あかつき (探査機)
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4.運用
4.3.軌道修正制御
あかつきは結果的に金星でパワードスイングバイを行う形となり、公転周期224.7日の金星よりやや内側を203日で公転する、近日点約9000万km、遠日点約1億1000万kmの軌道に移った[25]。太陽の周りをあかつきが約11周する間に金星は約10周して「周回遅れ」になるため、2016年12月と2017年1月に両者は再び接近する[26][27]。2010年12月8日の宇宙開発委員会で、JAXAはこの時に金星周回軌道への再投入を行う可能性を追求すると報告した[28]

12月9日、あかつきは3台のカメラ (LIR, UVI, IR1) を起動し、約60万kmの距離から金星を撮影した[29]

2011年1月、JAXAがあかつきについて「軌道を微修正して、金星と再会合する前に金星付近の小惑星を観測する[30]」あるいは「減速し(公転周期がより長くなるように軌道を修正し)、金星が後ろから追いついてくるのを待つことで、再会合までの期間を1年短縮する[31]」などを検討しているとの報道がなされた。ただしその時点では、これらについてJAXAからの公式発表は無かった。2011年初頭の軌道のままだと2016年から2017年にかけて金星に再接近するが、その距離はVOI-1の時より遥かに大きいため、いずれにせよ軌道修正は必要である。

2011年3月、科学データ取得と観測機器の健全性確認を兼ねて4台のカメラ(LIR, UVI, IR1, IR2)を用いて1000万km以上の距離から金星を複数回撮影しカメラの健全性を確認した。また、4月17日の第1回近日点通過では、衛星表面および表面に取り付けた機器などの温度が上昇し、許容温度上限に迫る可能性[32]や断熱材の劣化等が想定された。このため近日点付近では、熱入力による機器への影響を最小にするため姿勢変更等の運用を行った[33]

2011年6月30日の宇宙開発委員会でJAXAは、逆止弁を閉塞させる原因や、第2回(2011年11月)または3回(2012年6月)の近日点通過周辺で、OMEまたは姿勢制御スラスタを使い軌道調整を実施し遠日点高度を下げ周期を短くし、2015年11月に金星に再会合させる計画を報告した[34]

2011年9月7日午前11時50分(日本時間)に、再び軌道投入用スラスター (OME, Orbit Maneuvering Engine) が使えるかどうか、またOME使用時の姿勢の乱れ量等を調べることを目的とした第1回OMEテスト噴射(噴射時間2秒)を実施した。9月9日JAXAは第1回OMEテストの結果、OMEの推力が想定の約1/9であったことを発表した。この結果を受け、9月14日の第2回OMEテスト噴射(同5秒)はOMEの噴射状況の再確認することを目的として実施した。9月15日JAXAは第2回OMEテストの結果、OMEの推力が第1回OMEテストの結果と同程度であったことを発表した。これにより当初計画された金星周回軌道への投入が困難であることが確認された。ただしOMEの代わりに姿勢制御用エンジン(RCS, Reaction Control System)を使う場合でも、軌道投入時期は同じ2015年11月とする計画が立てられた[35]

2011年9月30日にJAXAは、OME燃焼器の今後の使用は断念し、今後は姿勢制御用エンジン(RCS)による軌道制御を行い、RCS運用のため、酸化剤を全投棄すると報告した[36]

2011年10月26日にJAXAは、宇宙開発委員会に対し「あかつき」の現状と金星再会合に向けた軌道制御運用について報告を行った。これによればOME用の酸化剤投棄を2011年10月6日に6分、12日と13日にそれぞれ9分行い計画通り成功したことが明らかになった。また、姿勢制御エンジンRCSを使った運用計画も報告され、2011年11月1日にΔ90m/s、10日にΔ90m/s、21日に過去2回の補正を含めΔ70m/sの軌道制御を実施することが明らかになった。2011年11月1日に1回目の軌道制御実施結果の会見が行われ、これによれば姿勢制御エンジンRCS噴射時間は9分48秒、テレメトリデータ解析後に次回計画詳細を決定するとの報告がなされた。2011年11月10日に2回目の軌道制御に関する発表がJAXAより行われ、13時37分から544秒間(9分4秒)実施したとの報告がなされた。同時に1回目の軌道制御の実施時間は587.5秒(9分47.5秒)であったことを明らかにした。2011年11月21日に3回目の軌道制御に関する発表がJAXAより行われ、13時57分から342秒間(5分42秒)実施したとの報告がなされた。

2012年1月31日に宇宙開発委員会調査部会は、「あかつき」の金星周回軌道への投入失敗に係る原因究明及び今後の対策についての調査審議の報告を宇宙開発委員会に行った[37]。同日、JAXAはこれまでの調整をまとめた上で今後の運用方針について宇宙開発委員会に報告を行った。上の調整の結果、2015年に金星に再会合できる軌道を飛行中であり、金星周回軌道再投入を含めて、今後全く補加圧できない場合でもRCS運用が可能な状態となっている。探査機寿命を勘案しつつ、2015年以降の金星周回軌道再投入を検討しており、それに向けて各種調整や試験の継続が引き続き行われた[38]

2015年8月5日、JAXAは7月17日、24日、31日の3回、計7分半姿勢制御用の姿勢制御用エンジンを噴射し、再投入を11月から12月に変更する軌道修正を行い[39][40]、8月2日までの観測により目的の軌道修正が成功したと発表した[41]

2015年8月31日、JAXAは「あかつき」が、太陽に最も近づく近日点を通過したことを明らかにした[42]。JAXAは1ヵ月程度かけて機体が無事か確認を行った[42]

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(4.4.金星周回軌道再投入)
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出典:Wikipedia
2019/04/22 17:31
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