ギリシア神話
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7.神話4:人間の起源
7.2.五つの時代と人間の生き方
パンドーラーは結果的にエピメーテウスに、そして人間の種族に災いを齎し不幸を招来した。ヘーシオドスは更に、の種族、の種族、青銅の種族についてうたう。これらの種族は神々が創造した人間の族であった。金の種族はクロノスが王権を掌握していた時代に生まれたものである[52][73]。この最初の種族は神々にも似て無上の幸福があり、平和があり、長い寿命があった。しかし銀の種族、銅の種族と次々に神々が新しい種族を造ると、先にあった者に比べ、後から造られた者はすべて劣っており、銅(青銅)の時代の人間の種族には争いが絶えず、このためゼウスはこの種族を再度滅ぼした。

金の時代と銀の時代は、おそらく空想の産物であるが、次に訪れる青銅の時代、そしてこれに続く英雄半神)の時代との時代は、人間の技術的な進歩の過程を跡づける分類である。これは空想ではなく、歴史的な経験知識に基づく時代画期と考えられる。第4の「英雄・半神」の時代は、ヘーシオドスが『名婦列伝(カタロゴイ)』で描き出した、神々に愛され英雄を生んだ女性たちが生きた時代と言える。英雄たちは、華々しい勲にあって生き、その死後はヘーラクレースがそうであるように神となって天上に昇ったり、楽園(エーリュシオンの野)に行き、憂いのない浄福の生活を送ったとされる(他方、オデュッセウスが冥府にあるアキレウスに逢ったとき、亡霊としてあるアキレウスは、武勲も所詮空しい、貧しく名もなくとも生きてあることが幸福だ、とも述懐している[74])。

英雄の時代が去っていまや「青銅の時代」となり、人の寿命は短く、労働は厳しく、地は農夫に恵みを与えること少なく、若者は老人を敬わず、智慧を尊重しない……これが、我々がいま生きている時代・世界である、とヘーシオドスはうたう。このような人生や世界の見方は、詩人として名声を得ながらも、あくまで一介の地方の農民として暮らしを立てて行かねばならなかったヘーシオドスの人生の経験が反映しているとされる。世には、半神たる英雄を祖先に持つと称する名家があり、貴族がおり、富者がおり、世のなかには矛盾がある。しかし、はあくまでなる者で、人は勤勉に労働し、神々を敬い、人間に与えられた分を誠実に生きるのが最善である。

一方で、武勲を称賛し、王侯貴族の豪勢な生活や栄誉、音楽彫刻などの芸術の高みに、恵まれた人は立ち得る。しかし庶民の生活は厳しいものであり、そこで人間としていかに生きるか、ヘーシオドスは神話に託して、人間のありようの諸相をうたっていると言える。

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出典:Wikipedia
2019/11/10 08:00
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