意識のハード・プロブレム
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2.解説
ハード・プロブレムとは
主観的な意識体験(クオリア)とは何なのか、それは脳の物理的・化学的・電気的反応とどのような関係にあるのか、またどのようにして発生するのかという問題を指す(左図の上向き矢印で表現されている部分がハード・プロブレムである)。意識のハードプロブレムは「物質としての脳がなぜ心を持つのか(心的機能を発揮できるのか)」といったぼんやりした問題ではなく、より限定された形の問い、「物質としての脳がなぜ主観的な意識体験を持つのか」という狭い形の問いである。主観的な意識体験を外部から観測する方法が無いため、科学的方法が通用するかどうかすら分からないという意味でハードであるとされている。

これに対してイージー・プロブレム(easy problem)とは、
物質としての脳はどのように情報を処理しているのか、という形の一連の問題を指す(イージー・プロブレムにおいては、上向き矢印で表現されている部分は扱われない)。医学、脳科学、生物学の分野で現在なされている研究というのは基本的にイージー・プロブレムについてである。

21世紀初頭現在もには未解明の問題が多数あるが、そのほとんどはこの区分の中ではイージープロブレムに分類される。たとえば「なぜ物質としての脳が、思考したり記憶したり判断したりできるのか」というのはすべてイージーな問題である。脳内にある何らかの神経回路、シナプスの状態、化学物質の状態などが、結果として思考、記憶、判断といった心的機能を可能としているであろうことは基本的に疑問の余地はない。そしてこうした問題を科学的に研究するにあたって方法論的な困難はない。この方法論的な困難がないという意味において、脳の物理的な過程の研究はイージーな問題であると分類される。

当然のことながらイージーな問題とは言っても、こうしたことを研究するにあたっては「実際にどう実験を組み立てるのか」「人員をどう確保するのか」「どういう装置・器具を使うのか」「そのための予算をどう確保するのか」といった現実的な問題は山積みである。しかし「いったい、何をどう研究したら、答えが出せるのかがそもそも分からない」といった困難さは、こうした研究にはない。つまり基本的な方法論の部分で途方に暮れるといった困難さが無いという意味において「物質としての脳がどのように情報を処理しているのか」といった問題はイージーな問題へ区分される。

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出典:Wikipedia
2018/10/29 20:30
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