ファンタジー
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3.文学におけるファンタジー
3.4.現代日本におけるファンタジー
現代におけるファンタジー作品の舞台となる場所や時代は様々である。一例としてヨーロッパ、オリエントや古代日本、中華帝国など、各地・各時代を背景世界のモデルとした作品が挙げられるが、(作品が創作された時点での)現代や、全く架空の世界を舞台にした作品も多い。
日本で「ファンタジー」と言う場合、ヨーロッパ風の世界で繰り広げられる物語を指すことがある。このようなファンタジーは時代背景、小道具、登場人物のふるまいなどは通念上のヨーロッパ世界をモデルとしているが、実際に人々が抱いていたり、仮定される世界観を、直接あるいは間接的に設定やストーリーに取り入れているのが特徴である。よく題材や道具立てに使われる要素として、ドラゴン)や妖精を代表とする各種の怪物、魔法、王家、囚われの姫君の救出、立身出世などが挙げられる。
しかし一方で日本で創作されたファンタジーの物語の一部には、「中世風」の物語を謳いつつも設定で、明らかに中世欧州には存在しなかった着想が用いられることがある。一例としては、貴族を完全に従え、王国の隅々にまで支配権を行き渡らせる君主が挙げられる。実際の中世欧州での王権は後の絶対王政時代ほどには強大でなく、領土統治も封建制に立脚した地方分権が基本であった。王権が強化され君主による中央集権的な統治が本格化するのは、封建制が崩壊し、有力貴族が力を失った絶対王政時代のことである。また、戦争で用いる武具に関しても、プレートアーマーを身に着けた兵士が主となって争い戦う姿が散見されるが、プレートアーマーが普及するのは15世紀のことであり、盛期中世の兵士は革鎧鎖帷子を着用するのが一般的であった。騎士たちも、中には皇帝直属の独立した帝国騎士もいたが、騎士全盛期のドイツでは多くの平騎士は元来諸侯に仕える家士の身分であった[7]。このように後の時代の要素やイリーガルな着想を含んでいながら、それを一纏めにしてしまっていることが、結果として中世欧州に対する誤ったイメージを生み出している。
こうした誤解には単なる作者側の知識不足(中世と近世を区別していないこと)だけでなく、中世“風”と明記されていながらそれを現実的な中世として真に受けてしまう、いわば受け取る側の問題や、時代区分における中世がかなり長い期間を指す用語である上に、その前後の時代区分に従って解釈が変化するという歴史学に関する問題も存在する(一般的には、社会が大きく変化した宗教改革期を近代の始まりとして1500年前後を中世の終わりとするが、長いスパンの社会変動を捉えて中世が17・18世紀まで継続したとみる論者もおり、通説が必ずしも自明であるわけではない[8])。
ファンタジーというジャンルはライトノベルオンライン小説でも広く好まれ、セカイ系、異世界転生などというサブジャンルも生まれている。ファンタジーの中でも特にヒロイック・ファンタジーコンピュータRPGと相性が良く、ドラゴンクエストファイナルファンタジーなど数多くの名作が生み出されている。
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(3.3.近代ファンタジーの転機)
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(4.ファンタジーの舞台)

7. ハインリヒ・プレティヒャ 『中世への旅 騎士と城』 平尾浩三訳、白水社〈白水Uブックス〉、2010年、14頁。
8. 服部良久、南川高志、山辺規子 編著 『大学で学ぶ西洋史 [古代・中世]』 ミネルヴァ書房、2006年、161-162頁。

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出典:Wikipedia
2018/03/27 00:30
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