ギリシア神話
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9.神話6:英雄の神話
9.6.英雄たちの結集
ギリシア神話には、断片的なエピソード以外に、一人の人物あるいは一つの事件が、複雑に展開し、数多くの英雄たちがその物語に関係してくる「複合物語」とも呼べる神話譚がある。

アテーナイの王子であった「テーセウス」の生涯は、劇的な展開を見せ、クレータ島迷宮での冒険を経た後になっても、コルキスの王女メーデイアが義母であったり、その魔術と戦うなど、ミーノース王やアリアドネーを含め、広い範囲の多数の人物と関わりを持っている。

テーセウスの生涯以上に華麗で、夥しい人物が関係し、また様々な重要事件に参加するヘーラクレースの物語もまた英雄の結集する神話とも言える。彼に課された十二の難題の物語だけでも十分に複雑であるが、ヘーラクレースは「アルゴナウタイ」の一員でもある。更に、アポロドーロスによると、彼はゼウスの王権が確立した後に起こったとされるギガース(巨人)たちとの戦いにも参加している[69]。また、オルペウス教の断片的な資料では、原初にクロノス Khronos(時)、別名ヘーラクレースが出現したという記述がある[70]。これが英雄ヘーラクレースかどうか定かではないが、無関係とも言いきれない。

ギリシア中から英雄が集結して冒険に出発するという話としては、イアーソーンを船長とするコルキスの金羊毛皮をめぐる「アルゴナウタイ」の物語が挙げられ、ここではヘーラクレースやオルペウスなども参加している。

また、アドラストスを総帥とする「テーバイ攻めの七将」の神話やその後日談でもある、七将の息子たちの活躍も、英雄たちが結集した物語である。メレアグロスの猪退治の伝承が潤色され、拡大した規模で語られるようになった「カリュドーンの猪狩り」の神話もまた、メレアグロスを中心に、カストールポリュデウケースの兄弟、テーセウスイアーソーンペーレウステラモーン、そしてアタランテーなども参加した英雄の結集物語である。

トロイア戦争[編集]


ギリシア神話上で、もっとも古く、もっとも重層的に伝承や神話や物語が蓄積されているのは、「トロイア戦争」をめぐる神話である。古典ギリシアの文学史にあって、紀元前9世紀ないし8世紀に、突如として完成された形で、ホメーロスの二大叙事詩、すなわち『イーリアス』と『オデュッセイア』が出現する。詳細な研究の結果、これらの物語は突如出現したのではなく、その前史ともいうべき過程が存在したことが分かっている[71]

トロイア戦争をめぐっては、その前提となったパリスの審判の物語や、ギリシアとトロイアのあいだの交渉、アカイア軍の出陣、そして長期に渡る戦争の経過などが知られている。『イーリアス』は十年に及ぶ戦争のなかのある時点を切り出し、アキレウスの怒りから始まり、代理で出陣したパトロクロスの戦死、ヘクトールとの闘い、そして彼の死と、その葬送のための厳粛な静けさで物語が閉じる。他方、『オデュッセイア』では、トロイア戦争の終結後、故郷のイタケ島へ帰国しようとしたオデュッセウスが嵐に出会い、様々な苦難を経て故郷へと帰る物語が記されている。

トロイア戦争の経過の全貌はどのようなものであったのか、トロイア陥落のための「木馬の計略」の話などは、断片的な物語としては伝わっていたが、完全な形のものは今日伝存していない。しかし、この神話あるいは歴史的な伝承が、大きな物語圏を築いていたことは今日知られている。

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出典:Wikipedia
2019/11/10 08:00
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