アイギストス
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2.解説
アイギストスの出生について、ハンガリーの神話学者カール・ケレーニイは、殺された者の父と自分自身の娘という冥界的な結びつきから生まれた「復讐者」であり、テュエステースが逃れて行ったシキュオーンのテスプロートス王もまた冥界の周縁に住む存在だとしている[5]
これに対し、イギリスの詩人ロバート・グレーヴスは、古代の聖王が後継者である義理の娘と結婚することによって慣習的な統治期間の引き伸ばしを図ったものではないかとする。また、赤子が羊飼いに育てられる物語はアイギストスのほか、ヒッポトオーン[34]ペリアースアムピーオーンなどにも見られるパターンである[28]

アガメムノーンの殺害については、ホメーロスの『オデュッセイアー』ではアイギストスが自分の館にアガメムノーンを歓待し、ひとりでアガメムノーンを殺したことになっているが、後代、とくにアイスキュロス悲劇以降では場所がアガメムノーンの館に変わり、クリュタイムネーストラーが中心的な存在になっていく[18][13]。グレーヴスは、アガメムノーン殺害の神話は演劇的な形式に整えられていて原型をとどめていないとし、この話の基本的な形は夏至のころに殺される聖王、聖王を裏切る女神、聖王の後継者、その仇討をする王の息子だとしている。クリュタイムネーストラーが持つクレタの王権の象徴であり、クレタ王ミーノースがやはり浴場で殺されたこととの共通点を指摘している。さらに、クリュタイムネーストラーがスパルタの王位継承権を持つ者であること、スパルタ王テュンダレオースがアガメムノーンをミュケーナイの王位につけてやったという話は、アミュークライの領有権をめぐってスパルタとミュケーナイが争い、スパルタが勝利したことを物語っているとする[29]

オレステースの復讐譚については、アイスキュロス『コエーポロイ(供養する女たち)』、ソポクレスエレクトラ』、エウリピデスエレクトラ』でそれぞれ語られている[18]。グレーヴスによれば、彼らの作品は古代の神話を新しく書き換えたものだが、アイスキュロスが作った筋書きをソポクレスとエウリピデスはさらにもっともらしく改良を加えようとした[30]

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(1.5.アイギストスの死)
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(4.1.注釈)
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出典:Wikipedia
2019/05/14 01:00
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