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アルプスの少女ハイジ (アニメ)
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概要
アルプスの少女ハイジ』(アルプスのしょうじょハイジ)は、1974年1月6日から12月29日まで、フジテレビ系列で毎週日曜19:30 - 20:00(JST)に全52話が放送された、ズイヨー映像制作の日本のテレビアニメ。「カルピスまんが劇場」の第6作目に当たる。

本項目では、本放送終了後に公開されたダイジェスト版映画を始めとする、一部の派生作品などについても併せて取り扱う(単独で立項されているものは除く)。

概要

原作はスイスの作家ヨハンナ・スピリの同名小説。児童文学的な作品として制作され、スイスの生活や動物の動きなどをアニメーションで表現している。本放送終了後も複数回にわたって地上波やCSで再放送された他、キャラクターグッズやCM、公認のパロディの制作などの展開も広く行われている。

本作品を制作するに当たり、スタッフは海外現地調査(ロケーション・ハンティング)を行った[1]。調査には高畑勲宮崎駿小田部羊一ら主要なスタッフが参加しており、その成果は作品作りに生かされた。日本のアニメとしては欧州各国で広く放送された存在で、アラブ諸国やアフリカ・アジアも含め、英語圏を除く世界中の国々でも放送された[2][3]。本作品の熱狂的ファンを自称する池田香代子が、知り合いのドイツ人のおじさんに「これが日本で制作された作品だとは思わなかった」と言われたと後に語っている[4]。本作品以降、世界名作劇場では制作前の海外現地調査が踏襲されることになる。

前作と同様に、アニメーションの実制作は瑞鷹エンタープライズ(企画・制作)の子会社・「ズイヨー映像」が担当。同社の社長である高橋茂人は、本作品を創るために同社を興しており[5]、本作品の制作以前にも、TCJ動画センター(現・エイケン)企画部在籍時に「ハイジ」のパイロット版フィルムを制作したこともあった[6]。後年ズイヨー映像より独立した日本アニメーションは、このズイヨー映像から設備とスタッフを引き継いでいる[7]ため、実質的な制作現場は共通であるが、公式には本作品を「世界名作劇場」シリーズに含めておらず[8]日本コロムビアから発売されている「日本アニメーション 世界名作劇場 主題歌・挿入歌大全集」などのCDにも本作品からの楽曲は含まれていない。

2000年には、本作品に作画として参加した櫻井美智代をキャラクターデザインに起用して、リメイク作品となる『アルプスの少女ハイジとクララ』が企画されていたが、最終的に制作にまでは至らなかった[9][10]

2010年には広島にて、株式会社サンクリエートにより8月12日[11]が「アルプスの少女ハイジの日(ハイジの日)」として制定された[12]

あらすじ

1歳で両親を亡くし、5歳になるまで母方の叔母デーテに育てられたハイジは、デーテの仕事の都合で、アルムの山小屋にひとりで住んでいる、父方の実の祖父であるおじいさん(アルムおんじ)に預けられることになる。ヤギ飼いの少年ペーターペーターのおばあさんなどの人々、子ヤギのユキちゃん、おじいさんが飼っている犬のヨーゼフやヤギのシロクマ樅の木を初めとした、大自然に生きる動植物達。厳しくも優しく、懐の深さを感じさせるアルプスの大自然。何より、共に暮らすおじいさんを通じ、ハイジは様々なことを知り、学び、健やかに育っていく。

だが、ハイジが8歳になったある春の日、デーテが再び山を訪れ、ハイジをフランクフルトの貿易商・ゼーゼマン家に連れていくと言う。デーテに騙されフランクフルトへ向かってしまったハイジ。ペーターやペーターのおばあさんは悲痛な声をあげるが、おじいさんにはどうすることも出来なかった。

フランクフルトでハイジを待っていたのは、足が不自由で体の弱い少女・クララとゼーゼマン家の人々であった。執事のロッテンマイヤーはハイジを愛称でなく本名のアーデルハイドと呼び、厳しい躾や勉強を強制、アルムの話題を禁止する。クララやゼーゼマン(クララの父)、おばあさま(クララの祖母)、クララの主治医、使用人のセバスチャンなど、心の支えはあったものの、ハイジはなかなかフランクフルトでの生活に馴染むことができないが、あまりアルムのことを口にするとクララが心配するため、アルムへの切ない思いを無理に押し殺すようになる。

やがてハイジは、アルムの故郷を思うあまりにホームシック(強い帰宅願望)にかかり、それによる夢遊病の状態となってしまう。ハイジを診断したクララの主治医は、ただちにハイジをアルムへ帰す様に指示する。こうして、ハイジは夢にまで見たアルムの山へ帰れることになった。

アルムの生活ですっかり元気になったハイジのもとへ、クララからの手紙が届く。ハイジが是非来てほしいと願っていたアルムへ、クララが行きたいと言う内容であった。クララは静養を目的として滞在することになったが、おじいさんとハイジに促され歩く練習を始める。

原作との相違点

監督の高畑勲が、原作からの最大の変更点として挙げているのはペーターの扱いである。原作では意志薄弱でハイジに従属する存在として描かれており、後述の通りクララのせいで構ってもらえなくなったのを恨みに思い、嫉妬からクララの車いすをこっそり崖から落として壊す場面もある。スピリ作品の少年少女たちは多くの場合で女性優位の構図が見られるが、本作品において高畑は男性優位の秩序を復活させる試みをしている。

また本作品の制作にあたり、後述の通り原作の宗教色も極力排除しているが、全体では尊重しており、原作の宗教性が換骨奪胎され、自然礼賛という新しい宗教性が始まっていると見なされることもできる。ジャン=ミシェル・ヴィスメールによれば、自然礼賛と「神道の伝統」に結びつけたともいい、アニメには「かわいい」という価値観を加えている[13]

原作では「信仰の大切さ」が最大のテーマとなっているが、本作品では宗教色を極力排除してある。
クララのおばあさまは、原作ではハイジに聖書を読むことや毎日のお祈りを推奨するなどしているが、本作品ではこれらの描写はほとんど省略されている。
原作ではハイジもその影響で熱心なキリスト教徒になり、おんじに「神の元」に回帰することを勧める。おんじも遂に涙を流して神に対して過去を悔い改め、村人とも和解する。おんじの多くの不幸は神と対立したことが原因と作中では結論付けられている。対して本作品では、「ハイジの存在」こそがおんじの変化の最大の理由として描写されている。
原作ではフランクフルトでハイジがいくら神に「山に帰りたい」という願いをしても、それが叶えられないことを理由にお祈りを中止するエピソードがあり、クララのおばあさまが、神は「ハイジを今すぐ山に帰すよりも、しばらくフランクフルトに滞在させたあとで山に帰すほうが、ハイジにとってずっと良い」と考えているからと諭して信仰の継続を約束させ、結果的にすべてがその通りになる。このくだりも本作品ではほぼ排除されている。
原作では終盤に、ペーターにとって山で唯一の友人であるハイジが、クララの滞在中はペーターと山の牧場に行く時間がなくなったために、「クララはハイジを自分から奪った」と考えたペーターが、クララをフランクフルトに帰すことを企んで車椅子を壊している。本作品でも車椅子が壊れるエピソードは存在するが、なかなか歩行訓練がうまくいかない自分にいら立ったクララが誤って壊す形に改変されている。
原作にあるお医者さまとの同居のエピソードも本作品ではカットされ、お医者様がおんじ亡き後にハイジの後見人になることを、おんじに約束するなどのエピソードも、本作品では直接的な表現を避けている。
原作ではセバスチャンが執事で、ロッテンマイヤーはその下の家政婦長であるが、本作品ではロッテンマイヤーが執事で、セバスチャンは使用人の一人となっている。
原作ではアルムの山にロッテンマイヤーがクララと一緒に付いて行かず、代わりにクララのおばあさまが最初から付いてくる。ロッテンマイヤーは現地事前調査を行ったセバスチャンから「山はケダモノだらけ」と脅されたために行かなかったことになっている。本作品では当初ロッテンマイヤーが同行し、途中でおばあさまと交代する。
原作ではクララたちがアルムの山に訪ねに行く前に、ラガーツの温泉で6週間ほど療養している。本作品でもラガーツの温泉地に行っているが、療養期間については特に言及されていない。
原作におけるヤギの「トルコ人」という名前が、本作品の制作に当たって特定民族に対する偏見を避けるため「アバレンボウ」に変更されている。
ヨーゼフなどのオリジナルキャラクター。
ヒワの雛ピッチーのエピソード。
子ヤギのユキが殺されかけるエピソード。
ユキの成長と、ユキやシロの子ヤギの誕生。
ソリ滑りの大会のエピソード。
ハイジ、クララ、ペーターの3人が、子供だけで牧場へ出かけるエピソード。
クララのおばあさまが開くパーティー。
クララが立てるようになるまでのエピソード。
最終回のクララがハイジにあてた手紙

登場人物

アルムの山の住人

- 杉山佳寿子
本作品の主人公。5歳→8歳。父はトビアス、母はアーデルハイド。本名(洗礼名)は母と同じアーデルハイド(Adelheid)。ハイジは末尾の -heid から来た愛称。ドイツ語での発音はハイディに近い。Adelheidのドイツ語発音に忠実にカナ表記すれば本名の日本語表記はアーデルハイトとなるが、略称となった場合は濁ってハイディとなる。
明るく利発で機転が利くが、正しいと思ったらきかない性質は祖父のアルムおんじ譲り。また、他人の喜びや悲しみ、辛さを共感出来る、心優しい子。ペーターの母・ブリギッテによると、ハイジの容姿は「お母さんのアーデルハイドみたいでキレイだけど、が黒くて、髪が縮れてるところなんか、お父さんのトビアスやアルムおんじにそっくり」と言う。冬場やフランクフルト滞在時を除き、普段は裸足で過ごしている。
スイスグラウビュンデン州マイエンフェルトの近くのデルフリ村(架空)で生まれる。1歳で両親と死別し、母方の叔母デーテに引き取られた。5歳のとき、デーテの就職のため、デルフリ村に程近いアルムの山小屋に住む父方の祖父アルムおんじに預けられる。8歳のとき、デーテに騙され無理やりフランクフルトのゼーゼマン家へ連れていかれ、クララと友人になる。しかし元々アルムの山を離れるつもりがなかったことに加え、厳しい躾が原因でホームシックからの夢遊病を発症し、療養のためアルムの山へ帰された。
アルムおんじ(Alm-Onji)
声 - 宮内幸平
ハイジの父方の祖父でトビアスの実父、元傭兵。「アルム」は放牧地、「おんじ」はおじさんを意味し、すなわち「アルムおんじ」とは「放牧地のおじさん」と言うあだ名であり、本名は作中では一貫して言及されていない。原作では“Alm-?hi(Alp?hi)”。デーテが「おじさん」と呼んでいるのは、姉の義父のため。
真っ白な髪と髭を蓄え背筋の伸びた体格の良い老爺。パイプ煙草やワインを時折嗜む。無愛想で気難しい性格で、ことあるごとに「あの、おんじが?」とデルフリ村の人々に囁かれる変わり者。村での評判を自身も理解しており、他人との交流を好まず、デルフリ村から程近いアルムの山小屋で一人で暮らし、ヤギ飼いのペーター以外は周りに人を寄せ付けないようにしていた(そのためアルムおんじへの用件がペーターに託される場面も多い)。洞察力に優れ、クララが立ち上がって自力で歩ける可能性があると最初に見抜いた。教養もあり、ハイジは「おじいさんは間違ったことを言わない」と絶対の信頼を置き懐いている。
普段は山小屋附近で牧草を刈り、ヤギの乳でチーズを作り、薪を割り、商売用の木工細工の原料となるなどを山から伐採して、食器を始め、あらゆる生活用品に加工している。そしてそれらを背負子に詰め、数日に1回の割合でデルフリ村へ降り、食料品や生活に必要な品物を購入・物々交換をするだけの日々であった。
「過去を忘れたがっている」ため謎が多く、作中で過去について語られる場面は少ないが、第1話では村人(バルベル)が「人を殺したこともあるらしい(からハイジを預けるのは止めた方がいい)」とデーテに言っている。かつてはデルフリ村で暮らしていたが、村を離れ山小屋で暮らし始めた理由は作中で触れられることはなかった。一方でデルフリ村在住当時の隣人だった牧師が「神や人々と仲直りしましょう」と、人間関係でトラブルがあったことを窺わせる台詞も残している。
70歳のときハイジと暮らし始める。初対面時からハイジの利発さを見抜いて可愛がり、孫娘との交流を通じて次第に優しい性格を取り戻していく。しかし当初はハイジがデルフリ村の人々と付き合うことを制限しており、デルフリ村の外れにあるペーターの家にさえ、最初はハイジを行かせたくなかったようである。就学年齢の8歳になったハイジを冬の間だけでも学校へ通わせるよう、かつて隣人であった牧師に説得されても、頑なに拒否した。そのため、ハイジがフランクフルトへ行った際は、ハイジがデーテに騙されたと知らず、ハイジに行く気がないと確信していたこともあり酷く落ち込んだ。しかし、フランクフルトから戻ったハイジがグリム童話を読むのを見て、ハイジが学校に通えるよう冬の間はデルフリ村で過ごす決意をする。村はずれの廃墟となっていた古い教会を改築して住居とし、徐々に村人との接触を持つようになった。
原作によると、グラウビュンデン州ドムレシュクの裕福な農家の生まれだが、傲慢で荒れた性格で酒や賭博などの放蕩を尽くしたため全財産と家族を失い、ナポリ傭兵となってヨーロッパ中の戦場を渡り歩いた。傭兵時代に些細な喧嘩から人を殴り殺した、と噂されている。その後は軍を脱走し放浪の末グラウビュンデン州の女性と結婚、息子トビアスを授かるが、間もなく妻を失い、息子と共にデルフリ村で大工として暮らすようになる。やがて息子が村娘と結婚し孫ハイジが生まれるが、仕事中の事故で息子を失い、そのショックから息子の嫁も亡くす。これらの相次ぐ不幸はアルムおんじの不信心が原因だとデルフリ村の人々から責められ、村人との付き合いを断つべくデルフリ村に程近いアルムの山小屋へ移り住んだとされる。トビアス夫妻(ハイジの両親)の墓もデルフリ村にあるという。
デーテ(Dete)
声 - 中西妙子
ハイジの母方の叔母。ハイジの母アーデルハイドの実妹で年齢は28歳→31歳。独身。姪のハイジをアルムへ連れて行く前は、ハイジを知り合いに預けながらラガーツの温泉地に勤めていた。当時5歳だったハイジをアルムおんじに預けた後、フランクフルトにあるゼーゼマンの親戚の家で女中奉公をする。
ハイジがアルムで暮らして3年後、8歳になった頃にクララの遊び相手を探している話を聞き、執事ロッテンマイヤーと直々に会い、ハイジを連れてくることを約束する。ハイジを言葉巧みに騙しながら、無理矢理フランクフルトに連れ出す。変わり者のアルムおんじのところにハイジを長期間、預けていると言うリスクも感じ、ハイジをお金持ちの家で暮らさせることで豊かな生活もできるだろうという現実的な考え方を持つ。その際に体の弱いクララが亡くなり代わりにハイジがゼーゼマン家の養女になることなども期待していたようである。
「フランクフルトに行けばハイジは幸せになる」など自分の現実的な価値観を他人に押し付け、そのためであれば言葉を濁す(結果的に嘘を付いたことになる)など、アルムおんじとは性格が合わずに「もう二度と来るな」と怒らせ、デーテ自身も憤慨しながらデルフリ村に戻っている。
デルフリ村の人々と親しく、原作ではハイジの母アーデルハイドがデルフリ村の村娘と書かれており、彼女もデルフリ村の出身と考えられる。また、ハイジをフランクフルトに連れ出すときには叔母の家を訪問して1晩滞在している。
ペーター(Peter)
声 - 小原乃梨子 / 丸山裕子(代役・劇場版)
ハイジの友達でヤギ飼いの少年。2月生まれ。ハイジより6つ年上(11歳の頃、5歳のハイジと出会う)。アルムおんじからは主に「ヤギの大将」と呼ばれている。父親は登場しないが、同じくヤギ飼いであったと語っている。
春から秋にかけてはデルフリ村中のヤギをアルムの山の牧場へ連れて行き、ヤギを見張りながら昼寝などして過ごし、雪で山へ登れない冬の間だけ学校に通っている。そのため勉強は苦手だが、山の自然については熟知している。
性格は、はにかみやで食いしん坊。口下手で、自分の思っていることをうまく言葉で言い表せない。時にハイジに強い口調でやり込められたり、逆にハイジに厳しく言うこともある(特に山での行動について)が、口ゲンカを通じてお互いに信頼し合っている。山ではとっても頼もしく、鷹に襲われそうになったハイジと小鳥のピッチーを助けたり、崖から落ちそうになったハイジを命懸けで助けるなど、立派な面も多い。原作では山にハイジを訪ねてきたお医者様やクララに嫉妬するなど、人見知りの激しさがあったが、本作品ではよそ者に対しても非常に友好的で、人当たりのよい性格である。
木工細工が得意でソリのレースのとき、手作りのソリで他の生徒と同着ながらも一等を取る(このエピソードは本作品オリジナル)。クララがアルムに来たときにも、彼女を山の上の放牧場やお花畑へ連れていくため、頑丈な背負子を作った。
ブリギッテ (Brigitte)
声 - 坪井章子近藤高子
ペーターの母親で、村人からは「ペーターのおかみ」と呼ばれているが、劇中でそのように呼ばれているシーンはほとんどない。物静かな女性で、ハイジのことが大好きである。他の村人同様、最初はアルムおんじを恐れていたが、家を修理してもらったことで理解者となる。目の見えないおばあさんといつも一緒にいるため、遠くへ出かけられない様子。若い時に学校へキチンと行けなかった事情があるのか、字は読めない。発音は、「ブリギッタ」となる場合もある。
おばあさん (Gro?mutter)
声 - 島美弥子沼波輝枝 / 中村紀子子(総集編)
ペーターの祖母。現在は眼が見えない。おんじがアルムへやってきた頃の、優しいアルムおんじを知っている数少ない人物の一人である。
アルムに来て間もないハイジに、家に遊びに来るようペーターに言付け、ハイジが来るのを楽しみにしていた。その後、初めてハイジが遊びに来たとき、おばあさんの「眼がみえないんだよ」との言葉の意味がハイジには分からず、どうしようもないと知ると大声をあげておばあさんにすがって泣いた。そんなハイジに対して、初対面にもかかわらずおばあさんは「お前は何て優しい子なんだろう」と、ハイジを大好きになった。以来ハイジをとても気に入っており、ハイジを一番の心の支えにしている。ハイジが遊びに来るのも楽しみだが、ハイジが語る山での生活あれこれ話を聞いたり、ペーターと鬼ごっこをして遊んでいる声が外から聞こえてくることなどに対して、ブリギッテと共に喜ぶ。反面、クララがアルプスにやってきたときは「ハイジを連れ戻しに来たんじゃないだろうねぇ」と悲しむなど、物事を悲観的に考えてしまう傾向がある。
目が見えなくなった現在も賛美歌の本を大事にしており、誰かに読んでもらいたいと思っているが、ペーターもブリギッテも読み書きが苦手で叶わずにいた。アルムを訪れたクララに賛美歌の本を読んでもらい、クララに「自分も人の役に立てる」ということを気付かせたが、おばあさん自身は気付いていない。

ゼーゼマン家

声 - 吉田理保子 / 潘恵子(劇場版)
ドイツ中西部のフランクフルトに住んでいるゼーゼマン家の一人娘で、ハイジより4つ年上(12歳の頃、8歳のハイジと出会う)。金髪で後頭部に水色の大きなリボンを結んでいる。身体が弱いため常に車椅子に乗り、外出することなく生活している。幼い頃に母親を亡くし父も仕事でいつも不在のため、家の中だけで家事使用人らの世話を受けて育ち、ハイジが来るまで同世代の友人はいなかった。従順で少し大人びた発言をすることもあるが、依存心があり大人を困惑させる言動をとることも。
「体の弱いクララは屋敷の中で安静にしているべき」と考えるロッテンマイヤーの厳しい管理の下、屋敷の外の世界に興味を持たず、規則正しく退屈で孤独な毎日を送っていた。ハイジとの交流やハイジの起こす騒動を経て次第に意欲的になり、外への興味や関心が広がるが、ロッテンマイヤーはそのことを快く思っていない。またハイジがアルムへ帰りたがっていることを知っているが、唯一の友人であるハイジを失い孤独で退屈な日々に戻ることを恐れてもいる(結局はこれがハイジが夢遊病となり重度のホームシックになった主たる原因であり、早い話クララのハイジを自分の手元に置きたいが為の我が儘をロッテンマイヤーが真に受けてしまったのも重なった)。ハイジが帰郷した後、ハイジとの約束で訪れたアルムの山の大自然の中で、徐々に体力を取り戻し、ロッテンマイヤーが愕く程の食欲を見せるなど、徐々に健康になって行く。ついにはクララを訪ねてきた祖母と二人きりの時に牛に襲われ、恐怖で無意識に自力で立ち上がる。その後、アルムおんじに見守られるなか、ハイジやペーターの手助けで歩く練習を始め、最終回では短時間ながらも自力で歩くことに成功、フランクフルトの屋敷に戻ってからはロッテンマイヤーの指導の下、屋敷の階段を使ってのリハビリに悪戦苦闘しながらも「来年山に行く為にも、もっと長い時間歩けるようになりましょう」と励ましを受け、再びハイジたちと会うため、冬の間リハビリに専念することを改めて誓う。
なお、原作では肝油(ビタミンD欠乏によるくる病の予防薬として飲まれる)を飲む描写がある(本作品でも「苦い薬を飲まされる」と僅かに触れられている)。ビタミンDの欠乏は紫外線(日光)の照射不足が原因のひとつであり、全く外出しない彼女が病弱であることも、アルムの山で徐々に健康を回復することも、理に適っている。
ロッテンマイヤー(Rottenmeier)
声 - 麻生美代子 / 京田尚子(劇場版)
ゼーゼマン家の執事である中年女性。原作では家政婦長、つまりハウスキーパー。ゼーゼマン家の中で唯一、ハイジを洗礼名(本名)のアーデルハイドと呼ぶ。アーデルハイドとはハイジの実母の名で、洗礼名を問われた際に叔母のデーテが伝えたものである。ハイジのことを、他の使用人たちにお嬢様と呼ばせていた理由は、単にクララの遊び相手だからではなく、使用人という立場から見るとハイジの地位はロッテンマイヤーと同じ程度だからである。
髪型は常に夜会巻きで、鼻眼鏡をかけている。家事一切を取り仕切り、大富豪の執事に足る教養を持つ[14]。杓子定規で頭が固く、融通がきかないため、形式に沿わぬことや大騒ぎなどが大嫌い。そのため気さくなおばあさまとは気が合わず、他の使用人たちからの人望もいまひとつで、自由奔放なハイジとの相性は最悪と言える。決して悪人ではないのだが、生活の秩序を守ることや体の弱いクララを第一に考えているため、ハイジへの思い遣りに欠ける面がある。またクララの体が“これ以上悪くならない”ことばかりを考え、クララに無理をさせまいとしてきたため、それがクララの意欲を削いでいたことにも気づいていない。大の動物嫌いで、屋敷を抜け出したハイジが拾ってきた子猫に飛び掛かられて気絶するほどである。アルムを訪ねた時は、ヤギ達やヨーゼフを「けだもの」呼ばわりし、引っ掻き回されハラハラの連続だった。なお原作では、クララと一緒にアルムの山へは行かなかった。
学校に通っておらず礼儀作法を知らないハイジを、ゼーゼマン家に相応しい秩序ある人物にすべく、粘り強く厳格に教育する。しかし彼女のやり方が合わず、ハイジは様々な騒動を引き起こす一方でホームシック状態となるが、それに気づくことはなかった。おばあさまが別荘へ戻った後、ハイジもアルムの山へ戻るのではないかと憂うクララに配慮するあまり、ハイジに対して「以後、山に関する話題を一切口に出さない」ように言い渡す等したことで、結果的にハイジの心を破綻させ、彼女が夢遊病を発症する直接の原因を作った。尚、この仕打ちについてはセバスチャンら他の使用人たちだけでなく、優しく温厚なゼーゼマンをも怒らせてしまい、彼から「よくもあの子に残酷な仕打ちを……。貴方こそハイジを幽霊(みたいな病状)にした責任者だ!」と激しい叱責を受ける事となった。
ハイジがアルムへ戻った後、当初はクララが山に行くことを訝しく思っていた。しかし山でクララが歩けるようになったことから、フランクフルトに戻ったクララに屋敷の階段を使ってのリハビリに付き添う。一見厳しいながらも「来年山に行く為にも、もっと長い時間歩けるようになりましょう」と励ましており、最終的にはクララの山行きに理解を示し、むしろ勧めるようになる。
余談だが、舞台版では戦前の発音に基づき「ロッテンマイエル」と表記される場合がある。これはペーターを「ペーテル」と発音していたのと同様である。また阿川弘之の小説「犬と麻ちゃん」でも野村耕平が言及するシーンがあるが、ここでの“フロイライン”は名前ではなく敬称の「嬢」であり、ファーストネームではない。
セバスチャン(Sebastian)
声 - 肝付兼太 / 加藤治(総集編)
ゼーゼマン家の使用人の中年男性。原作ではロッテンマイヤーではなく彼が執事とされている(ロッテンマイヤーはガヴァネス)。ドイツ語での発音はゼバスティァンに近い。
クララの身の回りの世話を全般的に行う。ハイジはセバスチャンを最初に見たとき「おじさん、ペーターに似ている」と話している。物分かりが良く、大らかな性格で、ハイジの良き理解者。ハイジの帰国時には仕事が忙しいデーテに代わってハイジをデルフリ村まで送ってくれた。デルフリでハイジと別れる際にも「山が嫌になったら、いつでもフランクフルトに帰ってきていいんですよ」と言う等、ハイジに対して、まるで父親が娘に接するような振る舞いを見せる。その為、ハイジにとってはおばあさまと並び、フランクフルト滞在時のハイジにとって心の支えとなった優しい人。ただし原作の方のセバスチャンは無条件に優しいだけではなく、用心深くて計算高い一面もある。ハイジが起こした騒動を利用してロッテンマイヤーをからかうシーンなどがある。
チネッテ(Tinette)
声 - つかせのりこ / 高山みなみ(総集編)
ゼーゼマン家の使用人の若い女性。ハイジが起こした騒動の後始末をすることが多く、そのためか無愛想でハイジに対して少々冷たいところがある。ロッテンマイヤーが所用でゼーゼマン家を空ける時、「あの婆さんがいなくてせいせいする」という言葉通り、どちらかというと彼女はロッテンマイヤーを嫌っている様子。ハイジの起こした大騒ぎでロッテンマイヤーが大慌てするのを見て、セバスチャンと一緒にほくそ笑んだり、ハイジに対するロッテンマイヤーの厳しすぎる躾を快く思わない素振りを見せる一面もあり、彼女自身は決してハイジが嫌いというわけではないようだ。また、タンバリンを上手にたたけるなど、音楽的素養も持ち合わせていたり、ロッテンマイヤー同様にネズミが嫌いのようだが、猫は大丈夫のようである。
ヨハン(Johann)
声 - 根本好章 / 千田光男(劇場版)
ゼーゼマン家の御者。白い口髭を生やした小太りの男性で、シルクハットをかぶっている。
ゼーゼマン(Herr Sesemann)
声 - 鈴木泰明
クララの父親。貿易の仕事で忙しく、パリに出かけているため滅多に家にはいない。そのためか、一人娘のクララを溺愛している。とても優しく、温厚で紳士的で、ハイジにもクララと同じ位に深い愛情を注いでおり、ハイジがホームシックと夢遊病を併発した時、その原因がロッテンマイヤーの厳しすぎる言いつけにあったことを知った際は珍しく激高し、ロッテンマイヤーに大喝を浴びせ叱責した。
ハイジがやってきてからの自宅内がうまくいっていないことを察し、実母であるクララのおばあさまをフランクフルトに呼び寄せる。ハイジがゼーゼマン家のあれこれを乱したから、という解釈ではなく、前々からロッテンマイヤーの少々行き過ぎた管理・躾などを是正するために、実母のおばあさまを呼び寄せたというのが実情と言える。
最終回で冬が近づいたためにクララを迎えに来たゼーゼマン家の一同の前でクララが自力で立ち上がり、短時間ながら歩いて見せた時には一同の中で最も驚き、かつ感動のあまり大号泣し、アルムおんじに感謝の言葉を述べた。 声 - 川路夏子 / 此島愛子(総集編) / 麻生美代子(劇場版)
クララの父方の祖母。とても気さくかつ聡明な老婦人で、ロッテンマイヤーをも軽くあしらう。ハイジに挿絵つきのグリム童話の本をプレゼントし本を読み聞かせることで、本への興味を持たせ、字の読み書きを自発的に学んでいけるようにした。また、ホームシックのハイジに気晴らしをさせようと、郊外の森に連れて行ったりと、フランクフルト滞在時のハイジにとって、一番の心の支えになった人物。
クララ曰く、高齢ながら別荘で仕事をしているとのこと。アルムの山でのクララの生活ぶり、アルムおんじのクララに対する考えに感銘を受け、おんじにアルムでのクララの滞在を任せる。ペーターにも信頼をおいている。
原作によると、ゼーゼマン家の財を築いた人物とされる。
お医者様(Clessen)
声 - 根本好章 / 中庸助(総集編)
ゼーゼマンに“冷たい水”を頼まれたハイジが、街中へ冷たい井戸水を汲みに行ったときに偶然出会った老紳士。実はゼーゼマンの友人にしてクララの主治医で、名はクラッセンという。ゼーゼマン家で幽霊騒動が起きたときには科学者の立場で立ち会い、騒動はハイジのホームシックが原因であるとして、ハイジをアルムの山へ帰すよう指示した。普段はハイジやクララ、ゼーゼマンなどの意を汲む温厚で融通の利いた性格だが、ハイジがホームシックと夢遊病を併発しているとわかったとき、ゼーゼマンの「ハイジを元気にしてから、山へ帰そう」との言葉には、「ホームシックは粉薬や丸薬で治る病気と違う」、「今すぐに山へ帰さないと、手遅れになってしまいかねない」と医師として毅然とした態度を示す。
クララの体を治すのは、内服薬だけではなく、不便なアルムで懸命に暮らそうというクララ自身の意欲も必要であるということに気付いた。また、クララが実際にアルムに行き一定期間過ごせるのかを直接確認する為にやってきた時には、アルプスの大自然の美しさ、たまたま出会って山小屋まで案内をしてくれたペーターの朴訥で優しい心、意見交換をして知ったおじいさんの考えや心などにより「ハイジがホームシックになるのも無理はない」と、お医者様自身の五感で感じたことを素直な表現で感銘を受けたシーンがある。このことは、クララがアルムにおいて長期滞在をし、自分の足で歩くことが可能であるかもしれないと確信に至る1つのきっかけを作った重要な場面となる。
家庭教師の先生
声 - 島田彰
クララの家庭教師。丸眼鏡に灰色の髪の中年男性で、一人で様々な科目をクララに教えている。ハイジが来てからは、並行してハイジにも勉強を教えることになるが、字の読み書きもできないハイジにクララと同じ内容を教えるよう、ロッテンマイヤーに指示され苦心する。
2010年代に制作された家庭教師のトライのテレビCMでは、この家庭教師に代わってオリジナルキャラクターの「トライさん」が登場している。

その他

声 - 峰恵研
デルフリ村の住民でユキの飼い主。おんじに対しては誰よりも不仲で短気で怒りっぽいが、逆に睨まれて怯えるほど小心な一面も持つ。ユキが少しも成長せず良い乳が出ないことからユキを殺処分しようとするが、それを知ったハイジは密かにユキをおんじの下に隠される。ユキが良い乳が出るようになってからは考えを改め、ハイジの懇願でユキへの殺処分を取り下げる。
デルフリ村の牧師
声 - 不詳→永井一郎
アルムおんじがデルフリ村在住当時の隣人だった教会の牧師。丸眼鏡に灰色(後に白髪)の初老男性。村人とは違っておんじを恨んでおらず、前述のトラブルのことから村人との和解やハイジを学校へ通わせることを勧めにおんじの下へ訪れるが、拒否されてしまう。
パン屋夫妻
声 - 峰恵研(店主)、山本圭子(妻)
アルムおんじが毎回買いに行ってたデルフリ村のパン屋の夫婦。おんじがいつも購入していたパン(黒パン)の量が変わっていたことに気づき、怒ったおんじはついに口論になり絶交を言い渡される。フランクフルトから帰ってきたハイジを一緒に村まで送って行くが、おんじ宛ての荷物を預かることになる。
ストリートオルガンの少年
声 - 野沢雅子
フランクフルトの街中でストリートオルガンを演奏している。迷子のハイジを道案内する。クララの歓迎会にも参加している。
教会の塔守
声 - 水鳥鉄夫
フランクフルトにあるカタリーナ教会の塔を管理する塔守の老爺。アルムの山を懐かしがるハイジに懇願され、ハイジを塔に上らせた。しかし山が見えず落ち込むハイジを慰めようと、生まれたばかりの仔猫を贈った。
森の少年たち
声 - 山賀裕二、清水秀生
フランクフルトの郊外の森で遊んでいた少年たち。おばあさまの提案で出かけたピクニック先の森で知り合い、ハイジが「お陽さま」を取りに再度森へ出かけた際には、クララへの土産に蝶を集めた。
ナレーション
声 - 沢田敏子

登場動物

本作品のオリジナルキャラクター。フランクフルト編以外のほぼ全話出演。
アルムおんじの飼っている犬で、普段は昼寝ばかりして無愛想でマイペース。だが、ペーターの替わりにヤギの番をしたり、崖から転落したハイジを自らの体をクッションにして受け止めるなど、いざというときにはとても頼りになる。好物はカタツムリ(食べるところを見たロッテンマイヤーが、酷く狼狽する場面がある)。
ハイジが興味を示す物に関心を持つのか、雪割草を掘り出してみたり、樅の木に降る雪がどんな音なのか耳を澄ませてみる仕草をする。また、ハイジ曰く、時々意味不明なことをするらしく、意味なく山小屋前の地面に穴を掘り続けたかと思いきや、穴を埋め戻すことなく澄ましていたりする。ハイジがアルムにやってきてすぐに「アルムで一緒に住むのは、おじいさんと2人だけではない」と確信する象徴的なシーンにより、ハイジはヨーゼフに信頼をおくようになる。
ヨーゼフの行動がメインとなるシーンでは、専用のBGMが流れる。
犬種はセント・バーナードとされるが、には首周りにたてがみのような毛はない。
ユキ(Schneehoppli)
ハイジが「ユキちゃん」と呼んでかわいがっている子ヤギ。アルムおんじへ預けられるために立ち寄ったデルフリ村で出会った、ハイジの最初の友達。飼い主はシュトラール。小柄で乳の出が悪かったために殺処分されそうになるが、ハイジとペーターの機転で何とか助かる。ハイジがフランクフルトに行っている間無事たくましく成長し、子供も生む(本作品独自の設定)。その後はこの子供が「ユキちゃん」、親は「ユキ」と呼ばれる。43話以降ユキは姿を見せなくなる。
シロ (Schw?nli)
アルムおんじが飼っている白い方のヤギ。よく乳搾りされる。後にチーちゃんを産む。
クマ (B?rli)
アルムおんじが飼っている茶色い方のヤギ。滅多に乳搾りされるシーンは見られない。
チーちゃん
シロが産んだ子ヤギ。冬の間ハイジを学校に通わせることにしたアルムおんじが、デルフリ村で家を借りる資金にするために売ろうとしていたが、ハイジから必死に止められる。結局大家が渋い顔をしたため家は借りず、廃教会をペーターやハイジと一緒に改築し、そこへ移り住む形となったため、チーちゃんは売られなかった。クララが到着以来、ユキ(二代目)と一緒にいる時もあった。
アバレンボウ
飼い主はわからないが、特徴は他のヤギと違い毛並みが青黒っぽい点。他のヤギとの区別が一番しやすいヤギ。原作では「トルコ人」となっており、オスマン帝国とドイツ文化圏との争いの歴史を象徴した名前だが、前述の通り本作品の制作にあたって変更されている。
ペーターが飼っているヤギ
名称はない。原作では“Schnecke”、「カタツムリ」の意。頭から半身が黒の毛並みで、半身から後ろは白い毛並みである。
アトリ(Distelfink)
ぶち模様が特徴の子ヤギ。ユキちゃんと同じくらいの大きさだが、品種が違い成長速度が異なるため、ハイジがフランクフルトから帰ってきても、ユキちゃんと違いほとんど大きさは変わっていなかった。飼い主の名前は不明なものの、子供がアトリを広場に連れてくるシーンがある。腕白な性格でしばしば群れを離れてトラブルを巻き起こす。
大角(おおつの)の旦那
アルムの放牧場近辺に現れる、野生のアルプスアイベックス
かわいいの
アルムの放牧場近辺に現れる、野生のアルプスマーモットたち。
ピッチー
山で初めて嵐に遭った際、ハイジが木の下で拾ったヒワ鳥の雛。体全体は水色だが翼の内側は先端が藍色で脇側は黄色い。巣から落ちて弱っていたが、ハイジの世話で飛べるほどに回復する。しかしピッチーやその仲間は冬に南下する渡り鳥であり、秋も深まったある日、行方不明となる。ハイジは落ち込み懸命に探すが、アルムおんじから渡り鳥であることを知らされ、仲間と共に南へ渡ることこそがピッチーの幸せであると気づく。
クララが飼っている小鳥
ハイジが来る前からクララの部屋で飼われている黄色い小鳥。ハイジが見つけた際、クララは「私の唯一のお友達」と紹介した。ハイジは「山へ帰りたがっている」と思い鳥かごから逃がすが、しばらく経つと鳥かごに戻っていた。小鳥が戻ったことを不思議に思うハイジに、クララは「小鳥は山を知らないから、山より鳥かごの中がいいのよ。でもね、ここには山にないものがあるわ」と諭すが、ハイジは「山より鳥かごの中がいいなんてことない」と、山を知らないクララにいつかアルムの山を見せることを決意する。
ミーちゃん
フランクフルト編のみ登場。
カタリーナ教会でネズミ捕り用に飼われている猫が産んだ白い仔猫。フランクフルトに来たばかりのハイジが教会を訪れた際、塔守から贈られた仔猫たちの一匹で、他の仔猫よりも先に貰い受けた。クララが初めて触れた動物でもある。他の仔猫はすぐロッテンマイヤーに見つかり捨てられたが、ミーちゃんだけは見つからずにセバスチャンの計らいで内緒で飼われることになる。ある日、出かけたはずのロッテンマイヤーが忘れ物を取りに戻ったことで存在がバレてしまい、結局捨てられた(その後は知り合いの家に貰われたことが、セバスチャンの台詞という形で言及されている)。

スタッフ

企画 - 瑞鷹エンタープライズ
制作 - ズイヨー映像、フジテレビ
シリーズ構成 - 松木功
音楽 - 渡辺岳夫
場面設定・画面構成 - 宮崎駿
キャラクターデザイン・作画監督 - 小田部羊一
演出 - 高畑勲
美術監督 - 井岡雅宏
撮影監督 - 黒木敬七
録音監督 - 浦上靖夫
制作主任 - 松土隆二
制作デスク - 佐藤昭司、加藤良雄
担当プロデューサー - 中島順三
プロデューサー - 高橋茂人


主題歌・挿入歌

オープニングテーマ

作詞 - 岸田衿子 / 作曲 - 渡辺岳夫 / 編曲 - 松山祐士 / 歌 - 伊集加代子&ネリー・シュワルツ(ヨーデル
曲の始めに流れるホルンハープの音色に続き、ヨーデルのコーラスに導かれて始まる。ハイジが大きなブランコで雄大なアルプスの山々を背景に漕いでいるシーンが出てくる。歌詞の中では、ハイジの日常生活での「なぜ、どうして」といった好奇心を、アルムの山で共に暮らすおじいさんに問いかける形で歌となっている。
録音は日本での録音にスイスで現地録音したヨーデルとアルペン・ホルンをミックス・ダウンするというものになっている。当時の常識では、アニメ音楽のために多額の費用をかけて海外録音をするというのは前代未聞だったと、本作品の担当音楽ディレクターだった木村英俊は後に語っている。当時、主題歌を制作したコロムビア社の経理部長は、木村に対して「スイスに遊びにいくんだろう」と毒づき、海外録音の経費を出すことを拒否した。そのため木村は、自腹を切ってミキシング・エンジニアを連れてスイスに行かねばならなかった。このような経緯を経ながらも完成したこの曲は大ヒットし、件の経理部長はその後、木村と「なんでも相談を聞いてもらえる関係」になったという[15]
主題歌のシングルは日本で120万枚を売り上げ[16]、ヨーロッパでもミリオンセラーになったという[17]1974年の第2回FNS歌謡祭の特別賞を受賞した[18]
伊集加代子によるセルフカヴァー版(ヨーデル - トミー藤山 / 編曲 - 佐藤亘弘)も存在する[19]
2008年には大橋のぞみ[20]がアルバム『ノンちゃん雲に乗る』でカバーした。

エンディングテーマ

作詞 - 岸田衿子 / 作曲 - 渡辺岳夫 / 編曲 - 松山祐士 / 歌 - 大杉久美子&ネリー・シュワルツ(ヨーデル)
アタックNo.1』の主題歌収録時には大杉を厳しく指導した渡辺だが、本作品のレコーディング時には優しかったという[21]。大杉はこの歌を皮切りに「世界名作劇場」において、『ペリーヌ物語』まで5作連続で数多くの主題歌・挿入歌(『母をたずねて三千里』以外は全て渡辺岳夫・松山祐士コンビが作・編曲)を歌うことになった。

挿入歌

作詞 - 岸田衿子 / 作曲 - 渡辺岳夫 / 編曲 - 松山祐士 / 歌 - 大杉久美子
ハイジ(杉山佳寿子)歌唱ヴァージョンも存在する[22]
「夕方の歌」
作詞 - 岸田衿子 / 作曲 - 渡辺岳夫 / 編曲 - 松山祐士 / 歌 - 大杉久美子
ハイジが大好きな樅の木をはじめとする、様々な木々の梢の動き、アルプスの山並みに映える陽光、ヤギたちを連れて帰る夕方の光景を歌い上げた作品[23]
テレビ用1コーラスも存在する[22]
「アルムの子守唄」
作詞 - 岸田衿子 / 作曲 - 渡辺岳夫 / 編曲 - 松山祐士 / 歌 - ネリー・シュワルツ
伊集加代子歌唱ヴァージョン(テレビ用1コーラス版とフルサイズ版)および、ネリー・シュワルツによるテレビ用1コーラス版も存在する[22]
「ペーターとわたし」
作詞 - 岸田衿子 / 作曲 - 渡辺岳夫 / 編曲 - 松山祐士 / 歌 - 大杉久美子

参考資料

各話リスト

物語は大きく分けて第1話〜第18話、第19話〜第33話(フランクフルト編)、第34話〜第52話の三部構成となっている。

放送局

フジテレビ(制作局):日曜 19:30 - 20:00
北海道文化放送:日曜 19:30 - 20:00
青森放送:月曜 17:55 - 18:25
岩手放送:月曜 18:00 - 18:30
秋田テレビ:日曜 19:30 - 20:00
山形テレビ:日曜 19:30 - 20:00
仙台放送:日曜 19:30 - 20:00
福島テレビ: 土曜 18:00 - 18:30
富山テレビ:日曜 19:30 - 20:00[24]
石川テレビ:日曜 19:30 - 20:00[24]
福井テレビ:日曜 19:30 - 20:00[24]
長野放送:日曜 19:30 - 20:00
テレビ静岡:日曜 19:30 - 20:00
東海テレビ:日曜 19:30 - 20:00
関西テレビ:日曜 19:30 - 20:00
山陰中央テレビ:日曜 19:30 - 20:00
広島テレビ:土曜 18:00 - 18:30
愛媛放送:日曜 19:30 - 20:00
テレビ西日本:日曜 19:30 - 20:00
サガテレビ:日曜 19:30 - 20:00
沖縄テレビ:日曜 19:30 - 20:00
本放送時、関東・関西などでは1974年10月より同時間帯に日本テレビ系列で『宇宙戦艦ヤマト』(読売テレビ制作)の放送が始まっているが、民放4局フルネットの地域を中心に『ハイジ』の後番組である『フランダースの犬』とともに、同じアニメ番組である『ヤマト』は視聴率で苦戦を強いられ[25][26]、本来予定の話数より短縮された。

海外での放送

日本国外では主題歌およびBGMを差し替えの上で放送が行われており、特に代表的なのがドイツ版である。このドイツ版ではクリスチャン・ブルーンドイツ語版が作曲した新規の主題歌が使われており、女性デュオのジティ&エリカが歌唱を担当。フランスイタリアなどヨーロッパ圏の多くでもこのドイツ版の主題歌が使われ、各国語で歌唱されている。BGMは同じくドイツ版のゲルト・ヴィルデン英語版ドイツ語版作曲の音源が使われており、アルプホルンツィターカウベルなどスイスゆかりの楽器が多用されている。またほとんどの曲目が同じテーマからの変奏となっている。フランクフルトのシーンでハイジとクララが歌う場面が何度かあるが、それらの音源もやはり多くの国の版でドイツ語で歌われたものをそのまま使用している。

その一方で、香港韓国スペインのように日本と同じ渡辺岳夫作曲の主題歌が使われている国も存在する。また台湾では当初、台視メインチャンネルカートゥーン ネットワークなどでは、別の主題歌に差し替えて放送されていたが、2013年MOMO親子台中華電視公司で放送されてからは、日本と同じ主題歌が使われるようになったというケースもある。

ハイジの故郷・スイスでは、2019年に至るまで公式な形での放送は行われていない。その理由については諸説あり、スイス公共放送(SRF)の広報担当者は「当時、国際共同制作していた実写版ハイジの放送と重なったからではないか」と推測している他、当時のスイスにおいてアニメが低俗なものとみなされていたとの説もある。ただしスイスではドイツやイタリアなど隣国のテレビ放送も映ったことから、子供たちはこれらの放送局を通して『ハイジ』を視聴していたという[27][28]

劇場版

本作品の劇場版は『東宝チャンピオンまつり』内で2本、放送終了後に制作された1本の、計3本が上映されている。『チャンピオンまつり』における『世界名作劇場』作品の上映は本作品が最後であり、以降は『東映まんがまつり』内での上映に移行することとなる。

1974年3月21日公開。
第4話「もう一人の家族」のブローアップ版[29]
同時上映は『ゴジラ対メカゴジラ』『新造人間キャシャーン』『ウルトラマンタロウ 血を吸う花は少女の精』『侍ジャイアンツ 殺生河原の決闘』『ハロー!フィンガー5』の計5本。
アルプスの少女ハイジ 山の子たち
1975年3月15日公開。
第45話のブローアップ版。同時上映は『メカゴジラの逆襲』『新八犬伝』『はじめ人間ギャートルズ』『サザエさん』『アグネスからの贈りもの』の計5本。 1979年3月17日公開。
テレビシリーズの総集編的な内容となっているが、ズイヨー映像解散後に企画・制作された作品であるため、キャストの一部が変更されている(登場人物の節も参照)他、宣伝に用いられた印刷物や書籍の絵も新たに描き直されるなど、テレビシリーズからの変更点も多く見受けられる。 企画・制作:瑞鷹エンタープライズ
製作:高橋茂人
物語構成:松本功
脚本:吉田義昭、大川久男、佐々木守
撮影:トランスアーツ
原作:ヨハンナ・スピリ
画面設定:宮崎駿
キャラクターデザイン:小田部羊一
音楽:渡辺岳夫
演出:高畑勲

テレビCMなどへの出演

1990年代に春日井製菓のキャンディ菓子「ミルクの国」のテレビCMにハイジとペーターが登場。CMの映像は全編アニメーションで作られている。冒頭は本作品のオープニング映像を踏襲し、ハイジが「ミルクの国」を持って大きなブランコを漕ぐシーンとなっており、CM中でかかる曲はヨーデルのコーラスが入るものとなっていた。キャラクターの声優も本作品のそれに準じている。
2003年に放送されたツムラの入浴剤・バスクリンのテレビCMでは、本作品のキャラクター設定に基づく形で実写映像化がなされている。本作品での服装に扮した外国人を起用し、物語の舞台であるスイスにて撮影された[1]。CM中のナレーションは本作品でナレーションを担当していた沢田敏子が起用されている。
2009年5月から放映されている日産・ノートのテレビCMでは、『The World of GOLDEN EGGS』の作風でリメイクされたハイジらが登場(詳細は『低燃費少女ハイジ』を参照)。日産公式サイトのキャラクター紹介には、本作品とゴールデンエッグス仕様の両方のデザインが掲載されている。
2009年11月から放映されているauKDDI沖縄セルラー電話)のテレビCM「ガンガントーク」(指定通話定額)篇では、土屋アンナのシャウトしたボーカルに合わせたのち、バックの巨大スクリーンにハイジの驚愕した顔(通称「バビョ〜ン顔」)が登場する。
2012年6月から家庭教師のトライのキャンペーンCMにて、ハイジのオープニングなどの作中映像や主題歌などが使われた(詳細は『教えて!トライさん』を参照)。
2012年8月から放送されたエースコックの『新スープはるさめ』CMで、本作品の実写化された。NEWハイジ役が朝丘雪路、NEWペーター役が速水もこみち、NEWクララ役が比嘉愛未
2017年9月から日清食品の「カップヌードル」のCMとして制作された短編作品では、本作品を翻案する形で、ハイジ・クララ・ペーターが現代日本の高校生として生活している様子を描いている。キャラクターデザインは窪之内英策が担当、ハイジを石井杏奈、クララを雨宮天、ペーターを神谷浩史がそれぞれ演じている[30]

映像ソフト化 

本作品のビデオ・DVDの累計出荷本数は、2003年5月時点で約80万本を記録している[31]

テレビシリーズのDVDは1999年8月25日 - 11月25日にかけて、全13巻が発売された。
リマスターDVD-BOXは2010年11月26日発売。これまで、VHS版、LD版などではカットされていた「カルピスまんが劇場」の冠映像も収録。

派生作品

CGアニメ

原作小説を元にした今までの映像作品とは異なり、本作品を下敷きにした3Dアニメ版が、フランスオーストリアドイツベルギーにより、2015年に制作された。アニメーション制作は『みつばちマーヤの冒険』『小さなバイキングビッケ』『ニルスのふしぎな旅』をリメイクしたSTUDIO 100。全39話。日本では現時点で未放送。

ショートアニメ

2016年8月より2017年9月まで、本作品のパロディショートアニメ(約10秒)として、フジテレビの情報番組『#ハイ_ポール』内で放送[32]。同番組の終了後も、2017年10月23日より同じフジテレビの深夜番組『プレミアの巣窟』内のコーナー枠に移動して放送を継続。サンクリエートLINEスタンプでアルムおんじをノリの軽いキャラにしたのが人気となり、アニメおよび関連グッズが瑞鷹およびサンクリエート、フジテレビの3社共同事業として展開された。

2017年には公式rwitterにて、中部電力提供による『アルプスの少女ハイジ?ちゃらおんじZ』も配信された。

見た目に反してノリが超軽いヒゲの人。
スイーツクララ
可愛いもの好きな自分、が大好きな腹黒ナルシスト。おんじの雇い主。
ハードボイルドヨーゼフ
サングラスをかけた大型犬。
きらきらペーター
少女漫画にいそうなシャイなイケメン。
ハイジ
おんじの親戚。顔には黒目線が入れられている。
YAGI(ヤギ)
おんじの合コン仲間。おんじの上司。 佐佐敏行
小林由美子
市来満
曽田祐司
原作 - 『アルプスの少女ハイジ』(ZUIYO)
脚本 - 佐佐敏行、金栗英彦、星原圭裕、曽田祐司
音楽 - ☆Taku Takahashi(m-flo/block.fm)
演出 - 市来満
録音 - ポニーキャニオンエンタープライズ
チーフプロデューサー - 佐佐敏行(フジテレビ)
プロデューサー - 金栗英彦(フジテレビ)
企画協力 - 高橋茂美(瑞鷹)
キャラクターデザイン - 寄本友輔(サンクリエート)
制作進行 - 星原圭裕(クリークアンドリバー)
アニメーション制作 - 曽田祐司(モールスリー)
制作協力 - サンクリエート
制作著作 - フジテレビ

その他の展開

株式会社サンクリエートの直営による、本作品の公式ショップ兼テーマ施設。2001年にメトロポリタンプラザに開店、その後2006年に秋葉原、さらに2009年に同社所在地の両国に移転を重ねて現在に至っている。テレビ東京系列で放送されていたバラエティ番組『Ya-Ya-yah』の2007年1月14日放送分で紹介されたこともある。
このハイジクラブ以外にも、下記「ハイジの村」内の「ハイジのテーマ館」などを始め、日本各地にハイジ関連の公式ショップやテーマ施設が複数存在する。
山梨県立フラワーセンター ハイジの村
山梨県北杜市に存在する、本作品をイメージしたテーマパーク。詳細は当該項目を参照。
アルプスの少女ハイジ展 〜その作り手たちの仕事〜
2005年5月から2006年5月まで、三鷹の森ジブリ美術館にて開催された特設展。本作品にも場面設定・画面構成として参加した宮崎駿が、当時を振り返る形で詳細な解説を行った。
ユングフラウ鉄道
スイスの登山鉄道。2012年の全線開通100周年の記念行事の一環として、ハイジの声による日本語の車内アナウンスが期間限定で行われていた[36]
「日本のハイジ(Heidi in Japan)」展
2019年7月17日から10月13日にかけて、スイス国立博物館(チューリッヒ)で開催されている特設展。制作チームによるスイス「ロケハン」記録写真から、アニメの原画、関連グッズなどが展示されており、原作の舞台となったスイスで公式に本作品が紹介されるのは初となる。展覧会のポスターはキャラクターデザイン・作画監督を務めた小田部羊一の描き下ろしによるもので、小田部と担当プロデューサーの中島順三は会期中の8月に、スイス国立博物館で開かれたハイジ・シンポジウムへの参加や、ロケハンで訪れたグラウビュンデン州マイエンフェルトへの再訪も行っている。[37][27]
オマージュ
2019年上半期の連続テレビ小説なつぞら』において、主人公の奥原なつら「マコプロダクション」が手掛けたアニメ『大草原の少女ソラ』が、本作品からのオマージュではないかとする見解が呈されている[38]

脚注

出典:Wikipedia
2020/03/04 20:00
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