4.3.リュウグウでの活動(2019年)
2019年2月22日、午前7時29分 (JST) に「リュウグウ」への1回目の着陸に成功した
[64][65]。この日はやぶさ2開発に尽力したJAXA宇宙科学研究所助教であった飯島祐一(故人)の誕生日だった
[66]。

2019年
3月5日、前述の寄付金により取り付けられた岩石採取確認用カメラの映像が公開され、充分な量のサンプル採取ができたように見えることから着陸を2回に減らす方針が示された
[67]。

2019年
4月5日午前11時前 (JST)、衝突装置 (SCI) と小型カメラ (DCAM3) を分離した後、リュウグウの反対側に退避し
[68]、DCAM3による衝突の噴出物の撮影により衝突装置の作動を確認することに成功した
[69][70]。

2019年
4月25日、衝突地点を観測し、人工クレータの存在を確認
[71]。

2019年
5月16日、低高度に降下して人工クレーター付近の調査を行おうとしたものの、高度約50 m付近でLIDARの受信感度切替時にノイズを拾い異常を感知したため、自律判断で上昇した。この時のターゲットマーカー投下は中止された
[72]。接近時に詳細な映像は得られた。

2019年
5月30日、高度10 mまで降下し、ターゲットマーカーAの投下に成功した
[73]。

2019年
6月11日から
6月13日にかけて、低高度運用で人工クレーター付近を詳細観測
[74]。最有力候補地点に充分に近い場所に投下されていたため新たなターゲットマーカーは投下しなかった。

2019年
6月25日、2回目の着陸計画について発表された。人工クレーター内部ではなく、人工クレーターから飛び散った周辺の土壌を採取することになった
[75][76]。

2019年
7月11日、2回目の着陸を行い、サンプル採取のシーケンスを実施した
[77]。

2019年
8月2日、ミネルバ-II1ローバー1Bことアウルが冬眠から目覚め、13時15分 (JST) から10分間テレメトリを取得
[78]。

2019年
8月26日、サンプル採集容器が再突入カプセルに収納された
[79]。

2019年
8月29日、予備の4個目のリアクションホイールのテスト中にトルク異常を検知したため、自律的にセーフホールドに移行してリュウグウから離れた距離へ退避した。8月30日の運用でセーフホールドから復帰させており、少なくとも常用している3個のリアクションホイールやセーフホールドの挙動は正常とされた。この影響によりリュウグウに再接近する必要が生じ、9月5日に予定されていたターゲットマーカーの分離運用を延期した。
[80]

2019年
9月12日、ターゲットマーカー分離運用(降下)を開始。
9月17日 (JST) にリュウグウ上空 1 km でターゲットマーカーE,Cをそれぞれリュウグウの赤道軌道と極軌道に載せて分離。
9月23日ごろにかけて落下するまでの様子を上空 20 kmから光学観測した。
[81]これらには、世界初の人工衛星シリーズにちなんだ名が付けられ、ターゲットマーカーCはCに似たロシア語の
С(エス)で始まる
スプートニク(Sputnik/Спутник)、Eは
エクスプローラー(Explorer)と名付けられた。
[82]

2019年
10月3日 (JST)、ミネルバ-II2をリュウグウの上空 1 km から赤道を周回する軌道に載せて分離
[83]。当初の予定では8周ほど周回する計画だったが、カバー分離の反動で25°ほどの誤差が生じ、約22時間で1周あまり周回してリュウグウに着地した
[84]。