セシウムさん騒動
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3.事故に至るまでの経緯
3.4.誤送出判明とその後の対応
スタジオの出演者とスタッフは次のコーナーのリハーサル中、サブにいた他のスタッフも別の作業を優先しており、不適切テロップなどの画面異常を発見・除去する最後の砦だったはずのマスター監視スタッフは、次のCM放送順確認のために予定表を見ており、放送画面から目を離していて不適切テロップの誤送出を知らなかった。このため、「とんでもない文言のテロップが放送画面に出ている」旨をAサブへ知らせず、かつ放送画面異常時に手動送出するはずの「しばらくお待ち下さい」という割り込み画面も表示させなかった。マスター監視スタッフは、「11時から“別冊ぴーかん”が始まり、“しあわせ通販”のVTR正常送出を確認した。約3分経ってから次に放送予定のCMアドレス(識別番号)を確認するために机の横で予定表を見ていた。多分その(自分がCMアドレスを確認している)間に不適切テロップが電波に乗ったと思う。しばらくして放送画面に目をやると(通販コーナー終了後に)福島アナが謝罪していたので何かあったのかと思った」と証言している。

このため、前述の各スタッフの証言も合わせて、不適切テロップがオンエアされ始めた時はどの部門のスタッフ・出演者いずれもが別の作業を優先しており、放送画面から目を離していたこととなる。9:55〜11:00の第1部はVTRが出ないスタジオ画面中心の構成だったため、スタッフは1時間以上にわたって緊張感が続く。逆に11時からの「別冊〜」はVTR中心の構成であり、そのVTRも本番前チェックを何度も繰り返した「完成品」で、本番中も特に大きな作業が無いことから、スタッフはこの時間を休憩時間と位置付けていた。つまり、「ぴーかん」オンエア中は放送画面を100%確実に監視・モニタリングする人物が誰一人いないため、不適切テロップの誤送出という操作ミスの発見が遅れたのである。

さらに、「しあわせ通販」VTR放送中の9分間がスタッフ及び他の出演者にとって「休憩時間」という感覚があったのも助長していた。特にVTRは前述のとおり、本番前チェックを何度も繰り返した完成品だったことである。MCの福島アナも「第1部本番中、及び全体の本番前準備やリハーサル中は忙しいので、この9分間はスタッフも緊張から解放されていたのだろう」と述べている。さらに、当時サブにいた音声担当スタッフは「(不適切テロップは何の前触れもなく)いきなり切り替わった。サブのスタッフはシーンとしていたので、まさか不適切テロップが放送されているとは思いもしなかった。画面に何か出てることはわかったが、その画面が放送本線だという認識は持たず、言葉・文字までは気にしなかった」という。

問題の不適切テロップが誤って電波に乗っているという、前代未聞の異常事態にサブのスタッフが気付いたのは、誤送出から約10秒が経過した後である。

サブにいたプロデューサー兼ディレクターは、「当時はリハーサル画面を見ながらスイッチャーと次コーナーカメラカット割りの打ち合わせをしていた。それから約10秒後に放送画面を見たら画面がおかしい(不謹慎テロップが電波に乗っている)ことに気づき、“あれ?これってオンエアだよね?”と言ったような気がする。スイッチャーと一緒にサブに多数あるモニターを確認して原因を調べたが判らず、スイッチャーは“自分は何も触っていない”と言った。自分は恐らくテロップ送出機が原因じゃないかと判断し、スイッチャ―が隣にいた新人TKに何かやったか尋ねると、“下(スタジオモニター)に(テロップを)出すためにT1を操作した”と答えたので、これでようやくわかった。通常では起こり得ない形で放送画面がおかしくなったので(このような不適切テロップ誤送出は自分自身も初めて見たので)、我々も最初は何が起きたのかわからず、通常の作業より対処に手間取った面がある」と述べている。

さらに、「自分、スイッチャーどちらかは覚えていないが、ディレクターの前にある「テロップ送出解除」ボタンを押したら不適切テロップが画面から消えて通常の“しあわせ通販”VTRに戻ったのでようやく肩の荷が下りたと思った。しかし誤送出発見までに10秒かかり、さらにその消去にも手間取って(10秒以上かかり)、結局は(放送界では長時間の部類に入る)23秒にもわたって電波に乗せてしまったので、そこは我々が猛省すべきと思っている。自分が(リハーサル画面と進行表ばかり見ていて)放送画面から目を離していた。これが異常事態・操作ミスの発見が遅れた最大の原因と考えている」という。

2010年7月に東京支社制作部から本社情報制作部(当時)へ異動し、「ぴーかん」の曜日ディレクター・APを経て2011年7月よりチーフ職に就いた「ぴーかん」総合プロデューサーは、「10年ぶりに本社勤務へ戻ったが、(東京支社へ赴任していた最中の2003年春に東海テレビ本社が現在の新社屋へ移転。これに伴い放送装置=サブ装置及びマスターが現在のデジタル放送対応モデルに更新されたことから)Aサブは自分が新人の頃より操作が難しくなり、ディレクターの仕事量は急増。スイッチを4、5ヶ所で操作する形となり、隣にいたTKは自分よりさらに複雑な操作をしていた」と、高度化・複雑化するサブ装置にスタッフの学習が追いつかない実態を証言している。

「ぴーかん」が使っていたAサブは字幕(テロップ及びスーパー)・CG・映像などを送出する番線が6系統あるが、これはスイッチャー単独では使いこなせない数で、ディレクターやTK、さらに生放送経験の浅い若手スタッフもスイッチャー単独では追いつかない字幕(テロップやスーパー)の送出作業をしなければならない現実、加えてT1・T2両送出機運用規定には(東海テレビ自社制作の)各生放送番組ごとに微妙な違いがあり、スタッフ間でもテロップ送出機運用方法について認識の違いが生じていたことも今回の不適切放送に繋がったと検証報告書及び答申書は指摘している。情報制作局長(当時)は「今回の原因は一つではなく、制作現場はじめ各部署に内在していた問題が複雑に絡み合って起きたと思う。よって"これだ!"という一つの大きな要因を潰せば(究明・解決すれば)大丈夫ということではないだろう」と話す。

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出典:Wikipedia
2018/07/25 14:02
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