はやぶさ (探査機)
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1.概要
はやぶさは2003年5月に内之浦宇宙空間観測所よりM-Vロケット5号機で打ち上げられ、太陽周回軌道(他の惑星と同様に太陽を公転する軌道)に投入された。その後、搭載する電気推進イオンエンジン)で加速し、2004年5月にイオンエンジンを併用した地球スイングバイを行って、2005年9月には小惑星「イトカワ」とランデブーした。 約5か月の小惑星付近滞在中、カメラやレーダーなどによる科学観測を行った[5]。次に探査機本体が自律制御により降下・接地して、小惑星表面の試験片を採集することになっていた。 その後、地球への帰還軌道に乗り、2007年夏に試料カプセルの大気圏再突入操作を行ってパラシュートで降下させる計画であったが、降下・接地時の問題に起因する不具合から2005年12月に重大なトラブル[6]が生じたことにより、帰還は2010年に延期された。 2010年6月13日、サンプル容器が収められていたカプセルは、はやぶさから切り離されて、パラシュートによって南オーストラリアのウーメラ砂漠に着陸し、翌14日16時8分に回収された[7]。はやぶさの本体は大気中で燃えて失われた。 カプセルは18日に日本に到着し、内容物の調査が進められ、11月16日にカプセル内から回収された岩石質微粒子の大半がイトカワのものと判断したと発表された[8][10][11]
小惑星からのサンプルリターン計画は国際的にも例が無かった。この計画は主に工学試験のためのミッションであり、各段階ごとに次のような実験の成果が認められるものである。
イオンエンジンによる推進実験
イオンエンジンの長期連続稼動実験
イオンエンジンを併用しての地球スイングバイによる加速操作
光学情報を利用した自律的な接近飛行制御と誘導
小惑星の科学観測
微小重力下の小惑星への着陸、および離脱
小惑星サンプルの採取
サンプル収納カプセルの惑星間軌道から直接大気圏再突入・回収
地表で小惑星のサンプル入手
はやぶさの地球帰還とカプセルの大気圏再突入、カプセルの一般公開、その後の採取物の解析などは日本を中心に社会的な関心を集めた。はやぶさがミッションを終えてからもブームはしばらく続いた[12]。 イトカワ探査の終了後、JAXAでははやぶさ2をミッションとして立案しており、応援を呼びかけていたが[14]、2011年5月12日、JAXAは「はやぶさ2」を2014年に打ち上げる予定であると発表した[15]。 2013年1月30日に、JAXAがこれまでに蓄積した膨大なデータを広く一般に公開するための実験の一つとして、はやぶさのAPIが構築された[16][17]。このAPIは多摩美術大学東京工科大学に公開され、同大学の学生がはやぶさのAPIを使用したアプリケーション開発を行う[16][17]
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(2.名前の由来)

5. NASAの小型探査ロボットを運んで行って小惑星表面を移動しながら探査を行う計画も存在していた(MUSES-CNの項を参照)。
6. トラブルとは、姿勢制御装置の故障や化学エンジンの燃料漏れによる全損、姿勢の乱れ、電池切れ、通信途絶、イオンエンジンの停止など数々のアクシデントを指す。
7. “「はやぶさ」カプセル回収作業完了! 熱シールドも発見!”. ISAS/JAXA (2010年6月14日). 2010年6月14日閲覧。
8. “はやぶさカプセル内の微粒子の起源の判明について” (プレスリリース), 宇宙航空研究開発機構, (2010年11月16日), http://www.jaxa.jp/press/2010/11/20101116_hayabusa_j.html 2010年11月16日閲覧。 
10. 当初の計画通りなら、再突入の約10時間前に月軌道程度の距離で試料カプセルを分離した後[6]、はやぶさ本体は突入軌道から離脱して別の目標へ向かうことも可能だった。しかし化学スラスタが使えなくなって急激な軌道変更が不可能になり、また精密な姿勢制御に困難を伴うようになったことで、カプセルが市街地に落下する心配も生じた。このため、地球になるべく近付いてからカプセルを切り離す計画に変更され、結果として当初のような延長ミッションは断念された。その代わり、2009年には本体の大気圏再突入の際のデータを、地球に衝突する小惑星の軌道予測のためのシステム開発に役立てるという新たなミッションが加えられた。
11. 探査機との通信は臼田宇宙空間観測所の64mパラボラアンテナを用いて行われたが、2009年11月より64mアンテナが改修工事に入ったため、工事終了までは内之浦の34mアンテナが使われた。
12. “「はやぶさ」止まらぬ人気、「故郷」ツアー大盛況”. 読売新聞. (2010年7月10日). オリジナルの2010年7月12日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100712213735/http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100710-OYT1T00524.htm 2010年7月21日閲覧。 
14. 『応援してください、「はやぶさ2」。「はやぶさ」の成果があぶない』とまで書かれている[8]
15. “はやぶさ、次は安心の旅に 14年に後継機打ち上げ”. 朝日新聞. (2011年5月12日). オリジナルの2011年9月2日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110902141150/http://www.asahi.com/science/update/0512/TKY201105120419.html 2011年5月12日閲覧。 
16. JAXA PR (2013年1月30日). “JAXA OPEN API PROJECT”. Google+. 2013年2月2日閲覧。
17. “「はやぶさ」がAPIに アプリ開発、大学生が挑戦へ”. ITmedia ニュース. (2013年1月31日). http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1301/31/news122.html 2013年2月2日閲覧。 

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出典:Wikipedia
2018/06/09 10:00
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