エアバスA300-600
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1.沿革
1.3.設計の過程
A300-600の開発目的は、A300の航続距離とペイロードを増やすことであった[33]。A300B4の機体構造をベースとして胴体を延長しつつ軽量化を図ったほか、空力特性の改善と空気抵抗の抑制対策がとられた[35]

2人乗務のコックピットは、A300第1世代の頃から研究されていた[33]。A300第1世代の通常仕様では、航空機関士が操作する機器類は主にコックピット内の右舷側にあるが、エンジン始動後は航空機関士が前方向きに座って飛行できるよう操作パネルが配置されていた[36]。エアバス・インダストリーは、この考えを一段と進めて航空機関士を必要とせず操縦士2名だけでの運航も可能なFFCC(Forward Facing Crew Cockpit の略)と呼ばれるコックピットを開発・実用化していた[36][38][39]。また、1980年代前半にA300の垂直安定板の前縁や主脚扉などをCFRP製とした試作品の開発や実証試験も行われていた[39]

A300第1世代やA310の研究・開発で蓄積された技術がA300-600に導入された[40][29]。A300-600の開発では、A300第1世代より航続力と搭載力を強化すること、そして、可能な限りA310との共通性を持たせて開発・生産コストや航空会社の運用コストを抑えることが目標とされた[33][41]

胴体は、A300B4の後部胴体を平行部分を3フレーム(1.59メートル)延長する一方で、2フレーム短縮されたA310の尾部を流用することで、胴体延長による重心・尾翼間距離の変化を抑えつつ、座席で1列 - 2列(8 - 16席)分、貨物室でLD-3航空貨物コンテナ1列(2個)分の収容力が強化された[41][43]。尾部全体がA310と共通化されたため、水平尾翼もA310と同じ小型のものに変更された[29]

主翼もA300第1世代のものに改良が加えられた。外翼部の低速度用エルロンが廃止され、横操縦は翼の中程にある全速度エルロンとスポイラーによって行う方式となった[43][32]フラップもA300第1世代のタブ付きダブル・スロット型ファウラーフラップという特殊な方式から、シングル・スロット型ファウラーフラップへと簡素化された[44][45]。このフラップの後縁断面は上方への反りが大きくなり、空力特性がA310の主翼に近づけられた[44][29][32]。これにより失速特性が改善され、A300第1世代の主翼に備わっていたスラットのフェンスが不要になり除去された[44]フライ・バイ・ワイヤ等の採用でコックピットはA310とほぼ共通化され、2人乗務での運航が標準となったほか、操縦士の操縦資格もA310とA300-600とで共通化された[40]

前述の主翼の改良、小型水平尾翼の採用、そしてフライ・バイ・ワイヤの導入のほか、複合材料の使用拡大、小型軽量の補助動力装置の採用、カーボンブレーキの採用、客室装備等の軽量化により全体で2トンの軽量化を実現した[44]

A300-600のエンジンは、ゼネラル・エレクトリック(以下、GE)製のCF6シリーズとプラット・アンド・ホイットニー (以下、P&W)製のJT9Dシリーズであるが、燃料消費率や推力が向上した改良型に変更された[34][32]

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(1.2.A310の開発とイギリスの加盟)
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(1.4.生産と試験)
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出典:Wikipedia
2019/11/09 14:02
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