ファンタジー
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3.文学におけるファンタジー
3.2.近代ファンタジーの形成
児童文学に分類されない近代ファンタジーの形成は、ファンタジーの定義の解釈によって諸説はあるものの、狭義のファンタジーとしては1920年代から1940年代にかけて隆盛を誇ったパルプ・マガジンを嚆矢とすることができる。特に通常はSFとファンタジーとの境界ともいえ、そのどちらにも分類されるエドガー・ライス・バローズ火星シリーズ(第1作『火星のプリンセス』は1912年に原型が発表され1917年に完成)、ロバート・E・ハワードによるヒロイック・ファンタジーの最初の完成型とも言われる英雄コナンシリーズ(1932年に第一作発表)がこの時代の代表作であり、同時にJ・R・R・トールキン以前の近代ファンタジー文学の1つの典型と言える。
なお、ハワードは多数の模倣者を生み出したことでも知られ、ハワードとその有象無象の模倣者たちはヒロイック・ファンタジーや同時代に隆盛を誇ったスペースオペラなどの形成に大きな役割を果たしている。
同時期の特筆すべき事項としては、1923年創刊のパルプ・マガジン『ウィアード・テイルズ』、同じく1939年創刊の『アンノウン』の2誌の存在である。『ウィアード・テイルズ』はホラー・フィクションに、『アンノウン』はサイエンス・フィクションに近しい雑誌ではあるものの、ファンタジー的な要素も強く、トールキン以前の近代ファンタジーの形成には無視できない存在となっている。
付け加えるなら、近代ファンタジー形成の黎明期である1910年代からパルプ・マガジンの市場が事実上消滅する第二次世界大戦の直前までの期間においては、市場をみてもファンタジーというジャンルは黎明期であった。例えば、児童文学に分類されない大人向けのファンタジー作品を専門に紹介するパルプ・マガジンは事実上存在していない(ただし『ウィアード・テールズ』を一応の例外と考えることは可能で、同誌を世界最初のファンタジー専門パルプ・マガジンとみなす場合もある)。この時代のファンタジー作品は、事実上ホラー・ノベルやウィアード・メナスと呼ばれる当時隆盛を誇っていた怪人もの、そして、サイエンス・フィクションの市場の中で発表されており、市場としてもジャンルとしても独立した存在と認知されるのは1930年代末期に前述の『アンノウン』誌や『Fantastic Adventures』誌などが創刊した辺りからである。ただし、認知されたとは言っても限定的なもので、特に一般層への認知度は現代とは比べものにならないほど低かった。事実、後述するトールキンの諸作品の登場後ですらも、バローズやハワードの諸作品はSF冒険小説に分類されていたし、『ジェニーの肖像』も発表当時はSFに含まれるべきものとされていた。
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(3.3.近代ファンタジーの転機)
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出典:Wikipedia
2018/03/27 00:30
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