ハンプティ・ダンプティ
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3.引用・言及
3.2.その他の創作作品
ハンプティ・ダンプティは英語圏においては非常にポピュラーな存在であり、『鏡の国のアリス』のほかにも多くの文学作品でキャラクターとして登場したり、詩の引用が行われたりしている。例えばライマン・フランク・ボームの『散文のマザーグース』(1901年)においては、「ハンプティ・ダンプティ」のなぞなぞ歌は実際にハンプティ・ダンプティの「死」を目撃したお姫様によって作り出される[26]ニール・ゲイマンの初期の短編作品「二十四羽の黒つぐみ事件」では、ハンプティ・ダンプティの物語はフィルム・ノワール風のハードボイルド作品に脚色されている(この作品ではまたクック・ロビンハートの女王など、マザー・グースでおなじみのキャラクターが多数登場する)[27] 。ロバート・ランキンの『黙示録のホローチョコレート・バニー』(2002年)においては、ハンプティ・ダンプティはお伽噺のキャラクターを狙った連続殺人事件における被害者の一人である[28]ジャスパー・フォードは『だれがゴドーを殺したの?』(2003年)と『ビッグ・オーバーイージー』(2005年)の二作でハンプティ・ダンプティを登場させており、前者では暴動の首謀者として、後者では殺人事件の被害者としてハンプティ・ダンプティを描いている[29][30]。キャラクターが登場するものではないが、いわゆる見立て殺人の題材に使われた例としてはヴァン・ダインの『僧正殺人事件』(1929年)があり、ここでは登場人物の一人が童謡になぞらえられて塀の上から突き落とされることによって殺されている[31]

ハンプティ・ダンプティの童謡はより「真面目な」文学作品でも言及されている。例えばジェイムズ・ジョイスの最後の小説『フィネガンズ・ウェイク』(1939年)においては、ハンプティ・ダンプティは「落ちる男」のモチーフを表現するものとして繰り返し言及される[32]ロバート・ペン・ウォーレンの『オール・ザ・キングスメン』(1946年、日本語訳題『すべて王の臣』)は、大衆主義的な地方政治家が州知事となり、やがて汚職に手を染め堕落していく様を描いた小説で、表題は「もう元にもどらない」状況を表すものとして童謡から引用されている。ルイジアナ州の上院議員ヒューイ・ロングをモデルにして書かれており、ウォーレンはこの作品で翌年のピュリッツァー賞を受賞した。またこの小説を原作とする映画『オール・ザ・キングスメン』は1949年にアカデミー賞最優秀作品賞を受賞している[33]。2009年にはショーン・ペン主演でリメイク映画も制作された。同様の発想はボブ・ウッドワードカール・バーンスタインによるウォーターゲート事件を扱った著作『オール・ザ・プレジデントメン』(日本語訳題『大統領の陰謀』)でも繰り返されており、この作品もロバート・レッドフォードダスティン・ホフマンの主演で1976年に映画化されている(日本語版題『大統領の陰謀』)[34]。このほかポール・オースターの処女小説『シティ・オブ・ザ・グラス』(1985年)では、ハンプティ・ダンプティは登場人物間の議論において「人間の状況のもっとも純粋な体現者」として、『鏡の国のアリス』からの長大な引用とともに言及されている[35]

ハンプティ・ダンプティは19世紀中、アメリカ合衆国の俳優ジョージ・L・フォックスの舞台において、パントマイム劇や音楽の題材にされ、ここからアメリカ合衆国でも広く知られることとなったが、ハンプティ・ダンプティは現代のポピュラー音楽においてもしばしばモチーフとして用いられている。たとえばハンク・トンプソンの『ハンプティ・ダンプティ・ハート』(1948年)[36]モンキーズの『すべての王の馬』(1966年)とアレサ・フランクリンの 『オール・ザ・キングス・ホーシズ』(1972年)(ともに原題は同じ"All the King's Horses")[37]トラヴィスの『ハンプティ・ダンプティ・ラヴ・ソング』(2001年)[38]などである。ジャズ音楽においてはオーネット・コールマンチック・コリアが、同じ「ハンプティ・ダンプティ」の題名でそれぞれ異なる楽曲をつくっている(ただしコリアの作品はルイス・キャロルから着想を得た1978年のコンセプトアルバム『マッド・ハッター』(1978年)のうちの一曲として作られたものである)[39][40]

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出典:Wikipedia
2018/11/04 08:30
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