特許庁では、以前から旧元号も現行の元号と同様に取り扱われるとの解釈であったが、商標登録できないのは現元号に限られ、旧元号は商標登録できる(例えば改元後には「平成」も商標登録できる)とも解釈される可能性があり、実際にそのような報道もなされていた[43][44]。そのため、特許庁では2019年1月30日に審査基準の改訂を行い、現元号以外の元号(旧元号や改元前に公表された新元号)も原則、登録を認めないことを明確化した[40][45][46]

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(3.2.元号使用の歴史)
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(3.4.元号使用の不都合)
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出典:Wikipedia
2020/02/03 14:30
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