4.1.たばこ会社による欺瞞的主張

1995年、
カリフォルニア大学医学部の5名の研究チームは、
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ社(BAT社)と
ブラウン・アンド・ウィリアムソン社(B&W社)
[64]の1962年から1984年にわたる内部文書を入手し、内容を暴露した。それによると、両社はニコチンの薬理学的な研究を進める過程で、たばこの
嗜癖性をもたらすニコチンの作用を、早い時期からはっきり認識していた
[65]。それにも関わらず、1994年に同社を含む7大たばこ会社の最高責任者たちは、「ニコチンに嗜癖性はない」と主張していた。それらの嘘に対してたばこ会社は1996年、全米各州に約2460億ドルもの巨額の賠償金を支払うことになった
[66]。その一方で、世界で初めて受動喫煙のリスクを指摘した
平山論文に対し、数百万ドルを投じて批判キャンペーンも行った。