ヒンドゥー教
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5.教典
古代のヒンドゥー教の聖典はサンスクリット語で書かれている。そしてこれらはシュルティ(天啓)とスムリティ(聖伝)の2種類に大別される。ヒンドゥー教の聖典は何世紀にもわたり口承にて編纂され、記憶され、そして世代を超えて伝承され、後に文字に起こされた[70][71]。何世紀にもわたりリシ(聖仙)たちは教義を磨き上げ、それをシュルティとスムリティに展開した。さらにはヒンドゥー哲学の6学派は認識論形而上の理論をシャーストラと呼ばれる書物にまとめた。

シュルティ(聞かれた物の意[72])は通常ヴェーダのことを指す。ヴェーダはヒンドゥー教の聖典の中でも最も早い時期に記録されたもので、古代のリ(聖仙)たちに明かされた永遠の真実が記されていると考えられている[73]。ヴェーダにはリグ・ヴェーダ、サーマ・ヴェーダ、ヤジュル・ヴェーダ、アタルヴァ・ヴェーダの4つが存在し、それぞれのヴェーダはさらにサンヒター(賛歌、祈り)、アーラニヤカ(儀式、祭祀について)、ブラーフマナ(儀式、祭祀の解釈)、ウパニシャッド(瞑想、哲学について)の4つの部門に分けられる[74][75][76]。最初の2つ(サンヒター、アーラニヤカ)はカルマカーンダ(Karmak???a、施祭部門)とよばれ、残りの2つがジュニャーナカーンダ(J??nak???a、哲学的、宗教的思索部門)と呼ばれる[77][78][79][80][81]

ウパニシャッドはヒンドゥー哲学の基礎であり[82][83]、シュルティの中でも特に優れた聖書であるとされ、その基本理念は後の時代のヒンドゥー教哲学や信仰にも継続的に影響を与え続けている[82][84]サルヴパッリー・ラーダークリシュナンは、ウパニシャッドは歴史に登場して以来ずっと支配的な役割を果たしていると語っている[85]。ヒンドゥー教には108のムクティカー・ウパニシャッドが存在し、学者よって幅があるがそのうちの10から13は特に重要なものとしてムキャ・ウパニシャッドと呼ばれる[86][87]

最も重要なスムリティ(記憶されたものの意)はヒンドゥー叙事詩とプラーナ文献である。具体的にはマハーバーラタとラーマーヤナがヒンドゥー叙事詩であり、マハーバーラタにその一部として含まれているバガヴァッド・ギーターはもっとも一般的なヒンドゥー教の聖典の1つであり[88]、ヒンドゥー教徒の信仰生活を実質的に規定してきた[89]。バガヴァッド・ギーター(「神の歌」の意)は時にウパニシャッドとみなされギートパニシャッド(Gitopanishad)と呼ばれる。そのためシュルティに数えられることもある[90]。またラーマーヤナはラーム・リーラー、マハーバーラタはラース・リーラーという名で歌舞劇にされており、各地で祝祭に合わせて上演される伝統がある[91]。一方のプラーナ文献はおよそ西暦300年あたりから編纂されはじめ[92]、広範な神話を含む。これらはヒンドゥー教の共通のテーマを、生き生きとした物語を通して人々に伝えるという役割を担い、布教の中心となっている。またヨーガについて記された古典、ヨーガ・スートラは20世紀になって再評価されている[93]

19世紀のヒンドゥー教現代主義者らはヒンドゥー教のアーリア人起原の要素を再評価し、タントリズム(密教)の影響をうけたヒンドゥー教を純化しようという試みのなかで[94]埋もれていたヴェーダの要素を強調した。たとえばヴィヴェーカーナンダは、たとえそれが古代のリシ(聖仙)たちに明かされたものでないにしても、ヴェーダは精神世界の法律であるという立場をとった[95][96]。タントリズムでは「アーガマ (ヒンドゥー教)」という語が彼らにとって権威のある聖典全体を指す言葉であり、また同時にシヴァがシャクティに語った教えを意味する[97]。一方で「ニガマ」(Nigama)という語はヴェーダを意味し、同時にシャクティがシヴァに語った教えを意味する[97]。アーガマ派(聖典シヴァ派)ではアーガマをヴェーダと同等なものとして同様に重視している[98][99]

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出典:Wikipedia
2019/11/25 16:00
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