レズビアン
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3.歴史
3.2.アメリカにおける歴史
ヨーロッパではルネサンス期から存在し、アメリカでは19世紀後半に頂点に達した女性同士の「ロマンティックな友情」が存在した。未婚の女性同士の激しい友情をあらわしたが、19世紀中ごろから設立された女子大学により女性の経済的自立がなると女性同士の世帯が登場し、男性との結婚によって中断する必要がなくなったのである。保守的な富裕層や教育を受けられない貧困層とは対照的に、職に就くことが少なくなかった中産階級の女性は女性同士の愛が普通とされる社会で育った。東海岸では「ボストンマリッジ」と呼ばれ、ジェーン・アダムス、M・キャリー・トーマスと言った有名な女性運動家も女性同士で暮らした。もっとも性科学が登場したばかりの当時、自らをレズビアンと認識するものはいなかった[22]

徐々に広まりつつあった性科学は第一次世界大戦が終わってからアメリカでも常識化し、「ロマンティックな友情」で済まされていた関係をレズビアンとして一般女性から切り離し、フェミニストも含めて「性倒錯」「男の心をもっている」「古い母権制社会への退行者」などと非難し始めた。この新見解は女性たちの間に大混乱をもたらしたが、これを機に自らを自然によって運命付けられたレズビアンとして認識し、コミュニティーを作り同性愛に対する刑罰に挑戦する女性も現れた[22]

1920年代フロイト理論の広まりによって自由な異性関係とバイセクシャルの試みが許された時代だった。小説にもレズビアンが登場し、ブロードウェイの芝居でも異性装が大流行した。各地にレズビアンコミュニティが登場し、特にニューヨークハーレムグリニッジ・ヴィレッジが有名だったが、バイセクシャルがはやっても混ざりけのないレズビアンは異常視された。性革命のもとより開放的になった異性愛が健康に不可欠だともてはやされる一方で、同性愛が貶められたのもこの時代である[22]

1930年代になると大恐慌の影響で性の自由は中断される一方で、医学界も前説を流布し続けていた。自立した女性に対する圧力も高まり、生活が立ち行かなくなってホームレスになるレズビアンのカップルもいた。やむなく男性と結婚しバイセクシャルで妥協するレズビアンもいた。小説にもレズビアンを否定的に描くものが現れ、レズビアン描写に対する検閲も強まり、女子大学でもかつての「ロマンティックな友情」は見られなくなった。レズビアンにとっては孤独な時代だったが、それでもより多くの女性が自分をレズビアンだと認識し、サブカルチャーを発展させた[22]

第二次世界大戦中はレズビアンを黙認した軍の女性分隊を始め、工場などさまざまな場所で女性だけの組織が誕生し、レズビアニズムの発展に寄与した。「ロマンティックな友情」の時代とは違って、すべての階層に開かれていた。1950年代に入ると戦争が終わって除隊させられたレズビアンが港町にコミュニティを作り、女性たちの間に広まった寛容さからサブカルチャーが発展した。さらに大都市へのレズビアンの移住が増加し、レズビアン・バーを増大させた。これは後にレズビアンの組織化につながる[22]

しかし職場に戻り始めた男性を中心に保守的な意見もあり、医学界も同性愛に対する「治療」をビッグビジネスに仕立て上げた。マッカーシズムによる迫害も始まり、多くの同性愛者が公職を追われ、苦しい二重生活を強いられた。それでもサブカルチャーは激増し、初めてのレズビアン団体が現れたのもこのころであった。ただしレズビアンサブカルチャーは60年代を通して主流文化に屈しており、レズビアン団体の加入者も少なかった[22]。キンゼイ・リポートでレズビアンとゲイの比率などが発表されたことは、レズビアンたちを勇気づけた[23]

しかし1960年代末期になると60年代のフェミニズム公民権運動を経験した世代がゲイ革命を起こした。1969年ストーンウォールの反乱を契機に、マスコミや医学界、政界にも同性愛に同調する動きが生まれた。解放運動は驚くべき勢いで広まりゲイ男性と共同で反対する政治家と戦った。こうした一連の流れは1970年代においてレズビアン・フェミニストの登場を促した。レズビアンによる独立した平和自由社会を理想とする彼女たちは協同組合や職業訓練所の開設を目指し、独自の新聞や小説、音楽でレズビアンを賛美した。しかしあまりにも理想に走りすぎたため分裂対立を繰り返し、できたばかりのコミューンも長続きしなかった[22]

1980年代に至ると性的に消極的だったレズビアンの性に関して大論争が起こる。レズビアンの性的解放を目指しての動きだったが、むしろ時代はゲイ男性の間にエイズが蔓延したため性に関しては保守的になった。コミュニティも70年代よりは穏健的かつ統一的なり、各民族ごとの小グループが生まれ多様化した。高齢者肥満者、障害者のレズビアンの活動も活発化した。この結果、同性愛者の人権法が各地で成立した。また母親になるレズビアンが増え、ベビーブームが到来したのもこの時代である[22]

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出典:Wikipedia
2020/01/13 15:00
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